世界遺産アンコールワットを有するカンボジアのシェムリアップ。とはいえ、旅行者の動向をうかがうと1泊から2泊が多い様子。またベトナムやタイといった隣国と併せて2か国周遊旅行をされる旅行者も少なくありません。そこで、短期滞在の方は「少なくともクメール料理の定番どころは押さえておきたい」と考えるものです。
今回紹介する「クメールキッチン」は、観光エリアの中心にあり、なおかつリーズナブルな値段だからたくさんの料理を注文することができます。一度の食事でクメール料理の王道を食べ尽くすことも可能。是非足を運んでみてください。
アクセス
場所はパブストリートのエリア内。このエリアは番地などの住所が表示されていない店が多く、クメールキッチンも然り。ただし、クメールキッチンは観光客に知られているお店で、日本人旅行者もよく見かけます。近くを行き交う人や店の人に道を尋ねれば誰もが知っている人気店です。
住所は「オールドマーケット付近」のみですが、シヴァタ通りからパブストリートに行く路地「アリーウェスト」という道を真っ直ぐいった左手にあります。この道順が一番迷わなくておすすめかもしれません。
気さくな店員が迎えてくれる店内
まず店内に入ると笑顔が素敵なスタッフが迎えてくれます。立地柄ほぼ99%が外国人客のため、スタッフはみんな英語が堪能。日本人客が多いためか、片言の日本語を話す愛想のいいスタッフもいました。
客席は屋内席と屋外席がありますが、屋内席も間口は広く扉がないので冷房はありません。屋外席は路地裏に面しているので、行き交う人々の雑踏の傍で食事をすることになります。一見落ち着かないようにもみえますが、筆者はこちらの席が一押し。細い道の反対側はシルクのスカーフや小物の雑貨を売るお土産店が並んでいますし、前方を見やるとパブストリートの熱気と活気を感じることができます。かなりラフな雰囲気ですが、THE東南アジア旅行という気分にさせてくれるはずです。
ただし、屋外席は基本2人席。3人以上で来店するのであれば、屋内席がいいでしょう。屋内席は御覧のよういに決して広くはないものの、落ち着いた内装。スタッフが常に傍に立っているので、アジアのレストランでありがちな「スタッフがいない」、「いつまでたっても注文した料理が運ばれてこない」といったこともありません。
クメール料理を堪能
まずはドリンクからオーダー。アルコールが欲しい方は、一度は飲んでおきたいのが「アンコールビール」ですね。ご当地名物としてもはやお馴染みです。一方ジュースは果実系がおすすめですが、普通にオレンジジュースやリンゴジュースといったものを頼むと、たいてい缶ジュースで出てきます。これならコンビニでも買えてしまうのでもったいないですね。
そこで筆者のおすすめが、写真上のフルーツシェイク。コンビニでは買えないですし、ライチやドラゴンフルーツなど南国を象徴する果物を100%果汁で作ります。アジアでは定番といえば定番ですが、日本ではなかなか飲む機会がないので、シェムリアップ旅行でしっかりと飲んでおきましょう。
魚とひき肉に味噌ペーストを加えたプラホックはクメールに古くから伝わる王道料理。魚は発酵させているので多少のクセがあるため、旅行者の中には賛否両論ある料理。ただし、カンボジア人にとってもお馴染みの調味料ですし、さまざまな料理に姿を変えるため重宝しているものなので、一度は試食してほしいところです。
また、プラホックはアモックと並んで庶民的な料理なので、小洒落た観光客向けのレストランでは置いていない場合もあります。クメールキッチンでは旅行者向けに食べやすい調理法で出してくれるので、日本人の舌にも合います。味はひき肉のみそ炒めといったところ。
カンボジア人が一週間に2度3度と食べるこちらはカンボジア風のさつま揚げ。魚のすり身をペーストにして幾つかの調味料を加えて揚げたもの。日本のようにふっくらしていなく、厚みも薄いのでお菓子感覚で食べることが可能。また、カンボジア独特のエスニックな調味料を加味しているので、濃厚の上、南国の味が口に広がります。こちらも一度は必ず食べておきたい一品です。
リーズナブルな価格が魅力
クメール料理はいずれも一品4~5ドル程度と非常にリーズナブルな値段です。パブストリートは観光の中心エリアなので、どこのレストランも一般よりもかなり値段が高いですが、その中でもクメールキッチンは良心的な価格で提供。二人、三人で来店するならば、複数品頼んでみんなでシェアすれば、一度にクメール料理をあらかた食べることができますし、少ない予算で楽しむことができます。短期滞在者はここで一通りの料理を制覇するのもいいかもしれませんね。
<DATA>
名称:クメールキッチン(Khmer Kitchen)
住所:オールドマーケット周辺
営業時間:10:00~23:00