カンボジア旅行を計画している方の多くは1泊か2泊程度の短期旅行が主。3泊以上する方は珍しいかもしれませんね。「もし3泊以上できるなら、隣のタイかベトナムにも行きたい」と考えている人が多いようです。
滞在が2~3日の場合は、押さえておきたいクメール料理を見逃さないように、一食一食大切に料理を選びたいところです。そこで、今回はその一押し料理の一つ、「土鍋料理チュナンダイ」を食べられる観光客向けのお店に行ってみたいと思います。
今回は外国人観光客にも人気のレストラン「スープドラゴン」をご紹介します。
アクセス
オールドマーケットから徒歩5分程度。繁華街であるパブストリートの中心に建っています。3階建ての建物で店頭にはメニューとお店スタッフが立って歓迎してくれます。この通りにはクメール料理を出すレストランが幾多あり、今回食べるチュナンダイを扱うお店も他にあります。
ただし、旅行者の声を聞いてみると、このスープドラゴンが「安くておいしい」とのこと。
おすすめは道路側
おすすめは1階席2階席ともに道路を眺めることができる端側の席。道行く人々は全員が旅行者。多国籍・多種族に富む人々がせわしなく行き交うシェムリアップの小さなダウンタウンを食事をとりながら眺めることができます。あまりこういった図式は日本ではありませんね。冷房もなければ外に無造作に配置されている愛想のないテーブルチェアに座って料理を待つだけ。東南アジアらしくて旅行気分を盛り上げてくれることでしょう。
カンボジアの伝統料理「チュナンダイ」
カンボジア語で「チュナン=鍋」、「ダイ=土」を意味することから、チュナンダイとは「土鍋」を表すクメールの伝統料理を指すようになります。写真上のような土鍋はカンボジアでは極々一般的であり、日用雑貨店でも買うことができますし、家庭でも一つは常備しているほど身近。
日本では鍋料理といえば寒い冬をイメージしますが、冬がない常夏のカンボジアでは、「暑い寒い関係なく鍋はおいしい」とのこと。ちなみに、南国にも関わらず鍋を突くのは、世界的に見ればいたって普通。東南アジア、南米、赤道直下のアフリカでさえ鍋は普段から食べます。肉、魚、野菜となにを入れてもおいしいですし、何より手軽。そして大人数で囲んで食べることができるのも大きな魅力です。
スタッフが心を込めて作ってくれます
鍋に投入する具は次々と運ばれてきますので、テーブルがいっぱいにならないようにタイミングよく鍋に投下しましょう。もしやり方が分からなければ、スタッフに頼めば親切に鍋を作ってくれます。鍋ができあがるまではパブストリートの雑踏を眺めたりして時間をやり過ごしましょう。あっという間です。
入れる具はさまざま。慣れ親しんだ緑黄色野菜に湯葉、キノコ、白菜などなど。見たことがない野菜はあまりないようですね。土鍋は温度がかなり上がっているので、間違っても素手で触らないようにお願いします。
牛肉とたまごを入れて、一通り完成となります。チュナンダイのスープは基本は牛骨出汁が普通。それに野菜の出汁も合わさってかなり美味。日本では味噌や豆乳、キムチなどなど一つのメインとなる味があり、そこに他の野菜出汁が引き立て役に回るのが普通ですが、チュナンダイはすべての出汁が均等にミックスされて、なんともいえない不思議な甘みと旨味があります。
もし味にアクセントをつけたかったら、併せて運ばれてくるこちらの調味料を鍋に入れてください。ただし、こちらはかなり辛くなりますので、辛いのが苦手な方は敬遠した方がいいかもしれません。
鍋の締めはご飯ではなく米粉麺
最後の締めに入れるのはご飯ではなく麺となります。麺は小麦粉でもたまご麺でもなく、「米粉の麺」。隣のベトナムではフォーが米粉麺として人気ですが、カンボジアにも米粉麺はあります。例えばストレート麺のクイティウも米粉麺となります。
ラーメンなどにはない独特の歯ごたえと風味をもち、また原料は米なので腹持ちもよく、ひとしきり食べたあとは、「もう食べられない」とお腹いっぱいになります。
チュナンダイ以外の料理も
スープドラゴンで一番人気はやはりチュナンダイ。筆者が訪れたときも何組か日本人観光客がいましたので、かなり認知度は高い様子。そして、その評判振りに違わぬ味を堪能することができました。ただ、スープの味がおいしいか否かは人それぞれ。クメールの伝統料理を食べているのだと考えながら食べるといいでしょう。また、チュナンダイ以外にはベトナム料理のフォーや生春巻きもありますし、西洋料理もあります。鍋以外にもおすすめなので、滞在中の数少ないレストラン選びの第一候補としてピックアップしてみてはいかがでしょうか。
<DATA>
名称:スープドラゴン(The Soup Dragon)
住所:No. 369, Group 6, Mondol 1, Svay Dangkum
営業時間:6:00~深夜