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世界遺産アンコール遺跡観光の注意点

シェムリアップ旅行者のほぼ100%は、アンコールワットを含むアンコール遺跡群を旅の目的としていますね。カンボジアは1年中蒸し暑い気候なので、ついつい服装もラフになりがち。しかし、準備万全で遺跡巡りに臨んだはいいものの、入場口で係員に止められて中に入れない!なんてこともあるかもしれません。

今回はアンコール遺跡を観光するにあたっての注意点をお届けします。

2017年から服装に対して厳しくなった

IMG_6053.jpgアンコールワットへの入り口となる石畳

2017年初頭から、アンコール遺跡を周遊するために必要の入場券の料金が大幅に上がりましたね。それに伴い、入場規定も一部改訂。いままでは服装に関しては露出が高い格好は避ける程度でよかったのですが、新しい入場規定では、短パンやノースリーブ、キャミソールのような足や肩が露出した格好は原則禁止となりました。

特に気を付けてほしいのは短パンですね。南国の東南アジア旅行では普段は穿かない短パンで観光しがちです。2泊3泊であれば洗濯する必要もないので短パン一枚で替えは持ってこず、長ズボンも当然用意していない旅行者が続出しています。もし現地で長ズボンがないことに気が付いたら、ナイトマーケットオールドマーケットといった市場で安いものを購入するといいでしょう。お土産にもなります。

ガイドブックや事前学習は必須

IMG_6082.jpgすべてのレリーフが若干格好や顔の表情が違うといわれている

例えば博物館であれば、展示品に説明書きが書かれているので、いつの年代でどのような目的で使われていたのかくらいは分かりますね。しかし、遺跡見学では説明書きなどはもちろんありません。日本語ガイドがいるツアーに参加していればいいのですが、個人旅行の場合は誰も説明してくれませんね。

特にアンコールワットとアンコールトムは時代背景と寺院の建築、モニュメントなどが密接に関わっています。事前学習をしないで行くと、そもそもアンコールワットとはなんなのか。アンコールワットとアンコールトムはどちらが先に作られたのか。アンコールワットはヒンズー教、ではアンコールトムもヒンズー教?それとも仏教?といった一人では解決できない疑問が次々に湧いてきます。最近は詳しく説明されているガイドブックなども出ていますので、日本にいるときは飛行機の機内などで、できるだけ遺跡の歴史背景について学習しておくことを強くおすすめします。

長袖は必須

IMG_6062.jpg寺院内には涼むことができる奥行のある空間もある

常夏のカンボジア旅行では、ついつい忘れてしまうのが長袖といった厚着。雨季乾季関わらず、カンボジアは基本年間を通して半袖で町を歩くことができますが、乾季の蒸し暑い時期に半袖だけで遺跡巡りをしていると、確実に日焼けをしてしまいます。東南アジアに位置するカンボジアは日本よりも紫外線の量が1.5~3倍ほど強いとも言われています。肌を気にする現地の女性の多くが日焼け対策として長袖を着ているので、みなさんもそれに倣って、1枚羽織れる長袖のシャツやカーディガンを用意しておいてください。

また、誤ってキャミソールやワンピースで来てしまった女性も、長袖を羽織って肌を隠せば遺跡入場が可能です。ちなみにカンボジアで最も暑い時期は4月と5月。乾季から雨季への移り変わりの時期でもありますが、乾季のピークとなって1日中30度を優に超える真夏の日が続きます。

仏教大国カンボジア。僧侶には敬意を

IMG_6069.jpg多くの僧侶を寺院内で見かける

遺跡内には御覧のような橙の袈裟を纏った僧侶も多く見かけます。女性は僧侶に直接触れることはできません。また、カンボジアは90%が仏教徒で、日本の大乗仏教とは異なり上座部仏教となるので戒律は非常に厳しく厳粛です。僧侶には常に敬意を払うように振る舞いましょう。

決められたルートとルールを守る

IMG_5987.jpgタプローム遺跡

敷地内の遺跡は、無造作に散乱している瓦礫も貴重な歴史遺産の一つです。勝手に瓦礫に上って冒険心を出してみたり、記念撮影のためにロープをくぐって遺跡に座ったりする旅行者もまだ後を絶ちません。もちろん遺跡に落書きなどはもってのほか。下手すると警察に捕まります。ここはカンボジアの誇る由緒正しき世界遺産であり、みなさんは日本を代表して外国であるカンボジアにお邪魔していることを忘れないようにしましょう。

ちなみに、寺院内部は土足禁止、帽子やサングラスも脱いで入るのがルールです。釈迦像や大仏、立像の前では人は常にお辞儀をして頭を下げなければならないと考えられています。ところ変われば文化と考え方が異なるので、それに合わせることも大切です。

飲食はもってのほか。フラッシュ撮影もわきまえて

IMG_5375.jpgベンメリア遺跡

遺跡内は飲食はできませんが、水は例外。特に子供は熱中症になりやすいので、こまめに水分補給をしてください。アンコールワットもアンコールトムも、遺跡に入る前に屋台が並ぶ一角がありますので、飲食は基本ここで済ませるようにしましょう。ただし、食べ物は観光を終えてからしっかりとしたレストランでとるのがおすすめ。屋台の料理は衛生が良くないので、お腹を壊してしまう心配があります。

また、遺跡内は自由に写真撮影が可能ですが、フラッシュ撮影は周囲の迷惑になりますし、フラッシュにびっくりして足を滑らせて階段が転んでしまう人もいます。周囲に誰もがいないことを確認しての撮影であればいいのですが、基本遺跡はどこも観光客で混雑していますので、フラッシュ撮影は特別な場合を除き遠慮する方がいいでしょう。

サンダルよりもスニーカーがおすすめ

IMG_5323.jpg足場が悪いところも多々ある

遺跡への見学に対して靴の規定やルールはありませんので、サンダルやビーサンといったラフな格好でも問題はありません。ただし、半日もしくは1日歩くことを考えたら、サンダルだと足が痛くなりがちです。また、遺跡によっては足場が悪いところも多々あるため、脱げやすいサンダルだと歩きづらいです。

例えばアンコールワットの第三回廊に上る際は傾斜の酷く急な石段を上がらなければなりません。足場が悪く、足を滑らせて階段から落ちてしまい重軽傷を負う見学者も毎年報告されています。特に雨季は地面もぬかるんでいたり、滑りやすくなっているのでスニーカーのような動きやすい靴が望ましいと言えるでしょう。

ルールを守って安全なアンコール遺跡観光を

今回紹介したアンコール遺跡を見学するにあたっての留意点を覚えておくと、より一層充実した観光をすることができます。トラブルや事故のない安全・快適なカンボジア旅行をおくってください。

[local, 538, 533]

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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