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バックパッカーの雑踏に混じってフォーを食べる「フォークイン」

今回紹介するのはベトナム名物フォーの名店といわれる食堂。フォーは牛骨の出汁からスープをとるため時間がかかり、多数のメニューを置いているレストランが片手間で作るよりも、食堂の方が断然おいしいと言われています。こちらのフォークインも現地人と外国人双方に支持されている食堂で、いまではガイドブックや口コミサイトなどでも評価されている老舗として評判高いです。

今回はフォーの名店、「フォークイン」をご紹介します。

IMG_1913.jpgバックパッカー街の中心にある

フォークインがあるのはホーチミンの1区ファングーラオ。ファングーラオとはバックパッカー街の区画のことで、ブイビエン通りとファングーラオ通りをメインストリートにいくつかの通りで構成されています。インドシナ半島や東南アジア、ベトナム国内を陸路で旅する猛者たちが集うバックパッカー街は混とんとしていて、ドンコイエリアと比べると随分とエキサイティングな町並みです。

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IMG_1898.jpgずっと変わらぬ外観はファングーラオのシンボル的存在に

そのファングーラオエリアを構成するファングーラオ通りとドークアンダウ通りの交差点にある縦長の建物がフォークインです。食堂といっても一棟丸々店舗フロアなのでそこらへんの町中にある小規模食堂と比べると規模は大きいです。フォーをつくる屋台や銀のテーブル椅子はお店からはみ出していて、路上で食事気分も楽しめるのもフォークインのいいところ。

できれば路上席がおすすめ

IMG20170714123443.jpgベトナムの風を感じる

席は先に言った路上の席と屋内席、そして2階席があります。2階席は1階が満室になったときに開放されるので、通常は1階席。屋内席と言っても扇風機だけで冷房はないので、ちょっと愛想のない空間かもしれません。

IMG_1911.jpgベトナム食堂らしさがたっぷり

食堂の雰囲気は抜群なのですが、せっかくファングーラオにいるのですから、路上に座って、そこからみるバックパッカー街の風景を眺めてください。日本とはまるで異なる町並みと行き交う人々の様子は、それだけでも楽しむことができるはずです。

フォークインの絶品フォー

IMG_1907.jpgフォーボータイ 65,000d

こちらはフォーボータイ。フォークインで扱っているのはフォーをメインに、牛肉入りの「フォーボー」、鶏肉入りの「フォーガー」です。写真上のこちらはフォーボータイと呼ばれる料理で、ミディアムレアの牛肉がメインの具に、細切りの玉ねぎと刻みネギが添えられています。さらにお好みでカボスと唐辛子を入れて味にアクセントを作ることも可能。

IMG_1909.jpgたっぷりの香草を入れるのがヘルシーと呼ばれる所以

香草はノコギリコリアンダーやリモノフィラ、バジルなど定番どころ。その中でもノコギリコリアンダーは日本人の舌にもよく合うはずです。ただ、こちらは別皿に運ばれてくるものなので、もし香や味が気に入らなければ入れなくても問題ありません。湯にくぐらせたもやしは全部入れておきましょう。シャキシャキとした歯ごたえが柔らかいフォーの舌触りをアンバランスでおいしいです。

スープは牛骨の出汁がよくとれていて、濁り気のない半透明。麺は柔らかくコシがあまりなく、つるつるとのど越しがいいのが特徴。他店よりも油を少し多く使用しているせいか、濃厚かつスープの味がよく麺に染み込んでいます。

フォーと併せて注文したいサイドメニュー

IMG_1906.jpgこの赤茶のスープ。実は......

こちらのメニューは牛の血液を出汁にしたスープ15,000ドン。少量の刻み葱と塩コショウで味付けしています。しかし、これが異様なまろやかさがあって病みつきに。仏教大国のベトナムでは食事の根源となる動物を慈しむ習慣があり、動物を殺生して食べるときは、文字通り「残さず」を大切にしています。その考えから牛の血まで食材に、と思い立ったのでしょう。

IMG_1905.jpgたまごスープ 7,000ドン

こちらはたまごを湯にくぐらせてフォーのスープに沿えたシンプルな一品。フォーの専門食堂であれば大抵は置いてあるサイドメニューです。フォークインのこちらはフォーのスープとベースは同じですが、味は一段階濃くしてあります。

24時間営業なのも魅力

実はこの食堂は24時間営業。眠らない町バックパッカーエリアでは、それだけでかなり重宝するお店です。近場のホテルに滞在している人にとっても、小腹が空いたときに夜の散歩がてら立ち寄ってみてください。

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名称:フォークイン(Pho Quynh)
住所:323 Pham Ngu Lao St. Dist.1
営業時間:24時間

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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