ベトナムではベトナム語が公用語となり、英語率は都心在住者に集中していて、田舎町に行くと英語ができる人はほとんどいません。そんなベトナム語ですが、旅行者や出張者がもし覚えようとすると、難易度はどのくらいなのでしょうか。英語と比較して難しいのでしょうか。
今回はベトナム語の概要とおすすめ学習方法をご紹介します。
ベトナム語も昔は漢字を使っていた
ベトナムでは古くから中国の支配下にあったため、中国漢字とそれに倣った「チューノム」と呼ばれる文字が使われてきました。日本の漢文とよく似た文体でした。そのため現在でも仏教寺院や歴史ある建築物には、漢字が施されているものも随所にあります(ただし漢文とは異なるので、日本人が読めるわけではありません)。
いまのベトナム語の形に変わったのは、1919年ごろからと言われています。アジアでもっとも長く続いていた科挙制度が廃止され、また、当時は支配下が中国からフランスに代わっていたため、フランスがチューノムを廃止。ラテン文字を源とした新しい文字を作成し、これをクオック・グーと名付けました。
声調言語のベトナム語
ベトナム語(クオック・グー)は御覧のように感じからローマ字へと変わりましたが、英語とことなりzなど特定文字がなかったり、写真上のように子音に声調記号が表記されています。ベトナム語の習得が困難といわれる理由がこの声調にあり、例えば日本語でも「はし」という言葉には「橋」、「端」、「箸」などいくつかの意味があり、これらは文脈、イントネーション、漢字などを用いて適切な意味に置き換えます。ベトナム語はこれが5声から6声あるため、日本人の中では「英語よりも難しい」という人も少なくありません。
意外と簡単!日本語との共通点
しかし、「日本人だからこそベトナム語を学習すべき」という意見もあります。ベトナム語は外来語もたくさんあるため、日本語の発音と共通している単語もたくさんあります。例えば、ベトナム語のクオック・グー。こちらは「こくご(国語」と似た発音。さらに「chu y(チューイー)=注意」、「y kien(イーキエン)=意見」、「cho toi(チョートイ)=ちょうだい(頂戴)」のように、労せず覚えることができるベトナム単語もたくさんあります。
旅行者は発音をそれほど気にする必要はない
また、ベトナム語学習の一番の障害と思われる「声調≒発音」ですが、実は旅行者や出張者はそれほど気にする必要はありません。よく使う言葉であれば覚えるにこしたことはありませんが、旅行者向けの基本単語(挨拶やお礼など)は発音を気にせずカタカナ読みするだけでも大抵は通じます。
おすすめ学習方法~現地で実践練習!
また、ホテル、レストラン、カフェ、雑貨店といった観光地内の商業施設で働く現地人は、在住外国人が使うベトナム語の発音に慣れているので、仮に皆さんの発音が間違っている場合でも、上手に聞き取ってくれます。言い換えれば、お店のスタッフは絶好の会話練習の相手となってくれるでしょう。
学生が集う公園に繰り出そう
お店や宿泊ホテルのスタッフと少しでも話して「私のベトナム語けっこう通じるかも!」と思ったら、是非公園に繰り出してみましょう。ハノイであればホアンキエム湖、ホーチミンであれば9月23日公園、4月30日公園です。いずれも1日中若者が多くいますし、英語はもちろん日本語を学習している学生も少なくありません。お互いのことをベトナム語で話し、絆を深めるのは海外旅行ならではの楽しみ。もし気が合えばLINEやFacebookといった繋がりをもって帰国後も連絡を取り合うことも可能でしょう。
日本人におすすめしたいベトナム語学習!
ベトナム語は難しいと思われがちですが、日本語とも共通点がありますし、それほど発音を気にする必要はないことが分かります。かく言う筆者は英語に挫折してベトナム語学習に集中したくち。これからベトナムに旅行・出張される方は、まずはベトナム語とはどんなものかを知るところから始めてみてはいかがでしょうか。
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