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ここまで行けたらヘビー級!メコンデルタ地方奥地「チャウドック」

ホーチミン旅行者の多くは、現地でオプショナルツアーを組んで、郊外のメコンデルタ地方へと足を運びます。ジャングルクルーズや果樹園、ココナッツキャンディー工場、水上市場などなど、大自然をテーマにした観光スポットは、外国人観光客をいつだって魅了してくれます。

今回紹介するチャウドックは、メコンデルタ地方奥地にある小さな町。決してガイドブックで大きな見出しをつけて載るような町ではありませんが、そこに暮らす素朴な人々と、自然に寄り添う町並みは日本では体験できないことばかり。有意義な時間をおくれることでしょう。

チャウドックまでの行き方

ホーチミンからチャウドックまではツアーバスで行くのが一番。ミエンタイバスターミナルから、チャウドック行のローカルバスも出ていますが、所要時間6時間強の旅でローカルバスはかなりしんどいです。ここは大人しく、冷房が効いて、ゆったりと寝そべることができる寝台バスを手配することを強くおすすめします。チャウドックまでの寝台バスチケットは、デタム通りのバス会社もしくはツアーデスクで手配することができます。

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サム山が町のランドマーク

IMG_5424.JPG道は数年前に綺麗に舗装された

チャウドックは旅行者にとっては、まだ知名度がほとんどない未開の地ですが、ベトナム人にとっては、聖なる山「サム山」がある町として知られています。正月時期になると、ベトナム人仏教徒を乗せた大型バスがサム山に縦列して、多くの方が仏教寺院に参拝します。

バー・チュアスー廟

DSCN9774.JPG夜のバー・チュアスー廟

チュアスー女神が祀られている大きな仏教寺院。毎年お正月時期には全国からベトナム人仏教徒が押し寄せます。参拝は昼夜問わず可能ですが、寺院に行きつくまでの参道とその周辺界隈はナイトマーケットにもなっているので、できれば夜に訪れるのがおすすめです。

IMG_5433.JPG町のいたるところ見かける

チャウドックの町からサム山へ向かう道中、いたるところで見かけるこちらの看板。これは子豚の丸焼きを売っているという印です。ベトナムの仏教徒は、しばしばお花や果物以外に、子豚の丸焼きをお供え物として持参することがあります。もちろんそう安いものではないので、基本はテト正月など大切な時期のみとなります。

ナイトマーケット

DSCN9806.JPGローカル色漂うナイトマーケットは一味違う

バー・チュアスー廟周辺は毎夜屋台や商店が夜遅くまで並ぶナイトマーケットとなっています。特に正月時期は廟に参拝するベトナム人も多いので、夜遅くまで賑わいます。参道前は食堂や服飾のお店が並び廟へと続く参道沿いには、ブンと呼ばれる麺料理や果物、乾物を売るお店が並んでいます。もちろんお供え物用の果物やお花を売るお店とたくさんありますので、ベトナム人に倣って参拝するのも歓迎です。

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カンボジアを見渡せる絶景ホテル

IMG_5643.JPG断崖の小屋で優雅なブレイクファーストを

星がつくホテルはサム山には一つだけあり、それが「ヌイ・サン・ロッジ」。写真上から見渡せるのはただの田園風景ではありません。遠く向こうはすでにカンボジア領。また、絶景を眺められる屋外プールに、広々とした面積の屋内レストランもあります。客室はすべてバルコニー付のロッジなので、誰にも邪魔されずにどっぷりとメコンデルタの夜に浸ることができます。

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町の中心、チャウドック市場

IMG_5053.JPG市場はどこでも活気に満ちている

チャウドックの町の中心に位置している「チャウドック市場」は、旅行者なら避けては通れない観光スポット。というのも、チャウドックの町にはこれといった名所がないので、基本は町歩きが旅行の醍醐味となります。チャウドック市場は屋内型ですが、店はチラン通りまで続いています。早朝は特に活気に満ちているので、ベトナムの市場を堪能したい方は、できるだけ早い時間に向かいましょう。

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チャウドックの名物「マム」

IMG_5003.JPG特有の匂いについ鼻をつまみたくなる

メコンデルタで獲れた川魚を発酵させた保存食は「マム・カー(Mam Ca)」と呼ばれ、チャウドックの名物とされています。日本のように食糧不足に陥った経験がないメコンデルタの民は、「食料を長期間にわたって節約する」ことを理由ではなく「食べ物を食べきれないから、もったいないので保存食にする」といった発想から、この保存法が生まれました。

チャウドックの町を散歩

IMG_4968.JPGチャウドックの町からサム山までの範囲が観光エリア

チャウドックの町歩きは、チャウドック市場周辺に限定されます。あと市場からサム山へは歩いて行ける距離ではないので、実際の観光エリアは、市場周辺とサム山となります。市場周辺は横に走るチラン通りとバクダン通りに商店が多く、ハウジャン(後江)沿いを走るチャンフンダオ通りが旅行客のメインストリートとなります。

IMG_5422.JPG都心ではめっきり見かけなくなった

「セーロイダップ」と呼ばれる乗り物。都心ではシクロが観光客の足として活躍していますが、それに似た乗り物です。自転車の後ろの二輪に貨物をのせます。貨物は人であったり、品物であったりとさまざま。チャウドックにはタクシーやバイクタクシーも少なく、現地人も基本はこのセーロイダップに乗ってサム山まで移動します。旅行客のみなさんも、チャウドックに来たら、マストでこちらを体験しましょう。

チャム族と交流

IMG_5232.JPGベトナム最大の少数民族

チャンフンダオ通りを歩いていると、手漕ぎボートの船主が声をかけてきます。そのボートに乗って行けるダーフック村には、ベトナム少数民族のチャム族が暮らしています。チャウドックの町全体には約2000人のチャム族がいると言われていて、時折スカーフで頭を隠した女性を町中で見かけることがありますが、彼女たちがチャム族となります。

中部から中南部南シナ海沿いのニャチャンやムイネーに勢力を伸ばしたチャンパ王国は、ヒンドゥー教でしたが、メコンデルタ地方に暮らすチャム族は専らイスラム教となります。民俗学に興味がない人も、少数民族と接する非常に貴重な機会なので、是非足を運んでみてください。

ちなみに、彼女たちが手織りで作った民芸品も買えます。希少価値がありますので、是非お土産に!

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メコンデルタ地方旅行の終着地点にしてみては

チャウドックまで来たら、カンボジアはすぐ目と鼻の先。旅の終着地点としては申し分ないかと思います。道中はミトー、ベンチェー、ヴィンロン、カイベー、カントー、ロンスエンといった都市があり、いずれもバックパッカーの立ち寄り場所となっています。自由気ままなバスぶらり旅などいいかもしれませんね。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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