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日本人だから感じるベトナム5つの魅力

東南アジアのベトナムは日本から4000キロも離れている遠い国。しかし、現地に行ってみれば日本との繋がりを感じることができることもありますし、逆にまったく日本にはない文化や慣習に異文化を感じることもできます。今回紹介するのは、日本人だからこそ、ベトナムに引き寄せられる5つの魅力をご紹介したいと思います。

次の旅先をベトナムに選んでみてはいかがでしょうか。

魅力その①:古くから日本と繋がりがある歴史

IMG_1545.jpgホイアンのチャンフー通りにて

ベトナム中部のホイアンは、歴史の全盛期を迎えた17世紀に交易時代を迎えます。アジアと西洋との貿易の中継地点として重要な役割を果たし、特に密接な関係があったのが、日本と中国。ホイアンの象徴でもある日本橋は名実ともに世界遺産のシンボルであり、ベトナム紙幣にも描かれているほど。日本橋傍には日本人町が存在していたとされています。当時日本は江戸時代。かの有名な徳川家康が朱印船を派遣していました。歴史の教科書にも必ず出てくる日本で最も有名な将軍とホイアンの歴史の繋がりを垣間見たとき、日本人なら鳥肌が立つはず。

IMG_2061.jpgベトナム人ならほぼ全員が知っている味の素

ベトナムの町を歩いていると、バイクタクシーや行商人が客引きに寄ってきて、「アジノモト、ホンダ、トヨタ、カラオケ」などと行ってきます。毎回言い寄られてこられるとうんざりしますが、日本人はベトナム関連の単語をどれだけ言えるでしょうか。高度経済成長期に入るベトナムでは日本も多数の企業がすでに参入していて、味の素や本田、豊田といった大手企業のブランドは、現在ベトナムでは誰もが知るものとなっています。カラオケも然り。町中を見渡せばいたるところに「KARAOKE」の看板が。ベトナム人なら誰もが楽しんでいる娯楽施設となります。

魅力その②:ベトナムの日常が日本人にとっては非現実的な光景に

IMG_5383.jpg自然と寄り添って生活するメコンの町

ベトナムでは普通の習慣であり毎日見られる光景でも、日本で生活する日本人にとっては新たな発見となることもあります。よく言われているのは、「ベトナムは日本より30年遅れている」というもの。30年前の日本を知らない都会に暮らす日本人の若者にとっては、ベトナムはまさに古き時代。例えば「ベトナム人は毎日青空市場で買い物する」と聞けば、「ベトナムらしい」で終わってしまいますが、「その理由は、ベトナム人の一般家庭にはまだ冷蔵庫やレンジが普及していないから、その日の食材を毎日調達する必要がある」と続ければ、より深いベトナムの習慣に触れた気になりますね。

IMG_5016.jpgカントーの水上市場

こちらはメコンデルタ地方カントーの水上市場の様子。日本では見られない光景ですね。青空市場は日本でも昔ありましたし、現在でも商店街という形で残っていますが、水上市場の文化はあったでしょうか。ここで大切なのは、ベトナムが発展していないと思うのではなく、日本とは全く異なる習慣として受け入れることがより楽しめるポイント。彼らの多くは数日商船に寝泊まりし、仕入れた野菜や果実を売りさばきます。日本人には非現実的な風景として楽しむことができるでしょう。

魅力その③:単一と多民族の違いに異文化を感じる

IMG_9023.jpgベトナム人と一言で言っても、非常に多種にわたる

日本人でも縄文系と弥生系の顔立ちがあるように、ベトナムを歩いてみても、肌が小麦色の人と日本人と同じ肌色の人がいます。ルーツはよくわかっておりませんが、ベトナム系ベトナム人とチャイニーズ系ベトナム人の違いという人もいます。また、ベトナムは多民族国家の一面も非常に興味深いもの。日本は単一国家とは言えませんが(沖縄の人々やアイヌの人々がいるため)、基本的な人口は日本民族の日本人で構成されています。しかし、ベトナムは54の民族で構成されているのです。

IMG_5259.jpgムスリムのチャム族

みなさんが一般的に言う「ベトナム人」とは、キン族のことを指します。ベトナム人はみんな国民証IDを持っていて、そこにもしっかりと自分の民族の記載欄があります。キン族を除く53の少数民族はベトナム各地に散らばって暮らし、独自の言語と習慣を持っています。同じ国に住んでいても、言葉が違う、生活習慣が違うというのは日本人にとってみれば非常に異様に映ります。しかし、それも異文化体験。少数民族と交流できるツアーなどもありますので、興味があれば積極的に参加してみてください。

>>チャウドックに暮らすチャム族と交流

魅力その④:世界でもトップの親日国家

IMG_9939.jpg若者が集う4月30日公園

大手マーケティング調査会社が毎年公開しているアジアの親日度では、ベトナムは毎年上位トップ3に入ります。具体的には8割以上が日本および日本人に好印象を持っているという結果となりました。確かにハノイやホーチミンといった都市圏では、積極的に日本語を学ぼうとする学生たちが多くいますし、「夢は日系企業で働くこと」という人もいます。

CIMG0254.jpgイオンモールフロア内

また、ここ数年で日系企業の商業施設も多数出てきました。日系ショッピングセンターのイオンはすでにホーチミンで最大規模のスーパーで、なおかつ最も人気があります。コンビニ業界ではファミリーマート、ミニストップ、セブンイレブンがそれぞれ店舗展開をしています。さらにダイソーもベトナム人の若者に人気。このように、地元密着の商業施設はどれも品質はベトナム系やその他外資系よりワンランク上。「日系の店は品質もサービスもいい」とベトナム人は言ってくれます。このような民間企業の弛まぬ企業努力も、親日ベトナム人を増やしてくれていることが分かります。

魅力その⑤:気軽に行くことができる南国

IMG_0869.jpg羽田空港内国際ターミナル

日本からベトナムまでは空路で5時間から6時間。時差は2時間となります。主要都市のハノイとホーチミンは日本の各空港から直行便が出ていますし、2014年には成田⇔ダナン(中部)も直行便で結ばれるようになり、よりベトナムが身近になりました。

CIMG0058.jpgJALとANA双方直行便が出ている

東南アジアで最も日本から近いのはフィリピンのマニラですが、ベトナムはインドシナ半島の一翼。ラオス、カンボジア、タイなど複数か国を陸路で移動することができます。特に人気なのはカンボジアのシェムリアップとの組み合わせツアー。ホーチミンやハノイを観光したあと、世界遺産のアンコールワットを見ることができます。その気になれば土日祝の2泊3日から楽しむことができるので、週末の弾丸トラベルもおすすめです。

ベトナムは今後も人気の旅先に

近年は世界情勢も不安定で、ヨーロッパ旅行よりもアジアに旅先が傾いています。その中でベトナムは治安が取り分け良好ですし、親日国家なので現地でのトラブルも少ないです。日本人だからこそ、ベトナムが魅力に感じる5つの事を紹介しました。

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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