今回はベトナム全国で毎年開催されるイベントの一つをご紹介します。みなさんは「女性の日」という祭日をご存知でしょうか。日本には浸透していなく、女性の日といえばバレンタインデーやホワイトデーをイメージしてしまいますね。もちろんベトナムにもバレンタインデーはあるのですが、今回紹介するのは、もう一つの女性のための日である「女性の日(Ngay Phu Nu)」です。
年に2回開催されるイベント
女性の日はベトナムでは年に2回あります。1回目は3月8日の「国際婦人デー」、2回目は10月20日の「ベトナム女性の日」です。どちらも女性の日ですが、3月8日の方は世界的なイベントとして知られていて、特に中国やキューバなど社会主義国で発展しています（ベトナムも社会主義国です）。そして、今回お届けする10月20日のベトナム女性の日は、ベトナム国内で定められた祭日。祝日ではなく、2016年は木曜に該当するため、休日ではないのが残念です。しかし、ベトナム人の女性は学校でも会社でもうきうきな気分となります。
「女性の日」とは女性に感謝する日
ベトナムではレディファーストが根付くバレンタインデーと女性の日の最も大きな違いは、バレンタインデーは恋人や片思いの人がプレゼントを贈る日ですが、女性の日は何も恋人でなくとも、特別な想いを寄せている女性でなくともプレゼントを贈ります。つまり、日ごろの感謝の日ですね。例えば、男性は友達の女性や会社の同僚上司、学校では女性の先生にも贈ります。バレンタインデーよりも歴史が古いので、どちらかというと女性の日の方が町中は盛り上がります。
どんなプレゼントを贈るのか
ハノイやホーチミンといった都心は色とりどりの花々に包まれる男性が女性に贈る最高のプレゼントといえば、昔も今も『花』です。ベトナムは気候柄花の種類は多くはありませんが、この日のために花屋は高原地帯のダラットからわざわざ仕入れるほど。たとえ俗にいう「いまどき」の女性であっても、花を贈られると嬉しいものです。
ただし、近年は花だけではなく、化粧品やアクセサリーなどをプレゼントする男性も多いようで、恋人だと多少奮発する傾向にあります。また、会社では男性同士がお金を出し合い、女性にプレゼントをする光景も例年見られます。もともとベトナム女性の日（10月20日）は北部発祥なので、ホーチミン人にはあまり知られていませんでしたが、ここ10年ですっかりと浸透した様子です。
道端に並ぶ花の露店
4月30日公園周辺の様子こちらはホーチミンの統一会堂前から聖母マリア教会傍にかけて広がる4月30日公園前周辺の様子です。ダイヤモンドプラザ前を横切るレユアン通りには、このように道端は花を売る露店で賑わっています。この光景は女性の日から一週間前くらいからみることができます。売っている女性たちは花屋であったり、普段は別の屋台を営んでいる人たちが臨時で出店しています。
また、花売りは昔から学生たちが自分で花を仕入れて道端で売って小銭を稼ぐ手段としても人気があります。恋人がいないベトナム人女性の学生たちが通りや学校傍に集まって花を売る光景はベトナムらしくていいものです。
ベトナム人女性は素朴な贈り物が好むようだもちろん花を買うのは男性だけではありません。女性も母親や目上の女性に感謝のしるしとして花束を贈ります。そういった意味ではバレンタインデーとはかなり意味合いの異なる祭日だということが分かります。また、ベトナム人の若者に訊いたところ、「恋人だったら女性の日よりもバレンタインデーの方が重要かも」という意見もちらほらうかがえました。また、10月20日よりも3月8日の国際婦人デーの方を重要視している女性も多くいるようです。
旅先でベトナム人を知る
造花も増えてきた。虫がつかないのでこちらを好む女性も多いベトナム人女性の知り合いがいない旅行者にとっては関係ないかもしれませんが、この日にベトナムに来たのであれば、花に包まれた通りを是非見学していってください。買わずとも楽しむことができます。また、知り合った女性に向けて、「Chuc mung Ngay Phu Nu=女性の日おめでとうございます」と声をかけてあげてください。きっと満面の笑みで「ありがとう」と返してくれるはずです。
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