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三国志の関羽を祀るホイアン「関公廟(クアンコン廟)」

世界遺産ホイアンへ観光を考えている旅行者は日本にいるうちから、どこの観光名所を回るか考えておきたいところです。ホイアン旧市街には20を超える名所がありますが、一枚の入場券で入れるのは5か所のみとなります。

今回おすすめする「関公廟(クアンコン廟)」は、ホイアンの目抜き通りであるチャンフー通り沿いにある廟。旧市街の名所の中では日本橋に注ぐ古い歴史を持っています。

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アクセス

DSCN0620.jpg歴史を感じる外観

場所はホイアンの中心を東西に走るチャンフー通り。日本橋からスタートすると、チャンフー通りを15分ほど真っ直ぐ歩いた左手。ホイアン市場の向かいとなります。

また、廟の後ろにはかつて寺だった建物を改築したホイアン歴史文化博物館もあります。せっかくなので、こちらも見学するのもいいでしょう。

ホイアンの中でも歴史が深い「関公廟」を見学

DSCN0657.jpg掛け軸や骨董が飾られている

ホイアンのメインスポットといえば、福建会館や廣肇会館、潮州会館といった、同郷が集まる会館、そして進記家や馮興家のような漁師や商人の旧家が挙げられます。いずれも歴史は200年から300年(1700~1800年代)ほど遡ることとなりますが、その中でも取り分け歴史深いのが、ここ「関公廟(クアンコン廟)」です。

関公廟が建てられたのは1653年。日本人の墓として知られている「谷弥次郎兵衛」が没したのが1647年なのでちょうどそのころ。日本の江戸幕府が鎖国をした時代と考えると、相当古いですね。ちなみに当時の将軍は4代徳川家綱です。

DSCN0634.jpg中華様式の赤い支柱と祭壇

関公廟が他の旧市街の名所と違うのは、関公廟が同人会館ではなく廟(お寺)ということ。会館も見た目はお寺ですが、言ってみれば同じふるさとを持つ人が集まり談笑をする場。一方、関公廟はお寺となるので、お参りする人が多いのはこちらとなります。

関公廟はホイアン市場正面にありますが、日本橋周辺の名所の密集地帯からは少し離れているため、旅行者の数は少なめ。写真撮影も含めて、ゆっくりと見学することができます。

ホイアンの文化は中国の歴史の賜物

DSCN0644.jpg中国漢字にホイアンの歴史を感じる

関公廟を歩いているとすぐに分かるのですが、「どこを見ても中国風」というのが最大の特徴。祭壇上には漢字で「帝徳廣運」と書かれていますが、これは皇帝、いわゆる帝(みかど)の権力は広く影響するとの意味です。

他にも渦巻の線香や祭壇を守る二頭の馬。赤い支柱に寺の権威を示す庭園の中の溜池など、随所で中国様式を見ることができます。

DSCN0660.jpg関羽。日本人にも馴染みがある

関公廟は中国の武将関羽を祀るお寺となります。関羽は三国志に登場する武将で、その後神として神格化され、信仰の対象となった唯一の武将でもあります。関羽は武の神でもありますが、それと同時に商売の才もあったことから、ホイアンでは一般的に商売繁盛の神として祀られています。

DSCN0636.jpg寺といってもかしこまることはない

祭壇には関羽が鎮座し、その脇には関羽の側近である周倉、関羽の息子である関平も確認できます。また、さらにその横には馬が同格のようにありますが、おそらくこちらは赤兎馬。関羽が乗っていたとされる凛々しき愛馬です。

ホイアンを含むベトナムの寺や廟、会館を見学すると、度々関羽が祀られている場面に出会うことができます。日本人にとっても三国志で馴染み深い存在なので、是非参拝していってください。

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名称:関公廟(クアンコン廟
住所:24 Tran Phu St
営業時間:7:30~17:30

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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