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魅惑の都市ベトナム中南部の観光紹介

ベトナムの中南部は地球の歩き方のような全国版ガイドブックには掲載されているものの、ホーチミンやハノイと比べると極端に少なく、日本人旅行者にとってはまだまだ未開のエリア。欧米人にはすでに知れ渡っていて、ベトナム国内の主要観光エリアの中で、最もリピート率が多いエリアでもあります。

今回は、ホーチミンから行くベトナム中南部の旅をご紹介したいと思います。

ホーチミンからのアクセス方法

DSCN8818.jpgサイゴン駅にて

中南部までは通常ホーチミンから行くことになります。ハノイやダナンから行く人は空路で向かうのがいいでしょう。一部は南北統一鉄道で行くこともできますが、10時間以上かかってしまうので、短期旅行がメインの日本人には現実的ではありません。

ホーチミンから行く場合は、「空路」、「列車」、「バス」の3つが考えられます。

空路

最も早く行くことができるのが最大のメリット。いずれの観光エリアも1時間以内で行くことができます。しかし、料金が高いのがネック。オフシーズンであれば往復5000円程度で行くことも可能ですが、ハイシーズンだと2倍、3倍と料金は上がります。また、せっかくの東南アジア旅行。醍醐味である陸路で行く魅力も体験することはかないませんね。

列車

ホーチミン⇔ニャチャン間はゴールデントレインとブルートレインと呼ばれる列車が往復しています。かつてはベトナムの誇る豪華寝台列車の旅を旅行会社が謳っていましたが、現在はだいぶ廃れてしまった様子。ただし、雰囲気は十分。現地人もよく利用するので、隣の部屋で客に売る雑貨の内職をしているベトナム人や、ビールを傾けて宴会している人などをみることができます。

料金は2500円~4000円程度で、座席シートのクラスによって変わります。もしベトナム人と相乗りが嫌であれば、一部屋4ベッドを丸ごと貸切ることもできます。情緒ある旅は保証されますが、デメリットは2つ。1つはニャチャン着が早朝の5時という点。もう1つは、電車ではなくディーゼル機関車なので、時速はせいぜい70kmほど。ニャチャンまでの所要時間は約9時間。長旅は覚悟しなければなりませんね。

バス

ツアーバスであれば、ファングーラオエリアのツアー会社、もしくはツアーバス会社から買うのがいいでしょう。デタム通りにはフンチャンバスと呼ばれる外国人に人気のツアーバスのデスクがあり、こちらで直接チケットを購入できます。それ以外ではシンカフェが安く、TNKトラベルは日本人スタッフが常駐しています。

バスのメリットは安いに尽きます。片道1000円以内の運賃で行くことができますし、行先によっては寝台バスを利用することもできます。ベトナム中南部の観光エリアはムイネー、ニャチャン、ダラットの3つがメインとなりますが、このうち空路と列車はニャチャン。ムイネーとダラットはバスが一般的です。ムイネーとダラットまでは片道6時間程度なので、ひと眠りで到着します。

ビーチリゾート「ニャチャン」

IMG_9171.jpgとにかく欧米人率が高い

ニャチャンビーチを見ると、その欧米人率に驚かされます。まるで欧米のどこかのビーチと間違うくらい、どこを見ても欧米人観光客で埋め尽くされています。ニャチャンはすでにリゾート化されていて、7kmにわたって続くニャチャンビーチが観光の中心。またタクシーですぐのところに仏教寺院やカトリック教会、ヒンドゥー教の遺跡などもあります。

新鮮なシーフードに舌鼓を打ち、夜はシーサイドバーでロマンティックな時間に浸る。リゾートらしいラグジュアリーな時間を過ごせることでしょう。1泊2泊ではもったいありませんので、4泊5泊と長旅がおすすめ。なにをすることもなく砂浜のデッキチェアに寝そべるだけの時間はまさに楽園です。

アクセスの注意

ニャチャンまでは空路か鉄道で行くのが一般的です。おすすめは空路。鉄道の場合はゴールデントレインとブルートレインがありますが、前者は終点がニャチャンではなく、その先のクイニョンという港町なので、途中下車しなければなりません。一応乗務員が起こしにきてくれますが、誤って降り過ごしてしまう可能性もあります。ブルートレインはニャチャンが終点なので、不安な方はこちらを利用しましょう。

また、おすすめの移動方法ですが、ベトナム情緒を感じたければ、行きは列車を利用して、帰りは空路でホーチミンに帰るのもいいでしょう。旅を満喫して、あとは帰るだけというときに再び9時間の列車旅は苦痛になるかもしれません。

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素朴な田舎町に広がるリゾートエリア「ムイネー」

IMG_9112.jpgロシア人の観光客が目立つ

砂丘と港の町のムイネーは、ホーチミンに住むベトナム人にとっては、一泊二日から楽しめるお手軽旅行の旅先として人気があります。メインストリートのグエンディンチウ通りはリゾート化されていて、レストラン、カフェ、リゾートホテルが建ち並んでいます。この周辺に宿をとり、タクシーもしくはレンタルバイクでまっすぐ東へ走れば、黄色の砂丘が見えてきます。さらにその先には白い砂丘もあり、幻想的な風景の中ジープやバギーで疾走することができます。

ニャチャンほどリゾート化はされていないですが、近年は外国人の人気旅先となっていて、ハイシーズンはホテルは高値がつけられています。ホテルの多くはプール付きのバンガロー。さざ波をBGMにベッドで就寝することもできます。

アクセスの注意

ホーチミンからムイネーまではバス旅となります。南北統一鉄道(ホーチミンからハノイまで)も走っているのですが、通過駅はファンティエットの中心市街地で、ムイネーまでは距離があります。バスであれば往復2000円程度で行くことができるので非常に安上がりです。帰りはホテルのスタッフにバスを呼んでもらうこともできますし、道沿いのツアーデスクで手配することも可能です。

「ファンティエット」の町も捨てがたい

CIMG2594.jpgのどかな田舎町

ファンティエット中心市街地。ここからムイネーまではタクシーで20分程度なので、こちらも同時に楽しむのもいいでしょう。ちらほらとバックパッカーの姿も見え、周辺には安ホテルもあります。スーパーやコンビニはなく、人々の買い物は個人商店。レストランの代わりに食堂で食事を済ませます。リゾート感はゼロですが、「ベトナムらしい風景」という点においては100点満点。

また、ファンティエットはベトナム料理に欠かせないヌクマムの特産地として知られています。ここで作られるヌクマムは品質が高く、ベトナム人にとっては高級ヌクマムの位置づけとなっています。屋台や食堂で食べ歩き、町全体が商店街のようなこの町をのほほんと散歩してみてください。

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カップルで行くなら「ダラット」がおすすめ!

IMG_5922.jpg愛の盆地と呼ばれているダティエン湖

ダラットは標高1400mの場所に開けている小さな町。高原地帯のため乾季の時期でも過ごしやすく、また早朝は冷え込むほど。遡ればフランス人が植民地時代に開拓したのがはじまりなので、現在でも西洋の面影を残す町並みが続いています。ベトナム人にとっては新婚旅行先として人気で、フラワーガーデンやスアンフーン湖、愛の盆地、ランビアン山といった恋人と愛を誓いたくなるような観光スポットがいくつもあります。

また、毎夜開催されるナイトマーケットも滞在中は何度も訪れたいところです。冷え込むのでジャケットは必須。屋台で焼き鳥やスープを頬張ったり、食堂で鍋をつついたりして楽しんでください。

アクセスの注意

ホーチミンからダラットまではバスで6時間。道中は山を登りますので、乗り物酔いしやすい方は、酔い止めを持参しましょう。また、ダラットは山の麓にある町で、勾配が急です。レンタル自転車は近場であってもかなり体力が必要なので、市内の移動はレンタルバイクかタクシーにしましょう。

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ダラット⇔ニャチャンまでバスで行く

IMG_7025.jpg2都市周遊も気軽に可能

中南部の人気エリアであるダラットとニャチャンの両都市をバスで行くこともできます。いずれも現地のツアーデスクからバスを手配することができます。所要時間は4時間程度。

おすすめのルートとしては、ホーチミン→ダラット→ニャチャン→ホーチミン。ニャチャンからホーチミンへ帰るときは空路を使ってもいいでしょう。ホーチミンで一泊、ダラットで一泊、ニャチャンで2泊、ホーチミンで最後の晩餐ののち、日本へ帰国といったプランであれば、5泊6日で楽しむことができます。

中南部は魅力がいっぱい

もしリゾートエリアを楽しみたいならば、ベトナムの中南部がおすすめです。ハノイやホーチミンといった大都市では、たとえ5つ星の高級ホテルに泊まっても、なかなかリゾート感は満喫できません。人込みが少なく、海あり山あり、海鮮あり。そんな町を求めるなら、今回紹介した観光エリアを選んでみてはいかがでしょうか。

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著者プロフィール

著者写真

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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