日本に住んでいたベトナム人に、「日本人は読書家ね」と言われたことがあります。おそらく、日本では電車やバスの車内や待ち時間など、時間を持て余すときが長いからかなと思います。一方ベトナムでは移動はバイクですし、電車は市内を走っていなく、単純に読書をする時間がないのかなと感じるときがあります。
しかし、ここ最近ベトナムでも読書ブームがやってきたようです。2016年頭にオープンしたブックストリートは、連日大盛況。子供からお年寄りまで多くの現地人がここで本を買っていきます。もちろん外国人や旅行者の姿も多く見かけますので、本好きの日本人旅行者も立ち寄ってみてください。
アクセス
場所は市民劇場から歩いて5分。聖母マリア教会の傍らに伸びるグエンバンビン通りです。直線100mほどの距離に、書店は20ほど並んでいて、終点はハイバーチュン通りに当たります。目の前が5つ星のインターコンチネンタルホテルなので、ここに宿泊している方は是非一度は歩いてみてください。
ベトナムの書籍を読んでみよう
ベトナムでもショッピングセンター内には決まって書店売り場がありますし、独立店舗も市内中心には点在しています。しかし、本を読み漁っている人が多いのかというと、実際はそれほどでもありません。子供は漫画を、大人は子供に学習参考書を、仏教徒は偉い僧侶が教えを説くような本を買っていきます。大学生は小説が好きな人が最近は増えてきて、日本人作家の村上春樹氏はここベトナムでも知らない人はいません。
2010年に実写化された村上春樹氏原作の『ノルウェイの森』の監督はトラン・アン・ユン氏。彼はベトナム人です。ちなみに綴りはTran Anh Hungなので、カタカナ読みすると、本当は「チャン・アン・フン」さんです。
立ち読みならぬ座り読み。書店に行けば必ず見られる光景です。従業員も何も言わないようなので許されているのでしょうね。ベトナムで人気の漫画はドラえもんやクレヨンしんちゃん、名探偵コナンです。この3つが三本柱として君臨しています。どれも日本の漫画というのは嬉しいですね。ちなみに、上映権の絡みかわかりませんが、日本の映画はほとんどベトナムで上映はされません。しかし、ここ数年はドラえもんと名探偵コナンは映画で見ることができ、子供だけではなく、大学生くらいの年齢層まで人気があります。
あさのあつこ氏原作のナンバーシックスも最近ベトナムで人気。日本ではコミックは2014年に最終巻が出されましたが、ベトナムでは現在じわじわと人気となっているようすです。ベトナムにもいわゆる日本オタクのような若者が多数いて、彼らはいつも日本の文化紹介サイトやユーチューブなどで情報を収集しています。
お土産品も
統一会堂、一柱寺といったベトナム全国の古い歴史を持つ建築物がプリントされているマグカップ。このようなお土産品を扱うお店もいくつもあります。筆者が確認したところ、市場やそこらへんのお土産店では扱っていないようなレアものもありますので、ドンコイ通り、パスター通り、ベンタイン市場以外でこれといったお土産が見つからなかった方は、ここを歩いてみるのもいいかもしれません。
西洋風の建物はフランス統治時代の象徴。フレンチコロニアルの建築物は現在ではベトナムの歴史の一部として観光客に重宝されています。ベトナムにはフランスの文化が根強く浸透していますが、ベトナムはフランスに屈せず、対抗し独立を勝ち取りました。だからこそ、フランス統治時代を現在は古き良き時代として思い出すことができるのかもしれませんね。また、ご存じかと思いますが、フランスから独立を勝ち取った立役者が革命家ホーチミン氏です。
オープンカフェでベトナムらしい午後を
オープンエアのカフェ文化もフランス人が伝えたものの一つ。ベトナムではすっかりと定着しているもようです。ブックストリートにはいくつかのカフェがありますので、買った本はここでコーヒーを飲みながら読書するのもいいでしょう。日本語の本はありませんでしたが、洋書はいくつもの店が取り扱っていましたし、ベトナム語の本も記念土産としてはいいかもしれませんね。
日本では英語の本はなかなか手に入りにくいですね。書店で扱っている本の99%はおそらく日本語。英語の漫画や小説、絵本などは英語学習には最適です。
新たな観光スポットへ
本ありお土産ありと、ブックストリートは新たな観光スポットとなりました。聖母マリア教会や中央郵便局がすぐ近くにあるという好立地にくわえ、近年はこの周辺にもお洒落カフェやレストランなどがぽつぽつと増えてきました。コンサーパリス通りを散策する際は、是非こちらのブックストリートも歩いてみてください。
[local, 450, 572]