ここ数年ホーチミンでちょっとしたブームとなっているのが、建物の屋上で営業するルーフトップレストランです。建物はビジネスビルであったり、古めかしいアパートであったりさまざま。今回紹介するお店は、「シークレットガーデン」と「マウンテンリトリート」。ホーチミン観光エリアの中心にあることから外国人旅行者にも支持されている人気ベトナム料理レストランです。
今回は「シークレットガーデン」と「マウンテンリトリート」の2つのガーデンレストランをご紹介します。
アクセス
趣ある古アパートの階段を上がるシークレットガーデンはパスター通り、マウンテンリトリートはレロイ通りと、いずれもホーチミン中心部の1区にあり、市民劇場から徒歩で10分圏内です。いずれも大通りから一本路地に入った先にある古いアパートメントを入り、階段を上がった屋上。少々不安を覚えるかもしれませんが、この路地自体人が多いですし、どちらも外国人観光客も多く行き交っていますのでご安心ください。ただ、エレベーターがないので、階段を上がりきるまでは体力が少々必要です。
自然に囲まれた自分だけの庭。「シークレットガーデン」
気持ちがすっとなごむから不思議。これもベトナム旅行らしいひとときだシークレットガーデンはその店名を訳せば分かるように、「秘密の庭」がお店のコンセプトでありテーマとなります。全席オープンエアですが、場所によっては木造りの簡易屋根が設置されているので、雨降りの日でも大丈夫です。草木やつる、花々が店内を囲むように生い茂っていますが、もちろんこれらはすべて計算されたデザイン。テーブルやイスも木造なのはもちろん、食器はベトナムの伝統細工でもあるセラミックを使い、スタッフは田舎の服を着ていて素朴な雰囲気を演出。大都会ホーチミンの中心にありながら、ベトナムの片田舎をイメージしたユニークな空間となっています。
奥に映るのは中部伝統のランタン旅先にベトナムを選んだ方の中には、「ベトナム＝大自然」、「発展途上国の素朴な風景」などを想像していた人もいるのではないでしょうか。そしてホーチミン現地に訪れて、「なんだこの都会は！」とびっくりすることでしょう。ここ10年で、ホーチミンは東南アジアでも指折りの都心に成長して、現在は日本の高度経済成長期に相当するバブルの真っ只中と言われています。乱立する高級マンションを買いあさる富裕層、ディスコで夜通し踊る若者、などなどベトナムは目まぐるしく成長しています。
そんな中、忘れてしまいがちの穏やかで素朴なひとときを思い出すために、営業をはじめたのがシークレットガーデン。最近流行りのコンセプトレストランと呼ばれる一翼を担っています。
ベトナムの大衆料理をワンランク上に再現
揚げ豆腐にひき肉を挟んで、トマトソースをかけた料理。食堂や家庭料理の定番だシークレットガーデンで食べられる料理は100種以上にも及びます。その料理の大半はベトナム人が日ごろ親しんでいる食堂や家庭、屋台などで食べられる、いわゆる庶民派料理。ドンコイ通りにある南国をイメージした小奇麗な盛り付けの料理はありません。しかし、一流シェフによる大衆料理はどれも高級レストランで食べるそれとそん色ない味。どれを食べても満足する味を楽しむことができます。
ⒸSecretgardenまた、シークレットガーデンの一押し料理が、こちらの土鍋を使った料理。土鍋はベトナム料理で度々使われる、台所に欠かせない食器。一般家庭にももちろん一つや二つはあります。その土鍋でぐつぐつと煮込んだ肉や魚料理は濃厚なヌクマムダレが効いていて非常に美味。どれにしようか迷っていたら、一品は土鍋料理を選んでみるといいでしょう。
<DATA>
名称：シークレットガーデン(Secret Garden)
住所：158 Bis/40-41 Pasteur St.Dist.1
営業時間：8:00～15:00 / 17:00~23:00
[local, 554]
山岳民族の暮らしを再現。「マウンテンリトリート」
不思議な温もりが感じられる店内続いてご紹介するのは、「マウンテンリトリート」。リトリートとはリラックスする癒しの一つ。大自然の象徴である山々の麓にある、とある家屋を再現したお店です。内装は御覧のように素朴さ満点。何でも北部山岳地帯に暮らす少数民族の平屋をイメージしたのだとか。壁に空いている丸い穴は通気口。さらにテーブルチェアは木造で、クッション、テーブルクロスなどは少数民族の衣装生地を拝借したものです。随所に山岳を思わせるこだわりがうかがえるのが特徴。
昼も夜もおすすめなのがオープンエアオープンエア席も広く用意されています。昼間は高層ビルが建ち並ぶ都会のホーチミンをうかがうことができ、夜はライトアップされたビル群や店内の淡い照明がロマンティック。いずれの時間帯もおすすめです。
自然派食材で作った素朴な料理
どれも食堂や屋台で食べるのとは一味違うマウンテンリトリートで食べられる料理は伝統的なベトナム料理。屋台生まれのB級グルメも扱っています。何よりも素材の旨味を引き出す調理法を用いているので、食材はシェフが厳選して都度選んでいるとのこと。野菜は産地にもこだわり、信頼できる農家から仕入れています。山岳を意識した天然素材を多く使用した料理がメインで、シンプルながらもどんどん口に運んでしまうおいしさがあります。
ⒸMountain Retreat 料理の値段は一品400円～500円程度。ホーチミンの中心部は日本の銀座とも呼ばれていて、物価はかなり高め。その中でも良心的な値段で対応しているのは、「いろいろなベトナム料理を食べていってもらい、外国人にベトナム料理の良さを知ってほしいから」というもの。一品あたりのボリュームも十分なので、複数人でシェアすれば、より多くの種類を頼むことができます。本当においしい正統派のベトナム料理を食べたい方は、マウンテンリトリートに訪れてみてください。味よし、雰囲気よし、値段よしの三拍子揃った良質なレストランです。
<DATA>
名称：マウンテンリトリート(Mountain Retreat)
住所：36 Le Loi St.Dist.1
営業時間：8:00～15:00 / 17:00～23:00
[local, 555]
