ホーチミン旅行では、多くの方が市内観光に費やす時間が滞在の大半を占めることになります。電車のないホーチミンでは、郊外へ行くにはツアーに参加するのが一般的なためです。そこで、今回はホーチミン市内の中心部から少し離れて、西部にある5区と6区を散策したいと思います。
5区と6区の基本概要
5区と6区はホーチミンの市民劇場やベンタイン市場のある1区から車で20分ほど西へ走ったところに広がるエリアです。5区は中華の町として知られていて、多くの華人がここのエリアに暮らしています。そして、車で5区を越えた先にあるのが6区で、ベトナム人が暮らす町へと変化していきます。6区は中間所得者が多く暮らす町なので、高級マンションや近代的なショッピングセンターはありませんが、市場やローカルスーパー、緑が生い茂る公園などが広がるのどかな町並みを散策することができます。
チョロンがあるのも両区
ガイドブックや観光サイトでもしばしば紹介されている「中華街チョロン」は、この5区と6区に跨っている一部のエリアを呼びます。位置的にはちょうど両区の間にあり、ビンタイ市場は6区ですが、5分ほど歩いたところにあるチャータム教会は5区にあたります。それ以外のエリアはチョロンとは呼びません。旅行者が観光をするならこのチョロンエリアが最適ですが、チョロン以外の町歩きもベトナムらしさを感じて楽しいものです。
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びっくりするほどローカル!な5区
こちらは5区の青空市場。そして、売られているのはご存知のにわとりです。にわとりはこのように生きたまま売られていることも多く、家畜として買う人もいますが、食用で買うのも普通。チキンで買うよりも安いため、生きたまま自宅に連れて帰り、食べるときは首を絞めて熱に浮かせて羽をはいで食べることができます。一般の家庭でその流れをやるというのがちょっと驚きですよね。
ベトナムの屋台グルメは、レストランでは食べられないものばかりなので、興味がある場合はその料理を扱う屋台を見つけなければなりません。5区はチョロンがあるように商業の町なので、屋台の数も1区とは比べ物になりません。もちろん値段も安いです。写真上の屋台は細長く刻んだライスペーパーを特製のタレに絡めて食べるおやつグルメで、値段はなんと50円(1万ドン)。学生が好んで食べる人気屋台です。その他にも町を歩いていればたくさん見つけることができるので、気になったものは片っ端から食べてみてください。
近年は若者の町として成長。6区
続いてご紹介する6区はホーチミン市の中では少し外れにあるエリアのため、町の発展は中心地と比べて大きく遅れていました。しかし、昨今は若者の町として台頭し、口コミで人気を博しているお洒落カフェや、大型映画館、スーパーマーケットなどが建つようになりました。また、近年はミドルクラスの高層マンションも増えてきて、ホワイトカラー職に注目されています。5区とはまた異なるローカルなベトナムらしい町並みが広がっているので、町の散策の道中、掘り出し物がありそうなお洒落ショップや、ついついインスタに投稿したくなるようなカフェなどを見つけることができるでしょう。
5区や6区には、ご覧のような2階建ての古めかしいアパートメントがたくさん建っています。1階は大抵場末のカフェや食堂、パパママストアなどが営業しているので、そういった風景を横目に散策を楽しむのも下町情緒あふれる旅となるでしょう。ちなみに数年前には日本や外国のメディアが「古アパート巡りの旅」をたくさん紹介していて、その時は5区と6区は多くの外国人が行き交っていました。
旅行者にとっては未開の地5区と6区
現地人にとっては5区と6区は勝手知ったるエリアですが、旅行者にとってはまだまだ未開の地。もし1日観光ができるならば、午前中はチョロン、午後はその他のエリアを探索してみるのはいかがでしょうか。もしかすると、「チョロンよりも楽しい!」と思うような出会いが待っているかもしれません。