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ダナン名物の「五行山」に登る

ダナンはベトナム第三の都市と呼ばれ、近年は観光開発も進み、じわじわと外国人旅行客も増えてきました。日本の旅行会社でも「世界遺産巡り」、「ビーチリゾート」をキーワードにツアーを売り出しています。2016年からダナン⇔成田間が毎日運航することになり、より身近に中部地方を楽しめるようになりました。
今回紹介するのは、世界遺産でもなく、ビーチでもない「登山」です。山頂には素晴らしい絶景も待っていますので、ぜひマウンテンリトリートをお楽しみください。

アクセス

DSCN9683.jpg五行山の入口。うんざりするほどの石段を上がることになる

ダナンから五行山まではタクシーでほぼ一本道。ノンヌォックビーチが広がる正面に聳え立っています。ちょうどダナンから世界遺産のホイアンの町へ向かう中間地点にあり、所要時間は約20分程度。ホイアンへ行かれる方は、ついでに立ち寄るのが効率がいいです。

また、タクシーの運転手に待っていてもらうのもいいのですが、入口と出口は異なるため、もしチャーターしているのであれば、運転手の携帯番号を訊いておいて、あとで出口で落ち合うようにするのがおすすめです。

五行山の由来

DSCN9714.jpg山中にある仏教寺院

五行山は陰陽五行説が名の由来となっており、6つの山はそれぞれ陰陽の火山、水山、木山、金山、土山と名付けられています。観光地かされていて登山ができるのは、その内の水山となります。一応由緒正しき仏教山でもあり、4月には観世音菩薩を参拝する大規模なイベントが開催されます。

大理石の一大産地としての顔

DSCN9878.jpgさまざまな種類があるので、いくつかのお店を回って吟味しよう

「ダナンの名物土産は?」と訊かれると、まず思いつくのが大理石の置物です。ダナン市街地のバクダン通りの遊歩道には白亜の大理石像が並んでいて観光スポットにもなっています。市場でお土産店を散策しても、やはり幅を利かせているのは大理石土産。手のひらサイズのものもたくさんあります。大理石は質量が非常にあるので、小さな置物でもずっしりと重量を感じるのが特徴です。

では、なぜダナンの名物土産が大理石なのかというと、かつてはこの五行山の山全体が一大大理石産地だったからです。現在発掘はされていないようですが、それでも水山の出入口周辺は何十店もの大理石ショップが並んでいます。もしぼったくられなければ、市場で買うよりも数割安い値段で買えることでしょう。

とにかく登る!歩きやすい服装で

DSCN9784.jpg石段は整備されているので歩きやすい

入口で入場料を払うと、さっそく登山開始。ただし、登山といってもすべて石段と石畳で道中は整備されています。入口付近にはエレベーターで少しだけショートカットすることができますが、有料のほか、本当に少しだけなので、こちらは利用しないのが無難。石段はかなりの数上がることになりますので、途中の水分補給は忘れないでください。また、特に女性の方はスニーカーで来るのがおすすめ。間違ってもヒールを履いてはいけません。

DSCN9711.jpg絵になる風景が待っている。カメラは必須アイテム

道中は大仏や観世音菩薩の像などが待っています。中華風の装飾が施されている仏教寺院は200年以上の歴史を持っています。また、それ以外には立ち止まって振り返れば、静かな南シナ海とダナンの町並み、田園風景が広がる絶景も見渡すことができます。

休憩地点で体力の補給を

DSCN9740.jpgここまで来たら、あとは楽しむだけ

麓まで来たら、山頂まではすぐそこ。ここからは洞窟と寺院を見学することができますが、洞窟は石の瓦礫をよじ登るので、しっかりとここで休憩しておきましょう。簡単なカフェスペースもあり、売店では飲料水のほかバインミーやお菓子など簡単な食べ物も売っています。

洞窟を探検

DSCN9819.jpg薄暗い入口が見える洞窟

五行山には、ホアギエム洞窟と雲通洞の2つの洞窟が観光スポットとしてあります。前者はベトナム戦争時の爆弾投下によって、後者は天然でぽっかりと天井に穴が空いていて、そこから挿し込む太陽の光は神々しく一見の価値があります。

DSCN9763.jpg手すりなどはないので無理はしないように

雲通洞の内部は小さな洞穴のようになっています。狭い天然の洞窟なので整備はされていません。女性や子供は無理しないようにしてください。足元は大理石で非常に滑りやすくなっているので、怪我しないよう注意を。

DSCN9771.jpg昼間は青白い光が挿し込む

洞窟内部の様子。蒼い太陽の光が内部を淡く照らし、自然が織り成すライトアップは、はっと息を呑む光景です。その先にはさらに瓦礫をよじ登ることによって、山頂に行くことができます。ただし、こちらは非常に狭く危険なので、男性でも無理しないように。また、実はここから登って行ける山頂は、迂回して別の道から行くことができます。迂回ルートであれば、舗装された安全な道で山頂までたどり着くことができます。

景色を心行くまで楽しもう

DSCN9794.jpgのんびりとした時間を満喫

山頂から見渡せるダナンの風景。ダナンは現在でこそベトナム第三の都市と呼ばれるに至りましたが、ハノイやホーチミンと比べるとまだまだ田舎風情漂う町です。マンションや大型ショッピングセンターなどが並ぶのはダナン市街地のみで、車で10分も走れば、途端にのどかな風景に移り変わります。

そしてその向こうに広がる大海原は南シナ海。ベトナムでは東海と呼んでいます。南シナ海は乾季の時期は穏やかで、世界中の観光客が訪れるビーチエリアが複数ありますが、雨季になると日本海のようにしけて、荒れた波が猛威を振るいます。

仏教徒の参拝の様子を見学

DSCN9865.jpgベトナムでは8割が仏教徒といわれている

五行山には3つの仏教寺院があります。いずれも大仏や如来像が安置されていて、ベトナム人仏教徒が線香をあげて参拝している様子を見学することができます。日本にはない参拝の様子は非常に興味深いものがありますので、是非静かに見学していってください。

ちなみに、ベトナムの仏教寺院によっては、短パンやスカートでの入場が禁止されているところもあります。五行山は大丈夫そうです。

DSCN9861.jpgフラッシュ撮影は禁止

ベトナムの参拝方法は、写真のように膝をついて合唱したのち、数度にわたって頭を垂れるのが一般的です。また、直立して日本のように手を合わせることもします。もし線香を持っていたら、その線香を持って、数度にわたってお辞儀のような姿勢を繰り返します。

五行山はダナン観光の名所の一つ。他の世界遺産のハブとしてダナンに向かう方も、是非時間をとって五行山に足を運んでみてください。けっして損はしない光景に出会えるかと思います。

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著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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