今回ご紹介するのは、ホーチミン旅行王道中の王道である「統一会堂」です。ベトナムの歴史を知る上で欠かせない名所であります。ガイドブックには必ず大見出しとして紹介されています。「王道から外れた観光をしたい」と考えている方も、ベトナムへ初めて訪れたのであれば、一つくらいはベトナム戦争に関わる博物館施設には足を運んでほしいところ。そんなときにピックアップしてほしい定番スポットです。
アクセス
統一会堂館内統一会堂がある場所は、ホーチミンの1区中心地です。市民劇場から北上すると、聖母マリア教会が見えてきます。教会の右手は中央郵便局で、左手は芝生が広がる4月30日公園があります。この公園を横目に道路を歩くと、正面に統一会堂が見えてきます。門前が受付になっていて、警備員も多数待機している目立つ建物なので、見落とすことはまずありません。通りはナムキーコイキア(Nam Ky Khoi Nghia )通りとなり、一方通行なので、タクシーで行く方は場所によっては迂回することになるかもしれません。
広い敷地を歩いて本堂内へ
中央は横切れないので、回って行こう門前でチケットを購入して中へ入ると、中央に噴水が噴き出る芝生があります。その芝生をぐるっと回って本堂へ行きます。道中は当時この施設に突入した戦車の模型が展示されています。
現在では重要な政治の要所
奥の壇上横には英雄のホー・チ・ミン氏の像が安置統一会堂は、単なる観光名所ではありません。実は、現在でも国際会議の舞台で使われている、現役の政治の要所なのです。統一会堂は基本年中無休ですが、国際会議が開催される場合は、不定期で完全閉鎖され、各国の要人が厳かに訪れます。このときは旅行客も中に入れません。
統一会堂。元は大統領官邸
南ベトナムはフランスの傀儡と呼ばれていた1960年から始まったベトナム戦争。厳密にいえば、インドシナ戦争の延長線上であったことから、第二次インドシナ戦争とも宣戦布告なき戦争とも呼ばれています。いずれにしても、南北の統一をかけた15年に及ぶ戦争であったことには変わりません。
ここ統一会堂は、ベトナム戦争が終結するまでは南ベトナムの大統領官邸でした。大統領とその夫人が暮らす邸宅でもあったため、堂内には寝室をはじめ、映画館や図書室、庭園といった娯楽施設もありました。その大統領官邸も1975年4月30日に幕を閉じます。戦争が終結した場として、翌1976年に大統領官邸から「統一会堂」と改名しました。南北が統一した場所という意味です。
ベトナム戦争終結の場
映画館こちらが映画館。そのほかにもさまざまな娯楽施設が設けられていました。南ベトナムは当時フランスの傀儡国家といわれていて、フランス軍のいいなりでした。大統領とその夫人の傍若無人なふるまいは独裁政権となり、国民の間では反対勢力も集まってきました。
ベトコンという言葉を耳にしたことがあるかと思います。ベトコンは、当時アメリカが南ベトナム解放民族戦線を呼ぶときの呼び名でした。北ベトナムで発足した民族戦線だけではなく、南ベトナム政府の反政府組織に対しても同様にベトコンと呼ぶこともあります。
夫人が好んだ庭園。民意を無視した優雅な生活が垣間見える1975年4月30日。旧大統領官邸の前を走るレユアン通りで行進がはじまりました。これがいわゆる「ホー・チ・ミン作戦」です。レユアン通りを動植物公園方面に進んだ先には、ホーチミン作戦博物館があり、当時の様子を知ることができます。
そして当日、北ベトナム軍が大挙して大統領官邸に攻撃をしかけます。戦車がフェンスを破り、無血入城を果たしました。そして、革命軍の旗が建ち、事実上の南ベトナムの没落。つまり、ベトナム戦争の終結となったのです。
夫人のために用意された図書室もある統一会堂は一部を除き、現状保存されて一般公開されています。大統領と夫人の優雅な生活の一端をのぞける一方、暗号解読室といった緊張感走る部屋も見学することができます。
軍用ヘリUH1は映画でもお馴染み屋上には米軍が使っていた軍用ヘリUH1が展示されています。ベトナム戦争関連の映画でよく出てきますね。有名どころでいえば、「プラトーン」、「ランボー」、「スパイゲーム」などでしょうか。
統一会堂を個人で回る際は、事前に予備知識を学習しておくことをおすすめします。ただし、もしツアーで行けるようであれば、日本語ガイドが説明してくれるので、そちらをおすすめします。旅行会社をはじめ、現地ツアーデスクでも必ず取り扱っています。
<DATA>
名称：統一会堂(Hoi truong Thong Nhat)
住所：135 Nam Ky Khoi Nghia St. Dist.1.
営業時間：7:30〜18:00
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