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2017年テト正月!ホーチミンのフラワーロードを散歩

旧暦で正月を祝うベトナムも、1月28日に無事新年を迎えました。日本では厳かに迎える元旦ですが、ベトナムは打って変わって華やか。ホーチミンのグエンフエ通りでは、毎年恒例となるフラワーロードが今年も開催。テト期間中の28~2月頭まで、色とりどりの花々に通りは覆われ、色彩豊かな風景が広がっています。

今回は2017年、グエンフエ通りのフラワーロードの様子をお届けしたいと思います。

今年は酉年!グエンフエ通りは花に包まれる!

IMG_3135.jpg鶏をイメージしたモニュメントがいたるところに見られる

フラワーロードの場所は、ホーチミン1区の中心であるグエンフエ通り。雑貨通りと呼ばれるドンコイ通りと並行して走る道で幅広い通りの中央は歩行者天国、人民委員会庁舎からサイゴン川まで続くメインストリートの一つです。テト正月期間の28日から2月の頭までは毎日多くの人で夜遅くまでにぎわいます。

ベトナムにも中国や日本と同様に干支があり、今年は日本と同じく『酉年』となります。いたるところに鶏やたまごのモニュメントが見られます。ちなみに、ベトナムの干支は日本と一部異なります。例えば丑年はベトナムでは水牛、兎年は猫年、亥年は豚となります。他の国でも若干日本と異なるところがありますが、今年の酉年は世界共通です。

IMG_3062.jpg真夏のお正月というのも違和感がある

ベトナム人の多くはお正月のテト期間は帰省するか、国内外旅行に出かけます。ただし、ホーチミンを実家に持つ家庭は帰省することがないので、親戚回りをしたのちホーチミンの中心市街地へ繰り出します。フラワーロードは彼らにとっては正月の恒例行事。多くの花と人込みに埋め尽くされることで、正月を満喫することになります。

ちなみに旧正月は昔の暦で数えるので毎年日付けが異なりますが、基本は1月下旬から2月下旬にかけてとなります。この両月はホーチミンは雨季が明けて乾季の真っ只中。晴れ晴れとした青空が広がる過ごしやすい陽気の日が続きます。旅行者も散歩には最適なシーズンとなることでしょう。

多くのお店は閉店

IMG_3173.jpg2月の1~5日まで閉店している店がほとんど

ショッピングセンターは元旦の28日のみ、もしくは三が日が閉店。それ以外のレストランや雑貨店、アパレルショップなどは2月1日まで休みで2日から通常営業に戻るところがほとんど。中には2月5日の日曜まで休業しているところもあります。お店の休業期間はバラバラですし、毎年異なるので現地で直接確かめるほかありません。

ドンコイエリアのショッピングストリートやグエンフエ周辺の通りも同様なので、なかなか観光を楽しめないという方はツアーに参加してメコンデルタやブンタウなど郊外に出かけるのも一つの有効な手となります。

フラワーロード周辺のオープンカフェで日向ぼっこ

IMG_3155.jpg外国人もベトナムの正月を満喫しているよう

フラワーロードの周辺の通りにはテーブル席が置かれ、オープンカフェとして利用することができます。こちらは普段には見られない光景。行き交う外国人もここで一休み。きっとショッピングをしようにも閉店していてうまくいかないのでしょう。諦めてベトナム人と同じようにカフェでゆっくりとしている方々をたくさん見かけます。

オープンカフェがたくさん並んでいるのはマックチブオイ通り、グエンフエ通り、サンワタワー横など。グエンフエ通り沿いには3つ~4つ星ホテルが並んでいて、そのホテルがカフェを道端に出している場合もあります。

ホテルのフラワーアートに注目

IMG_3100.jpg今年はやや少なめ

フラワーロードには、ホーチミン市内の高級ホテルが出品したフラワーアートを鑑賞するエリアがあります。オスカーホテル、マジェスティックホテル、グランドホテル、レックスホテルなどは毎年の常連どころ。今年はやや出品数が少ない印象ですが、それでも通りを歩けば見られる変哲のないモニュメントと比べると、どれも一線を画すクオリティです。

ベトナムの伝統を楽しむ

IMG_3093.jpgノンラーに農婦の服。ベトナムの田舎ではまだまだこのようなスタイルだ

フラワーロードには屋台もたくさん出ていて、ベトナムの伝統の服を着たスタッフを大勢見かけます。こちらは紙粘土で作ったキャラクター。子供がかなり喜んでいます。売り子が被っている菅笠はノンラー。ベトナムの農村で発達した三角菅笠です。頭が蒸れないように工夫されているのが特徴。

もちろん行き交うベトナム人も多くが伝統衣装のアオザイを着用しています。

IMG_3110.jpg特に子供が伝統衣装を着ている

アオザイといえばベトナムに古くから伝わる冠婚葬祭用の伝統衣装。日本人には白い上衣と黒の下衣の女性が知られていますが、あちらは学生の制服となります。通常はご覧のようにカラフルな上衣が多く、テト正月のような華やかなイベントでは赤や黄色といった派手な色が好まれます。これは中国由来の習慣ですね。

また、フラワーロードには写真を撮ってくれるカメラマンも多くいます。綺麗な写真を撮ってほしい方は頼むといいでしょう。一枚から受け付けてくれますが、その場ですぐに写真を貰いたい方はポラロイドカメラを持っているカメラマンを探しましょう。ベトナム人は雇ったカメラマンを付き人のように、その日中写真撮影を任せることが多くあります。

IMG_3077.jpgブックフェア。新しい本が割引で買える

フラワーロードの道中に見られるこちらはブックフェア。ベトナム最大手の書店FAHASAが協賛しています。こちらでは書籍を安く買うことができるとあって、子供を中心に人気があるコーナー。漫画本はもちろん、小説や語学学習書などが人気のようです。このブックフェアも毎年恒例で、正月以外にも大きなイベントのときには決まって設置されます。

ベトナムのお正月はフラワーロードではじまる

正月前は花市が各所で開催され、元旦以降は花道が広がるのがベトナムの古くからある習慣。「正月はやっぱり日本で過ごしたい」という方は新正月は日本で過ごし、旧暦の正月はベトナムに滞在してみてはいかがでしょうか。異なる正月の雰囲気はきっと新鮮で気に入るかと思います。ちなみに、今回紹介したフラワーロードは北部ハノイ、中部ダナンでも開催されています。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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