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ベトナムの時代の移り変わりを知ろう。20年前とは全く違う国

ベトナムは2000年代に入って急速に成長した国で、「ずいぶん前にベトナム行ったけど、2020年にもう一度行ってみようかな」と思う方は、是非今回の記事を読んで、ベトナムの時代の移り変わりを確認してみてください。ほんの20年前と比べても、今のベトナムは全然違う国であることが分かります。

物価が爆上げ!20年前と比べて5倍以上!

IMG_8082.jpgいまだ栄える路上屋台

2000年代に入り、ベトナムは急速に発展していきました。現在は食堂や屋台でフォーを食べるとしたら150円程度となりますが、20年前はほんの70円程度でした。屋台で食べられる駄菓子的なお菓子はさらに物価の値上がりが顕著で、ものによっては5倍以上値上がりしているものも多々あります。日本で2000年と2020年と比べて、物の値段が5倍も値上がりしたものはあるでしょうか。日本は成熟した先進国なので、物価が安定しているため値段に関しては長らく変化がありません。それをベトナム人に言うと、「うそっ?20年前と値段が一緒なんて信じられない!」と言われます。

移動の効率化!2000年代の繁栄の証は「橋」

IMG20171111125807.jpgベトナム版フェリーはいつもバイクで混雑

ベトナム最大の商業都市と言えば南部ホーチミン。しかし、2000年代以前はサイゴン川の対岸にかかる橋がなかったため、ベトナム人はみんな昔ながらのフェリーに乗って対岸へわたっていました。現在はホーチミンで最もお金持ちが住む富裕層のエリアである2区のタオディエン地区も橋が架かる前は湿地帯で、1区との橋がかかり、フェリーが必要なくなった途端に地価が爆上げしました。ちなみに現在もフェリーは運行していて、バイクで乗り込む場合は20円程度かかりますが、こちらも20年前は5円で渡ることができました。「20円って安いじゃん」と思うかもしれませんが、5円から20円は実に4倍の値上げ......。

ショッピングセンターも20年前は普通じゃない!

IMG_1369.jpgビンコムセンターの近代的な外観

日本では町中にショッピングセンターやスーパーマーケットがあふれかえっていますね。高島屋やそごう、伊勢丹にイオン、近年はららぽーとのような複合型ショッピングモールも増えてきました。一方、ベトナムも20年前と比べると大きな変化がありました。それは、ショッピングセンターとスーパーマーケットのオープンです。ベトナムといえば人々は市場で買い物しているイメージがありますが、20年前は本当に市場が庶民の台所でした。しかし、2000年代に入るとビンコムセンターというショッピングセンターがオープンし、一躍ベトナム人と観光客の人気の観光スポットになりました。現在では日本のイオンや高島屋、韓国のロッテマートといった大型スーパーも進出していて、ベトナム人の暮らしは大きく変わりました。

IMG_7526.jpgお馴染みのサークルK

また、ショッピングセンターだけではなく、20年前にはなかったコンビニチェーン店も現在は多数見かけます。こちらは外資系が市場のほとんどを占めていて、ファミリーマート、セブンイレブン、サークルK、ミニストップ、ビーズマートなどが町のいたるところで見ることができます。日本とは違い、店舗によっては非常に広い面積を保有していて、イートインスペースを広くとっているのがベトナムコンビニの特徴です。お土産になりそうなお菓子も売っているので、一度は入ってみてください。

バイク天国も少しずつ変化が!

IMG_1409.jpgホーチミンの中心市街にて

バイク天国と呼ばれているベトナム。確かにハノイやホーチミンといった都心を歩けば、すさまじいほどのバイクの群衆に遭遇します。まだまだベトナム人にとっての主要移動手段はバイクとなります。しかし、20年前にはタクシーや社用車くらいしか走っていなかった車ですが、現在ではびっくりするほど多くなっていて、車による大渋滞も発生しはじめています。これはベトナム人の所得が上がってきたことも挙げられますが、それ以上に「配車アプリ」の後押しが最大の要因。ベトナムではGrabが市場第一位で、そのほかにも複数の配車アプリがあり、一大ブームとなっています。個人でも銀行で借り入れて車のローンを組めるので、「タクシーの運転手をやめてGrabのドライバーになった」という人も多くいます。

高層マンションが建ち並ぶコンクリートジャングルに

IMG_2792.jpg町中を見渡せば、常に建設中のマンションがある

ベトナム人は昔から戸建住居をよしとしてきましたが、2000年代に入ると一転してマンションが飛ぶように売れるようになりました。都心のマンションとなると1500万~3000万円くらいが相場で、人気なのは屋外プールやスーパーなどが併設している高級マンションです。ただし実際購入しても住まないで、高値をつけて転売する、いわゆる投機目的の投資家も多いため、中にはゴーストタウンと化しているマンションエリアもあります。

2020年以降の展望

IMG_2004.jpgホーチミンのベンタイン市場前にて大規模工事

2020年以降もベトナムは留まることを知らず、発展を続ける見込みとなります。2020年から向こう10年で最もベトナムを揺るがすであろう事柄が「電車の開通」です。意外かもしれませんが、ベトナムでは電車はまだなく、あるのは南北を繋ぐ長距離列車のみで、しかもディーゼルとなります。現在日本をはじめ、諸外国がベトナムの市内を網羅する電車と駅の開通工事に投資をしていて、早ければ2022年に運行開始する予定となっています。日本もそうですが、近隣のタイやマレーシアを見てみても分かるように、電車が走れば町はとてつもないほど大きな変化に見舞われます。5年後、10年後のベトナムは今とまるで違う都市国家に成長しているかもしれません。

ベトナムの発展をその目で確かめて

ベトナムは社会主義のため他のアジアの国の中でも出遅れていて、いままさに猛スピードで発展している最中です。過去に一度ベトナムに訪れた方は、2020年にもう一度ベトナムを歩いてみてください。ベトナムの発展をその目で確かめて、肌で実感することができるはずです。

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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