ベトナム料理と聞くと、日本人の間で最も人気なのは、米粉麺の「フォー」ではないでしょうか。昨今はベトナムサンドウィッチと呼ばれる「バインミー」のショップが東京に増えてきて、ウーバー・イートなどを中心に若者に人気が高まってきました。では、ベトナム旅行で滞在中も、やはり似たような料理を食べることになるのでしょうか?
今回はベトナム料理の魅力と併せて、いくつかのポイント、注意点をご紹介します。
伝統は米粉麺。しかし昨今の麺は......
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ベトナムの麺料理の象徴といえば、ご存知のフォー。米粉の切り麺ですね。その他ブンと呼ばれる麺も米粉となります。旅行者も市内観光中、そこかしこにフォーやブンの食堂を見ることができるはずです。ここで知っておいてほしいのは2つ。1つは、「ベトナム人にとってはフォーよりもブンが国民食」ということ。もう1つは、「昨今は袋麺の乾麺もお店でよく使われている」ということです。ブンは麺料理だけではなく、生春巻きの具材などにも使われていて、使用用途が多彩で、ベトナム人にはより身近な食材として家庭に常備されています。
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しかし、昨今はインスタント麺の発達により、若者から中高年世代まで多くのベトナム人がお湯で揚げるだけの「揚げ麺」を食べています。フォーやブンは賞味期限がその日限りに対して、揚げ麺は保存がきくので多くのレストランが採用しています。ですので、レストランやカフェで麺料理を頼む場合は、しっかりと「rice noodle」という文字を確認してください。でなければインスタント麺が出てきてしまうかも。
ベトナム料理はヘルシー料理?実情を紹介
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フォーや生春巻きを中心とするベトナム料理ですが、日本人女性の間では「ヘルシー料理」として認知されています。確かに元来ベトナム人は昔の日本と同様、肉よりも魚・野菜中心の生活でした。現在でもレストランでは川魚、海魚の料理は必ずありますし、野菜料理だけでも数十メニューにあることがざらです。
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しかし、それとは別に「カロリーは実は高い」ということも挙げられます。米粉麺は米を練った麺なので、当然糖質の塊です。さらにベトナム人の間で食されている「コムタム(ご飯と骨付き豚肉)」や「コムガー(チキンライス)」も決してヘルシーとは言えません。また、ここ10年でベトナムの食生活も西洋化が進み、ビーフステーキやバター、チーズなども料理に積極的に使われるようになりました。ヘルシー料理を求めてベトナム料理を探していると、ちょっとびっくりするかもしれません。
ベトナム料理の魅力!日本人の舌に合う理由
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ベトナム料理はアジア料理の中でも日本人の舌に合うとされています。その理由は「中華より味は濃くなく、タイ料理より酸味はなく、インド料理より辛くなく、インドネシア料理よりスパイスがない」から。ベトナム料理の味付けはヌクマムやヌクトゥンと呼ばれる日本の醤油に相当する調味料を主に使いますが、大豆や魚介が原料となっているので、日本人にはいずれも親しみがあります。
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また、「でも東南アジアを象徴するような辛い料理も食べたい!」という人にもベトナム料理はおすすめ。単純に唐辛子を調味料としたからい料理もありますし、テーブルに備え付けの「サテ」と呼ばれる辛味調味料を入れて、後付けで辛くすることも可能です。サテは唐辛子にレモングラスを加えた調味料で、最近は日本のスーパーでも一部見かけるようになりました。
地域によって違う料理と味付け
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ベトナム料理と一括りに行っても、その種類は本当に多彩。また、各地域発祥の郷土料理も盛んで、各地域の料理を食べられるベトナム料理店も多々あります。ちなみにフォーは北部の名物とされ、ベトナムお好み焼きと呼ばれるバインセオは南部の発祥と言われています。ベトナム旅行者は、是非滞在都市の名物料理を堪能してみてください。
奥深いベトナム料理を堪能
海外旅行では「食」も旅のキーワード。ここで紹介したように、ベトナム料理は非常に多彩で奥が深く、また日本人の舌にも合うものばかりです。滞在中は1つでも多くのレストラン、食堂、屋台に寄って、名物料理を堪能していってください。