北部「ハノイ」と南部「ホーチミン」はベトナムを代表する大都市であり、また日本人旅行者が最も多い観光地でもあります。ベトナムに訪れる日本人は年間およそ80万人ですが、ハノイとホーチミンはともに30万人越えで、ほとんどの日本人がハノイとホーチミンいずれかの都市を選択していることが見てうかがえます。初めてベトナム旅行を検討している方は、「ハノイとホーチミンはどっちがおすすめなの?」と思うかもしれませんね。そこで、今回はハノイとホーチミンの違いやおすすめポイントなどをご紹介します。
① 歴史博物館巡りが目的なら「ハノイ」がおすすめ
歴史好きや歴史博物館巡りが好きな方は、ホーチミンよりハノイがおすすめです。ハノイは首都であり、政治のおひざ元なので、自国を賛美する博物館が市内に10箇所以上点在しています。ベトナムは社会主義なので、こうした歴史博物館にはプロパガンダの役割もあるのですが、それでも中国支配下時代、フランス統治時代、ベトナム戦争など侵略の歴史を綴るベトナム博物館は日本のそれとは一味違います。
② 世界遺産+ダイナミックな自然を堪能したいなら「ハノイ」
残念ながらホーチミンには世界遺産がありません。また、自然観光地はメコンやカンザーがあるのですが、ハノイから行けるハロン湾やニンビン省のチャンアン、タムコックといった大自然にはちょっと及びません。「大自然の中をクルーズしたい」、「手漕ぎボートに乗って山水の風景に溶け込むような時間を」といった願望がある方は、ハノイを旅先に選定するのがいいでしょう。
③ 歴史情緒漂うのは「ハノイ」。政治と芸術の町と呼ばれる所以を実感できる
首都であり政治の中心は北部ハノイですが、最も都市化が進んでいるのは南部ホーチミンとなります。ハノイは市内中心であってもホアンキエム湖や旧市街といった歴史情緒香る古き良き町並みを散策することができますが、ホーチミンを見てみると、近代的なショッピングセンターが建ち並び、かつてサイゴン時代の面影はほとんどありません。「歴史風情を感じながら、ゆっくりとしたひとときを過ごしたい」と考えるならば、ハノイの方がおすすめです。
④ お洒落カフェやスパを楽しみたいなら「ホーチミン」
ベトナムにやってくる女子の中には「スパを楽しみにしている」という人は非常に多くいます。もしスパを第一の目的としているならば、ホーチミンがおすすめです。旅行者に人気のスパがたくさんあるほか、料金もハノイと比較してリーズナブル。また、ベトナムにはお洒落なカフェがたくさんありますが、こちらもハノイよりホーチミンの方が圧倒的に多いです。
⑤ アジアらしい南国風情を体感したいなら「ホーチミン」
ハノイとホーチミンは日本でいう青森と福岡ほどの距離があります。そのため、気候も大分異なり、ハノイの11月から2月は秋冬となり非常に肌寒い日が続きます。日によっては半袖でも大丈夫ですが、場合によっては厚手のジャケットやジャンパーが必要となるほど気温が下がります。一方ホーチミンは南国の気候なので、スコールが降る雨季と晴れが続く喚起に分かれるものの、年間を通して気温は一定となります。蒸し暑い南国アジアらしい滞在をおくりたい、と考えるならばホーチミンがいいかもしれません。
ハノイとホーチミンどちらを選べばいい?
上記はハノイとホーチミンの違いをご紹介しました。結局のところ、ベトナム旅行に何を求めているか、またどのような滞在をおくりたいかによって旅先は変わってきます。一般的に歴史好きやベトナムに落ち着きを求めているような高齢者の方はハノイを選ぶ傾向にあります。また、海外旅行に慣れていない方も、ツアーが多く用意されているハノイがおすすめとなります。
ホーチミンは個人旅行がメインとなる。自分で旅のしおりを組み立てられる方におすすめ
一方でホーチミン旅行はメコンツアーやクルージング、クチトンネルといったツアーがあるものの、基本的に個人で市内を観光する時間が多くなります。自分でスパやレストランを予約して、合間を縫って雑貨店でお土産を漁ったり、お洒落カフェでコーヒーを啜る。このようにツアーでは組むことができない時間割を自分で作ることができれば、ホーチミンの滞在は非常に自由度が高く、有意義な旅行となるでしょう。
両都市2都市観光も考えてみては
もしこれでもまだ決めかねているならば、いっそのことハノイとホーチミン両都市を観光するのはいかがでしょうか。6~7日間ほどの旅程を取れば、それぞれの見どころは抑えることができるはずです。