遠く離れた日本とベトナム。一見すると共通点なんてなさそうに見えますが、もしその中で似通った点を見つけることができれば、より一層ベトナムを身近に感じることができるのではないでしょうか。今回は、知ればもっとベトナムが好きになる5つの共通点をご紹介したいと思います。
共通点①:南北に長い国土を持つ
ベトナムの国土は約33万平方キロメートル。日本の九州を除いた国土とほぼ一緒です。東側は南シナ海、南はタイランド湾、そして西側は山脈で、その向こうはラオスとカンボジアに続いています。島国の日本は隣国がありませんが、海と山に囲まれた国土という点では類似しています。
また、南北に細長い国土を持つ地形も似ていて、北から南までの全長は約1650km。日本の本州が1500km程度なので、さらに150kmほど足した感じになります。ですので、日本と同様にベトナムも北と南では気候が異なります。ベトナムを単に「東南アジアだから常夏の気候」と思っていたら、少し驚くかもしれませんね。北部山岳地帯では雪が降るエリアもありますし、観光エリアのハノイであっても、時期によってはジャンパーやジャケットが必要になるほど冷え込むことがあります。上空から国土全体を見ると、ベトナムはSの字に見えますね。また、ベトナム人にはベトナムの創生神話に基づいて、国土は昇龍に似ているとも言われています。
共通点②:多用な地域性
日本では地域によって異なる習慣や伝統があり、その多用性は非常に豊富ということができます。日本はインフラが整っているので、それぞれの地域に比較的気軽に訪れることができますし、地域によっては全国的に知られている名所や祭事なども見受けられますね。その観点からみると、ベトナムも日本と同様多様性に優れているということができます。地域でいえば、北部ハノイ、中部フエ、南部ホーチミンは大きな違いがあります。かつてはそれぞれ国家(王朝)があったことから、独自の文化が現在も残っているのは非常に興味深く見えます。
観光客にとってその違いが楽しめるのは、「各地の名物料理」となります。例えばホーチミンに旅行に来たら、南部名物のバインセオやフーティウは食べておきたいところ。ハノイであれば名物のフォー、ブンダウ、ブンチャーなどは押さえておきたいところ。このように地域によって異なる郷土料理を持っているのはベトナムの大きな特徴です。
共通点③:米文化と麺文化
ベトナム料理といえば、真っ先に米粉麺のフォーを思いつく人が多いかもしれません。しかし、実際のところ、ベトナム人の主食は日本と同様お米です。毎日食べるのは麺ではなくご飯の方。麺は朝もしくは昼食に屋台や食堂でよく食べられますが、夕食はご飯が多いですね。また、ご存知の通り麺の場合はスープの下準備が大変ですので、家庭で麺はあまり食べません。
しかし、ご飯と麺の食べる比率で言えば、6対4くらい。もしかしたら日本人以上に麺をよく食べるかもしれません。また、日本ではラーメンが非常に多様化が進んでいて、お店によってスープや麺、具材に特徴を持ち、人気店は雑誌やテレビで紹介されて行列ができるほど。そして、それはベトナムでも同じです。同じフォーのお店でも人気のお店は昼時には常に満席になるほどの賑わいを見せています。ご飯を主食にして、麺にこだわりを持つ。日本と非常に似通っていると言っていいのではないでしょうか。
共通点④:中国文化の影響が強い
ベトナムはかつて1000年もの長い間中国に侵略されていました。ベトナムは中国のすぐ下にあり、国境に接しているため、中国は度々南下してベトナムに勢力範囲を広げていました。時代によってベトナムは中国を宗主国としていたこともありますし、またとある時代では中国に抗っていたこともありました。現在も華人は多くベトナムに暮らし、中国文化をいたるところで見ることができます。
写真上にある3つの土鍋料理。上は魚の煮つけ、右下は麻婆豆腐、左下はチャーチューとなります。いずれも日本でもよく食べられている料理ですね。特に麻婆豆腐とチャーシューは中華料理の代表料理で、日本では食卓でも上がるほど身近の料理です。ベトナムでも中華街(チョロン)に行けば華人が経営しているお店でいくらでも食べることができますし、チャーシューはベトナム語でも「xa xiu=チャーシウ」と発音します。
共通点⑤:南北がライバル関係
最後はこちら。日本の東京と大阪は昔も今もライバルの関係が続いています。はたから見るとなかなかおもしろいものですが、実はベトナムの北部ハノイと南部ホーチミンも似たような関係といえます。ハノイの言葉を標準語に置き、ホーチミンは南部弁として認識されていて、「南部弁の発音は間抜けに聞こえる」とハノイの人が言えば、「ハノイの人たちは冷たい人ばかり」というのがホーチミン人。
日本では首都の東京が人口も発展の度合いも大阪より上ですね。しかし、ベトナムはその逆。ハノイの人口が700万強に対し、ホーチミンは800万強。また発展度合に関してもハノイより一回りも二回りもホーチミンが都会です。ホーチミンに行けばダイヤモンドのような美しい夜景を高層ビルの屋上から眺めることができ、ハノイに行けばホアンキエム湖の湖畔をのどかに散歩する現地人に心を落ち着かせることができます。
[local, 547]ベトナムの魅力を現地で体験
いかがでしたか。いままでベトナムのことを知らなかった方も、これを読んで少しでもベトナムに関心を持っていただけたら嬉しい限りです。他にも現地を歩いていれば、日本との共通点、もしくは相違点を見つけることができるかもしれません。是非次の旅行はベトナムを選んでみてください。
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