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2018年9月24日はベトナムの「中秋節」。月餅を食べよう

2018年9月24日は、ベトナムでは「中秋節」と呼ばれるイベントがあります。これは中国から伝わってきた習慣の1つで、実は日本にも存在する行事です。中秋節は昔の暦で数えるため、毎年日付が変わります。もしこの期間にベトナムに来る方がいれば、普段とは少し違う雰囲気の町を見ることができるでしょう。

ベトナムでは中秋節。日本では......

IMG_3322.jpg中秋節間近のハノイ旧市街。週末は大盛り上がり

日本に住んでいると、あまりピンとこないかもしれませんが、実は日本にもこの中秋節はあります。日本では「中秋の名月」、「十五夜」などと呼ばれています。日本でも旧暦で祝うため、2018年はベトナムとともに9月24日に制定されています。ただ、あまり待ち遠しくしている人はいないかもしれませんね。

ベトナムの中秋節は子供にとって特別な日

IMG_3339.jpgいたるところに玩具の屋台が出没

古き習慣を大切にするベトナムでは、この中秋節はとても重要な行事としてとらえられています。中秋節の1~2週間前から町はそわそわとし始めます。特に中秋節を待ち遠しくしているのは、小さな子供たち。中秋節はベトナムにとっての"子供の日"と同じような類となり、この日は親に玩具を買ってもらえる特別な日。また、夜遅くまで遊ぶことも許可する家庭も多いようです。行事間近の週末は、遊園地や公園を中心にファミリー層で大盛り上がりです。

IMG_0419.jpg獅子舞

中秋節には獅子舞も登場。ベトナムでは麒麟として舞います。中秋節間近になると、夜に突然太鼓と共に登場して町中を闊歩。子供たちはお菓子などを受け取ることができます。

大人にとっての中秋節の過ごし方

IMG_3258.jpgいたるところに出る月餅の専門店

一方、大人にとっても中秋節は特別な日。子供のように遊ぶわけにはいきませんが、この日に向けて、ある準備をしなければなりません。それが"月餅"です。英語ではムーンケーキと呼ばれている菓子で日本でもメジャーですよね。ベトナムでは、その月餅を両親や近い親類にギフトとして贈らなければなりません。

IMG_8259.jpgギフトボックスも重要視される

普段ならば1個100円、200円で買える月餅も、この時期になると価格が5倍以上になることも。パン屋、カフェ、ケーキ屋といったお店では自社ブランドの月餅を販売します。町中を歩けば道端に特設ブースを設ける専門店も並びます。ギフトボックス入りが好まれていて、安いもので1500円程度。高いものだと5000~1万円程度するものも特に珍しくはありません。

IMG_3207.jpg中身もさまざま

月餅の中身も日本とは似ていなるもの。同じく餡を使いますが、緑豆をねったものや、うずらの卵の塩漬け、豚ひき肉などが普通。ただし、近年は流行ものも増えてきて、アイスブランドのバスキンロビンス(日本では「サーティーワン」)が月餅に似せた月餅アイスを販売したり、日本の和菓子ブランドがベトナムで月餅プリン、月餅ゼリーなどを販売している様子も見られます。ただ、ベトナム人の多くは伝統的な月餅を買う様子。「特においしいとは思わないけれど、1年に1度の行事だから」とのこと。なんとなく気持ちは分かりますね。

中秋節のベトナム旅行のアドバイス

ベトナム旅行が中秋節間近、もしくは当日に跨る方は、是非市街を歩いてみてください。多くの現地人でにぎわいを見せ、いたるところで子供向けのイベントが開催されます。もちろん月餅の試食もお忘れなく。ちなみに中秋節が終わった後は、月餅の大安売りがはじまります。売り出しのときは1個500円で売っていたのが、行事が終わったあとは1個買ったら2~4個無料でもらえたりします。

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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