ホイアンはベトナム中部の世界遺産。1999年に古き良き町並みが世界に認められ、それ以降年間多くの外国人旅行者が訪れるようになりました。ホイアン観光のメインとなるのは、世界遺産に登録された保護地区内の伝統家屋の見学や、博物館や寺院、華人の集会所などを巡るコース。1日中観光するとなると、ずっと歩き倒すことになりますので、その疲労から夜はホテルで早々と就寝してしまいがちです。
しかし、それにはちょっと待ったをかけてください。自分に鞭打って、是非夜のホイアンに顔をだしてみてください。日中の疲れはどこぞに、幻想的な光景を目の当たりにすることができます。
世界遺産ホイアン。夜の歩き方
「また歩き倒すのかあ?」と顔をしかめている方もご安心ください。夜のホイアンを歩いてほしいのは3か所だけです。
1、チャンフー通り
ホイアン歴史保護地区の目抜き通りです。日本橋を拠点に、数々の観光名所が建ち並び、日中観光のメインコースでもあります。夜になると、空を仰げば軽やかな光を落とすランタンがが並び、カフェやバー、レストランに雑貨ショップなども夜22時から23時頃まで営業しています。
[local, 582]2、バクダン通り
バクダン通りはチャンフー通りと並行して走る川沿いの道。一面広がるトゥボン川は、かつては交易船が発着していました。日本からも、徳川家康が派遣した朱印船が往来していました。バクダン通り沿いには、川に沿って屋台が並び、そこでホイアングルメを堪能することができます。また、広場では民謡を歌う女性や、子供向けのビンゴ大会なども定期的に開催されます。
3、ナイトマーケット
バクダン通りから橋を渡って、川を挟んだ向こう岸に行くと毎夜開催されるナイトマーケットを楽しむことができます。直線距離100mもない小規模のものですが、雑貨やランタンを扱う屋台が並んでいて、夜のホイアンの満足度を上げてくれるには十分です。
ベトナム雑貨ショッピング
雑貨店はチャンフー通り、もしくはグエンタイホック通り(チャンフー通りとバクダン通りに挟まれている道)で探すのがおすすめ。夜は過ごしやすい気温になるので、雨が降っていない限りは落ち着いて買い物することができます。
また、洋服やアオザイのオーダーメイドをしたい方も夜がおすすめ。オーダーメイドはデザインやカラーはもちろんのこと、十数の寸法を測りますので時間がかかります。日中は一刻も早く観光に出かけたい衝動にかられているかと思いますので、夜の落ち着いたときに訪れるのがいいでしょう。また、チープ雑貨類であれば、ナイトマーケットでも購入することができますので、ここですべて買う必要もありません。雰囲気を楽しむだけでも可。
日中は暑いために身を潜めている露店商も夜になると、ぽつぽつと道沿いに姿を現すようになります。道端で雑貨や食べ物を売っていて、屋台好きのベトナム人はみんな露店に集まっています。旅行者の方も、ベトナム屋台を体験してみてください。雰囲気をあいまって、病みつきになるかもしれませんよ。
カフェレストランでほろ酔い気分
チャンフー通り、もしくはバクダン通りに並ぶカフェレストランは、写真のような間口が広く、入口のオープンスペースにテーブル席を設けられているのがスタンダード。ホイアンでしか食べられない名物料理のほか、ポテトやハンバーガー、パスタなど西洋料理も充実。ベトナム料理にとらわれずに、好きな料理を注文してください。
また、そのときはアルコールのオーダーもお忘れなく。たいていのお店はウォッカやビール、ワインが揃っていますので、ホイアンの夜に思う存分酔ってください。ちなみに、カフェレストランはチャンフー通りだとお洒落系が多く、バクダン通りだと、素朴な家屋系が多いです。トゥボン川を眺めながら食事を取れるので、筆者はバクダン通りがおすすめです。
ホイアンの名物がこちら、「灯篭流し」。バクダン通り沿いには、道端に灯篭を売っているおばちゃんや子供たちがいます。場所は日本橋周辺の川沿いです。遊び方は簡単。灯篭を買うと、長い鉄棒を借りることができ、その先端に灯篭をひっかけて、あとは川に流すだけ。
トゥボン川には幾多の淡い光が流れ、その光景はまさに幻想的。時間がとまったかのような感覚さえ覚え、悠久の楽園をイメージさせます。日ごろ日本の現代社会に疲れている方には、これ以上ない処方箋。しばしの間、非現実的なひとときを満喫していってください。
ナイトマーケットに繰り出す
最後はナイトマーケット。トゥボン川に架かる橋を渡った先には、ナイトマーケットが開かれています。それほど大きい規模ではありませんが、夜の町を彩る屋台の光に釣られて、毎夜多くの旅行客や現地人が足を運びます。
ホイアンならではのお土産といったら、ランタンが一押し。日本風情も漂うランタンは、デザインやカラーはそれぞれ。一つ一つ職人による手作りです。また、このランタンは蝋燭で火を灯すのではなく、中に入っている豆電球で明かりをつけます。ですので、自分の部屋の電球にするのもいいですね。
ただし、ベトナムは220V、日本は100Vなので、電圧の違いには気を付けましょう。
中国文化の影響を色濃く受けているベトナムでは、昔から書道の文化もみられます。ベトナム語はアルファベットなので、横文字となり多少の違和感を覚えますが、職人はなかなかの達筆。飾り用のお土産に一枚買っていくのもいいでしょう。一枚1000円程度で、好きな言葉を入れることも可能です。
夜のホイアンを満喫するコツ
ナイトマーケット周辺エリアは歴史保護地区ではありませんので、お洒落な西洋風のカフェや、ホテルなどもあります。橋を渡ってすぐが歴史保護地区なので、この周辺で宿を探すのもおすすめです。
夜のホイアンは、慌ただしく歩くのではなく、目的もなくぶらぶらと散歩する方が返って楽しめる気がします。旅行者の方も、ガイドブックはホテルに置いておいて、身を軽くして町に出てください。
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