ハノイの市内観光の要所となる旧市街。外国人旅行者と現地人が交互に行き交う異国情緒あふれる町で、ベトナムらしいムードは旅の初日の散策にぴったりです。しかし、闇雲に歩いていては、体力ばかりが奪われて、見所を見落としてしまいます。そこで、今回は旧市街の魅力を知ってもらうため、町中の歩き方をご紹介します。
観光のメインは南部と中部エリア
旧市街はホアンキエム湖から歩いて入口となるカウゴー通りが南部、マーマイ通りやターヒエン通り周辺が中部、ドンスアン市場周辺が北部と分けることができます。北部は実際はドンスアン市場くらいしか見どころがなく、旅行者もあまり見かけません。観光エリアとなるのは南部と中部となります。もし現地人の素朴な生活風景を覗いてみたいならば西部を歩いてみましょう。旅行者にも人気の下町食堂や小さな商店がたくさん並んでいます。
旧市街ではカフェでエッグコーヒーを楽しもう
もしかすると、観光サイトやマガジンで「エッグコーヒー」という下町コーヒーを目にしたことがあるかもしれません。ミルクの代わりに卵黄を入れたホットコーヒーで、ここ旧市街にあるカフェが発祥と言われています。最近はどこのカフェでも取り扱うようになったので、散策の休憩がてらカフェに入ってご賞味ください。マイルドな舌触りはもしかすると病みつきになるかもしれません。ちなみにエッグコーヒーの発祥とされる「GIANG」というカフェは、日本の横浜にも進出しています。
スパ(マッサージ店)は事前予約する高級店を選ぼう
旧市街には数十のスパやマッサージ店があります。アジアらしい10ドルマッサージ(安マッサージ)も多数ありますが、正直おすすめはできません。まず冷房がないので蒸し暑い中さらにうつぶせになってマッサージを受けなければなりません。また、マッサージが下手で足に炎症を起こし、1日歩けなくなったという人もいますので、できれば予算5000~1万円ほどとって、しっかりとしたスパを満喫していってください。
古き良き旧家とベトナム建築を眺めて
旧市街には数えきれないほどのお店が並んでいますが、それだけではなくしっかりと古き良きに浸かり、ベトナムの旧家を知っていって下さい。旧市街はかつてタンロン城が首都だったときの商業区であり、城下町の中にありました。世界遺産ではありませんが、ハノイ市が指定する国内の文化遺産に登録されているので、改築は複数回されているものの、当時の面影はまだ残ったまま。隙間なく寄り添うように建ち並ぶ家々や中国漢字のお店、フレンチコロニアルが印象的なバルコニーと両開きの鎧戸つきの住宅など、時代を回顧させる建築技術や文化を随所に見ることができます。
シクロに乗って旧市街散策も味わいがある
シクロはベトナム伝統の人力車。現在ではみんな家庭に一台はバイクがある時代となりましたので、都心ではシクロは観光客専用の乗り物となってしまいましたが、ほんの20年前までは、ベトナム人がタクシーとして乗る一般的な乗り物でした。シクロに乗って旧市街を30分ほど周遊してみてはいかがでしょうか。そこから見る風景は、不思議といつもと違って見えます。ちなみに料金の相場は7万ドン(350円)程度。事前に値段を確認して、10万ドン以上するようならしっかりと交渉してくださいね。
旧市街を歩く時は、通りの名前を覚えておこう
旧市街を歩いていると気づくのが、「どこもかしこも似たり寄ったりの町並み」であることです。闇雲に歩いていると、道に迷うのは必至。そこで、旧市街の基本的な歩き方として、「通りの名前を覚えておく」ことがとても重要となります。町角や交差点には写真上のような標識があるので、いま自分がどこの道を歩いているのか把握することができます。ちなみに通りの名前はすべてベトナムの著名人で、政治家や武将・戦争の英雄などから取られています。
買い物は昼よりも夜!
旧市街のお店の多くは冷房がないため、昼間は暑くてゆっくりと商品を選ぶことができないかもしれません。昼間の観光はカフェ巡りやお洒落な冷房付きレストラン、高級スパなどを満喫することに徹して、雑貨巡りは気温が下がる夜に行うのがおすすめです。また、毎週金曜から日曜は週末ナイトマーケットが19時頃から23時にかけて開催されますので、旅行者は是非こちらも参加してください。
ただの散歩ではなく、しっかりと目的をもって行動するのがポイント
旧市街をただあてもなく散歩すると、体力ばかり奪われてしまい、結局何もできずに終わってしまいます。事前に行きたいカフェ、レストラン、スパなどの住所をピックアップして、そのお店を拠点に散策するようにしてみるのはいかがでしょうか。ちなみに旧市街内は一部タクシーが規制されて入れないので、別エリアに向かうときはホアンキエム湖まで戻るのがいいでしょう。