カンボジア旅行で必ず見ておきたいものが3つあります。一つは"遺跡巡り"。カンボジア旅行者の9割以上が行くというアンコールワット。さらにアンコールトムやロリュオス遺跡群など、すべてが世界遺産となります。こちらは初めてのシェムリアップ旅行であれば必ず押さえておきたいところですね。
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そして、残りの2つが"影絵"と"伝統舞踊"となります。いずれもナイトスポットとして旅行者に人気のスポットですが、短期旅行者の方はどちらか一方を見逃してしまう方が多いようです。そこで、今回は1つのお店で両方鑑賞することができるレストラン「クリスタルアンコール」をご紹介したいと思いまう。
アクセス
クリスタルアンコールはパブストリートやアンコールナイトマーケットのある市街地から北西の場所に位置しています。トゥクトゥクや車で約15分くらい走るので、徒歩で行くことはできません。また、周辺は田園風景が広がる田舎道で流しのトゥクトゥクを捕まえることができませんので、ドライバーには食事&鑑賞中外で待っていてもらうようにしてください。
一番安心なのはホテルにトゥクトゥクを呼んでもらうことです。料金も安いですし、ホテルが契約しているトゥクトゥクなので安心することができます。
3タイプの部屋
門前に立つスタッフにお辞儀をされて通されたあとは、観葉植物が咲く回廊を渡りテーブル席へと案内されます。部屋は3タイプあり、1つは影絵を鑑賞できる大部屋。2つ目は10~20人ほど座ることができる個室。こちらは影絵などはなく、純粋に食事のみを楽しみます。そして3つ目が伝統舞踊を鑑賞できる会場。かなり広く数百人収容できますが、ほぼ毎夜外国人旅行客でいっぱいとなります。
予約なしでも可能ですが、ツアーの団体客が多いため、できるだけ事前に予約しておくのがいいでしょう。
影絵鑑賞
こちらは影絵を鑑賞できる部屋。奥行のある部屋の中央奥にあるスクリーンで影絵を見ることができます。スタッフは前方の席を案内してくれますが、おすすめは前方の中央席。端の席は一番前に座ればよく見えるのですが、影絵は2次元の平坦なので歪んで見えてしまいます。中央の席であれば、前方に客がいても椅子をずらせばストレスなく鑑賞することができるはずです。
影絵がはじまるまではスクリーン横でクメールの伝統音楽を聞きながら食事をすることができます。あまり馴染みのない打楽器は希少価値の高いカンボジアに古くから伝わる伝統楽器。美しい音色を聞くことができます。
食事はコース料理となります。予算に応じて複数種類用意されていて、料理の内容もメニューに記載されているのでじっくりと選びましょう。ボリュームはいずれもそう多くはないので、もし物足りなければアラカルトで追加するのもいいでしょう。
影絵はスバエクトムとスバエクトーイの2つがあり、大衆向けで旅行者も気軽に見ることができるのは後者のスバエクトーイとなります。あらすじはラーマヤナ物語の一節を演じることが多く、ここクリスタルアンコールでも、ラーマヤナ物語の最初であるシータ姫が誘拐されるまでの様子を表現したものを鑑賞することができます。
影絵がはじまる前にあらすじの書いた紙を貰うことができるので、おおまかな流れはそれで理解することができます。ラーマヤナ物語はアジア最古の物語のインド神話。王子ラーマとシータ姫が旅をしているところから影絵ははじまり、魔王ラーヴァナが僧に扮してシータ姫をさらいます。そして、ラーマはシータ姫を助けるために冒険に出かけるのですが、影絵ではそこでおしまい。ちなみに、ラーマヤナ物語に出てくる猿の大将ハヌマンは西遊記の孫悟空のモデル(原型)とも言われています。また、ジブリの天空の城ラピュタもラーマヤナ物語のストーリーになぞらえて作られていることで知られています。大まかな話の流れは事前に知っておくと、より楽しむことができるかと思います。
影絵の後は伝統舞踊を鑑賞
影絵と伝統舞踊は時間がずれているため、影絵が終了したあとに急いで伝統舞踊が開催される会場に行けば伝統舞踊も鑑賞することができます(別途追加料金)。クリスタルアンコールで鑑賞できる伝統舞踊は5つ。
1、The Blessing Dance
2、Coconut Shells Dance
3、Mekhala Dance
4、Pailin Peacock Dance
5、Apsara Dance
となります。1~5まで順番通りに行われ、メインのアプサラダンスは最後となるので、多少影絵で遅れてもアプサラダンスは必ず最初から見ることができるはずです。ちなみに筆者が影絵を終えて行ったときは、最初のThe Blessing Danceの途中でしたので、ほぼすべて鑑賞することができました。
クメール舞踊といえば、アプサラダンスがどうしても有名ですが、実はそれ以外のダンスもクメール王朝時代に栄えた伝統舞踊。例えば写真上のこちらはPailin Peacock Danceと呼ばれる伝統舞踊で、ヒンズー教のアプサラダンスと対をなし、こちらは仏教時代に生まれたもの。仏教大国のカンボジアでは、現在でもセレモニーの時によく踊られています。
こちらがアンコール時代に築かれたアプサラダンス。アプサラとは天女を意味し、国王の前で踊られることもある宮廷舞踊の真骨頂。1000年以上の古い歴史を持ち、カンボジアのクメール時代を象徴する伝統舞踊となります。美しくも静かな動作で舞い、手の振り付けはすべてに意味を成すのが特徴。いつまでも見続けていたいと感じる妖艶のアプサラの踊り子たちを、是非心行くまで鑑賞ください。
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名称:クリスタルアンコール(CRYSTAL ANGKOR RESTAURANT)
住所:Krous Village, Svay Dangkum, Angkor Wat,Siem Reap
電話番号:+855 12 786 786 ※上演時間の事前確認をおすすめします。
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