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東南アジア最大の湖「トンレサップ湖」~乾季

東南アジア最大規模を誇るトンレサップ湖。乾季の時期は3000キロ平方メートルですが、雨季になると1万を超える広大な湖となります。そのトンレサップ湖は、シェムリアップ旅行者にとっては世界遺産アンコール遺跡と並ぶ2大名所として欠かせない観光スポット。時間が許すのであれば、必ず押さえておきたい場所です。

今回はトンレサップ湖(乾季)をご紹介したいと思います。

アクセス

IMG_6877.jpgトンレサップ湖へ行く道中。赤土で具合は悪い

トンレサップ湖まではシェムリアップの市街地から車で約20分程度。基本はツアーに参加して行くことになります。道中は御覧のように赤土の道路を走るので、多少揺れます。ただし、こちらは乾季のとき。雨季になると、この赤土のところまで水位が上がってきますので、もっと早くにボートに乗ることができます。

乾季と雨季の違い

IMG_6908.jpg老朽化が進んだボートに乗るが、これもまた味があっていい

シェムリアップは11月~5月頃までが乾季で、6月~10月くらいまでが雨季となります。その年によっては雨季がずれこむこともあり、11月、12月くらいまで断続的なスコールが降り続くこともしばしば。

乾季のトンレサップ湖は水が少ないので、泥色の河を走り沖に出ます。一方雨季の場合は湖近くまで行くと、すぐに水位の高い湖が表れ、そこからボートで水上家屋の村落を通って沖に出ることができます。美しさでいえば断然雨季に来るべきといえるでしょう。ただし、乾季の場合は子供たちが村中を走り回ったり、青空教室など雨季では見ることができない風景を見学することができますので、乾季でも訪れる価値は十分にあります。

トンレサップ湖周遊の注意点

IMG_6964.jpg遠くからでもかなり跳ねる

どんなツアーに参加しても、乗るボートは大して変わりありません。乾季の時は少ない水をモーターが噴射して進むので、前方に船がいたら泥水が飛び散ることもよくあります。一応操縦士は気を遣ってくれますが、それでも避けることができないこともあるため、船が近づいてきたら後方に移動するなどして対策をとる必要があります。また、時折船底が岩場に当たったりして、ボートが大きく揺れることもあるため、カメラやスマホは落とさないようにストラップを腕に巻いたりして撮影に臨むことをおすすめします。

水上集落を見学

IMG_6933.jpg高さは6m以上にも上る

沖に出るまでは水上集落のある河を通ります。川べりの両側には高床式住居が建てられていて、そこで遊ぶ子供たちや漁業やボートの手入れと準備をする男性陣、家で家事に勤しむ女性たちといった何気ない生活風景を見学することができます。住居は雨季の時期の満水時でも水が入ってこない高さを維持しなければならないため、低いところでも6m、高いところでは10mも家屋を持ち上げます。

IMG_6934.jpg日々ボートの手入れは欠かせない

彼らにとってボートは最も重要な移動インフラであり、なくてはならない商売道具でもあります。そのボートが故障や壊れた場合は、生活と仕事双方失うこととなり、彼らにとっては生活に致命的な打撃を受けます。そのため、彼らは日々ボートの手入れを欠かしません。見た目はどんなにおんぼろのボートでも、実はしっかりと手入れされていて、丈夫で長く使うことができます。

アンコール遺跡にも刻まれるクメール人とトンレサップ湖の魚

IMG_6914.jpg海外旅行らしい時間が待っている

かつてトンレサップ湖には500種以上の淡水魚が生息していると言われていましたが、その後の綿密な調査結果の後、現在では150~200種、多くても300種弱という研究結果が報告されています。ただし、トンレサップ湖は国際河川のメコン川に繋がっているため、メコン川に生息している淡水魚が湖に入って来ることもあるそうです。

また、トンレサップ湖で獲れる魚介のほとんどはカンボジア人たちの国内消費分に充てられ、彼らの年間に接種するたんぱく質の実に60%がこのトンレサップ湖から獲れる魚介によるものだというから驚きです。アンコールワットやアンコールトム(バイヨン)にも刻まれた魚の彫刻は、当時からクメール人が魚と密接な関係にあったものを示唆しています。

コンポンプルック村へ

IMG_7012.jpg乾季のときは歩くことができるので、散策も楽しい

約600世帯3000人が暮らしていると言われるコンポンプルックという村落。乾季では御覧のように形成された集落を歩いて見学することができます。一方雨季になると湖に飲み込まれ、水上集落へと変わり、人々はボートで移動します。一年の半分を陸上で、もう半分を水上で過ごす彼らの生活力は非常にたくましいものがあります。ツアーでは学校や英語塾、寺院を見学したり、人々の生活風景を眺めることができます。

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沖に出て水上家屋でランチタイム

IMG_7056.jpg漁業の様子も見れる

水位の浅い泥水が張った川をひたすらボートで進んでいくと、20分ほどでようやく沖へ出ることができます。青い湖が姿を現し、大小の漁船が数多く停泊している様子をうかがうことができます。果てしないほど広がる湖の向こうには色鮮やかな水平線がうかがえ、その姿は非常に美しいものがあります。ボートはそのままとある水上家屋へと寄り、ツアー参加客はそこで食事をとることができます。

IMG_7069.jpgたっぷりと異国情緒に浸かれる水上レストラン

水上レストランではカンボジア人が食堂などで食べる一般的な大衆料理を用意。珍しいところでいえばワニ肉。トンレサップ湖ではワニも古くから水揚げされていて、現地人は燻製にしたり焼いて食べます。クセはそれほどありませんが、多少固い食感です。日本人にとっては珍味なので、一度試食してみると面白いかもしれませんね。

ツアーは午後がおすすめ?

ツアーでは水上レストランを楽しんだのち、帰路につき終了となります。多くの旅行会社ではこのトンレサップ湖周遊ツアーを午前と午後の2回に分けて催行しています。午後はゆっくりと市内散策や遺跡巡りをしたいという方は午前に参加するといいですが、午後はこの水上レストランで湖に沈む夕日を見ることができます。辺り一面オレンジ色に染まり、さらに紫色へとカーテンが下りていく。そんな美しいサンセットは一見の価値があると言います。トンレサップ湖は御覧のように乾季でも十分に楽しむことができるので、是非参加していってください。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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