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チョロンの人気卸売り市場「アンドン市場」

ここ10年で著しい発展を遂げたベトナム。ホーチミンの中心では大型ショッピングセンターが立て続けにオープンする傍ら、昔ながらの市場もいまだ現役で庶民の台所の役目を果たしています。

今回紹介するのは、「アンドン市場」というチョロンにある大型市場。数百の問屋がひしめく現地人に人気の卸売り市場。そして旅行者にとっても観光名所としてガイドブックに紹介されている定番スポットとなります。

アクセス

IMG_7259.jpg外観は学校の校舎のよう

場所は5区。5区と言えばベトナム最大の中華街があるチョロンが有名ですが、アンドン市場の場所はそのチョロンの入口と言えます。チョロン中心のビンタイ市場やチャータム教会があるエリアからは離れていて、さらに1区寄りとなります。

ルートとしては、市民劇場もしくはベンタイン市場から向かった場合、まず最初にアンドン市場に行き、その後チョロン中心へ向かうのがいいでしょう。アンドン市場周辺は下町風情漂うものの、これといった名所はありません。

地下街は食堂&食品エリア

IMG_7265.jpg近くに住む若者も通う

市場の地下は食堂エリアと食品エリアがあります。食堂エリアでは十数の屋台食堂が並んでいます。基本はメニューで選びますが、一つ二つの料理しか扱っていないお店では注文する数を指で示しただけで料理が運ばれてきます。かなり現地人向けの食堂ですが、外国人旅行者もちらほら見かけるので、簡単な英語を話すスタッフもいます。

ただし、衛生面はやはり心配。一度歩いてみて回って不安だなと思ったら避けるのが賢明でしょう。

IMG_7261.jpgお土産になりそうなものも売っているかも

食堂エリアのその先には食品を扱うお店が数十と並んでいます。乾物、コーヒー豆、調味料、浴用品、調度品、日用雑貨などなど、ベトナム人の普段の生活を垣間見ることができます。

日本で日用雑貨店といえばコンビニやスーパーが定番ですね。ベトナムでも近年は多数のコンビニや地場スーパーが進出しています。しかし、多くのベトナム人は慣れ親しんだ市場内の屋台や、住宅街にあるパパママストアで品物を調達する傾向にあります。ですので、このような屋台や市場が時代の波にさらわれることはあっても、なくなることはないとも考えられています。ちなみに、乾物やコーヒーはお土産としてもおすすめです。いずれも風味が大切なので、買う前に香りを確かめてください。また値段交渉も忘れずに。

3階建ての大型卸売り市場

CIMG2222.jpg1日中多くの業者たちでにぎわう

アンドン市場は3階建ての大型市場で、2階と3階には述べ数百の問屋が隙間なく並んでいます。各階へはエスカレーターを利用することができ、これは大量の荷物を抱える業者への配慮。まるでサンタクロースのように背中に大きな袋や段ボールを抱える仕入れ業者の姿を1日見ることができます。

卸売り市場ではありますが、もちろん旅行者も品物を買うことができます。ただし、値段は卸価格で買うことはできませんのでちょっと高め。まとめて買えばそれだけ値引き額も多くなります。

IMG_7280.jpgせっせと働く若い女性

卸売り市場を利用する客はほとんどが仕入れ業者。個人経営でアパレルショップを営んでいる主人やスタッフがまとめてここで仕入れをします。また、その他日本のバイヤーの姿もちらほら。洋服はもちろんベトナム雑貨やアクセサリーなどの仕入れ交渉をしている様子も見かけます。

置物などベトナム雑貨を扱う店も少数あります。ただし、9割以上は服飾系のお店です。洋服、ジーンズ、下着、ベルト、バッグなどなど。品質にはあまりこだわらず、ベトナムで買い物をしたいという方にはいいかもしれません。

お土産雑貨を扱う店もある

CIMG2219.jpg陶磁器類はベトナム雑貨の代表

お土産を探すなら陶磁器類がおすすめです。ドンコイなどのショップで買うより品質は劣るかもしれませんが、値段は明らかに安く買うことができます。手の平サイズの小物類はばらまき土産としても最適なので、一つのお店で集中してまとめ買いして値切ってみてください。

陶磁器類を買う際は、商品をよく吟味することも大切です。間近で確認してひび割れの有無や色が剥げていないかなどを確かめてください。

ベトナムファッションの洋服を買ってみよう!

CIMG2213.jpg一度に数百枚買っていく業者が多い

アパレル店は御覧の有様。人が一人通れるほどの通路の両脇には所狭しと店が並んでいます。洋服はベトナム産だけではなく、中国、タイ、韓国、インド、台湾などあらゆるアジアの国々の服を仕入れています。ベトナム人にとって韓国とタイ産はファッショナブルとして見受けられていて人気があります。ベトナム産や中国産よりは値段はしますが、それでも日本で買うよりもだいぶ安く買うことができます。

一枚購入であれば値段交渉はなかなか捗らないかもしれませんが、あくまでも旅行気分を味わうことに徹すれば、少し高くついてしまっても許せるのではないでしょうか。ただ自分が気に入った値段で買うことが一番大切なので、思ったように値段が下がらない場合はためらいなく店を変えましょう。

CIMG2224.jpg3階フロア。こちらにもベトナムファッションの洋服が並ぶ

最近ベトナム人の若者の流行りはタイと韓国のファッション。タイ旅行が近年のベトナム人に人気の旅先で、「バンコクに行くなら洋服を持っていく必要はないよ。だって全部現地で調達できるから」とよく言われています。さらに韓国系ファッションも女性を中心に人気で、ローライズやホットパンツ、ノースリーブやシースルーなどセクシー系の服が支持されています。

また、できれば色はあまりついていない白やピンクがおすすめ。赤や青、緑などは同じ洗濯機に入れたらかなりの確率で色落ち、色移りしてしまいます。

アンドン市場はお土産雑貨が多いベンタイン市場と比べると見どころはそれほど多くはないかもしれません。ただし、卸売り市場という普段行く機会のない場所なので、現地の熱気と雰囲気を味わうだけでも訪れる価値はあります。

<DATA>

名称:アンドン市場(Cho An Dong)
住所:34-36 An Duong Vuong St. Dist.5

[local, 650, 31]

著者プロフィール

著者写真

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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