ホイアンの旧市街は1999年に世界遺産に登録。昔と変わらない装いを保っている数々の旧家は、観光客に歴史の深さと情緒を教えてくれます。今回紹介するのは「馮興家（フーンフン家）」と呼ばれる旧家。日本橋のすぐ傍にあるので観光散策がてら立ち寄ることができます。
アクセス
日本語では「ヒョウコウケ」と読む場所は旧市街のど真ん中。中心に象徴のように日本橋が立っていて、東側がチャンフー通り、西側がグエンティミンカイ通りとなります。
馮興家があるのは、その内のグエンティミンカイ通りの方。日本橋をくぐり抜けて同通りに入ったすぐ右手の建物となります。
200年の歴史を守る馮興家
1階リビング馮興家の歴史のはじまりは200年前に遡ります。中国の貿易商人がホイアンに来たさいに建てた家で、当初はシルク製品や陶磁器、ガラス製品などを販売していました。現在では8代目当主が同家を守り継ぎ、直接観光客に家の中を案内しています。
ちなみにこちらの家を見学する際は入場券が必要。旧市街の各入口やポイントにて5枚綴りの入場券を購入することができますので、事前に入手しておきましょう。
観光客も多いホイアンが貿易として栄えたのは17世紀初頭から19世紀。現在の建物は幾度か立て直しを経ての者ですが、ベトナム戦争時は戦火を逃れたため、当時の繁栄の様子を現在もみることができます。
また、馮興家は他の見学できる進記家やクアンタン家よりも内外装が美観だといわれ、旧市街の中でも注目されている旧家となります。
工夫を凝らした造りに注目
この格子には秘密がある木造建築の馮興家の基本構造はベトナム式と中国式が目立つようですが、天井の骨組みは日本の建築様式を再現しています。
また、1階の天井に気になる構造を発見することができます。天井は椅子を使えば届く高さで、この格子部分は外れる仕組みとなっています。
2階の格子部分こちらが2階床下。
ホイアンでは1年に数回、特に台風が来る9月から11月のシーズンには旧市街一帯が冠水し、床上浸水します。水位が上がってきたら、格子を外して荷物をここから二階に運びあげることができます。先人の人たちの知恵を垣間見ることができます。
2階を見学
古き時代を彷彿とさせる観光客は1階のリビングで蓮茶を飲みながらガイドの説明（英語）を聞いた後、2階へ移動します。2階には8代目の家族が団らんをして過ごす漆のテーブル椅子と祭壇を見学することができます。祭壇には天后聖母が祀られていますが、こちらは道教の女神。ここに住んでいる血筋が中国人であることが分かります。
ホイアンに暮らしている華人の主な出身地は福建省と潮州。ともに道教の信仰が厚いことで知られている地域で、チャンフー通り側には彼らが集まる福建會舘、潮州會舘も現にあります。
グエンティミンカイ通りを望める2階の窓からはグエンティミンカイ通りを一望することができます。日本橋付近は雑貨店が並んでいますが、100mほど歩けば徐々に旧市街を外れ、のどかな田園風景にたどり着きます。
日本人が好みそうなお土産もあるまた1階、2階ともにお土産品も販売中。ホイアンの民芸品である陶磁器や木彫り、刺繍品が勢ぞろいしているので、ここで買うのも可能。
5つの観光スポットの1つに加えてみては
上述したように、ホイアンの観光スポットに入場する際は、先に5枚綴りの入場券を購入しなければなりません。1か所につき1枚必要なので、基本は5か所を巡ることができます。
ホイアン全体をみると10か所以上のスポットがありますが、今回紹介した馮興家は5つの内の1つにリストアップするに足る満足度を得ることができるはずです。是非足を運んでみてください。
＜DATA＞
名称：馮興家（フーンフン家）
住所：4 Nguyen Thi Minh Khai St.
営業時間：8:00～18:00
