ベトナムの中部地方都市ダナンは、一昔前までは市街地に田園が広がる田舎町でした。しかし、10年ほど前から中国人、韓国人といったアジア人の間で注目されるようになり、ダナン市が政府主導でリゾート開発をしたのが観光都市としてのはじまり。現在では日本の東京と関西からも直行便で繋がるようになり、日本人旅行者にも注目されているビーチリゾート都市へと成長しました。
とはいえ、まだまだガイドブックを開いてもハノイやホーチミンと比べると情報は少ないですし、ウェブサイトを見ても観光スポット以外の現地情報は乏しいといえます。そこで、今回は海の町香るダナンの魅力をご紹介します。
空港から20分で行けるダナン中心部
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旅行者がダナンへ行く方法は、空の便がおすすめ。日本から直行便で行く場合も、ハノイやホーチミンを経由していく場合も、いずれもダナン国際空港に到着します(隣接ターミナル)。
ハノイ空港から市街地までは車で約40~60分、ホーチミン空港から市街地までは車で20~30分かかりますが、ダナンの場合は約20分。早くて15分程度で市街地に到着します。大回りするためやや時間はかかりますが、市街地の中に空港があるのは非常に大きな魅力。帰国便ぎりぎりまで遊ぶことができますね。
穏やかな町並みが続く市街地
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ダナンにおける市内観光は極めて狭い範囲となります。観光スポットと呼ばれる名所はすべてチャンフー通りという目抜き通り沿いにあるので、これらは歩いてわたることも可能。
このチャンフー通りは毎年店が代わる代わる発展して、大分観光地化されてきた様子。マッサージ店や両替所、雑貨ショップにベトナム料理レストランなどが並ぶようになりました。
しかし、それでもまだまだ現地のローカルの香りもするのがいいところ。現地のおばちゃんたちが市場で談笑している様子や、女子中高生がカフェに居座って勉強している風景なども、ここでは日常。
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ベトナム旅行において忘れてはならないのが「路上カフェ」。普通路上カフェといったら、中高年のおじさんがたむろしている様子が日常ですが、ダナンのバクダン通り沿いは大分お洒落になってきて、若者向けのカフェに様変わりしてきています。
もちろん旅行者にも体験してほしいところ。一杯100円程度のコーヒーやフレッシュジュースを飲みながら、道路向かいのハン川をぼーっと眺める......。何とも旅情緒溢れます。
旅人は必須。バクダン通りを散歩
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遊歩道がしっかりと整備されているのは、ベトナムではちょっと特別。普通はバイクが乗り上げてきて、縦横無尽に走り回る危険極まりない歩道ですが、ダナンの場合は自治体が街の美化に力を注いでいるため、遊歩道は安全&清潔そのもの。
傍を流れるハン川と、対岸にかかるロン橋やソンハン橋は、ここから眺めるのが一番。夜になるとイルミネーションショーを見ることができます。ファミリー、カップルともにマストで見ていってほしい夜景スポットです。
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町中で時折見かける御覧のモニュメント。触ってみるとすべすべしています。もちろん動かそうにも重くてぴくりともしません。こちらは大理石で作られたダナンの特産。リゾートホテルでも大理石で作ったバス風呂やプールなどを見ることができますね。
市街地南方にある五行山は大理石の山で、現在も象徴のように麓では大理石を売るお店が100近く並んでいます。バクダン通りの遊歩道でも御覧のような大理石のモニュメントが建っています。是非記念撮影していってください。
夜はロマンティック街道に
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ダナンはまだハノイやホーチミンのようなナイトスポットがありません。ですので、夜は市街地の散歩をするのがおすすめ。ビーチ側は夜は殺風景となり、また潮風も強いので、ひとしきり歩いたあとはタクシーでバクダン通りまで行くといいでしょう。
バクダン通りは夜でも多くの観光客や現地の若者が集う人気の通り。夜カフェを楽しんだり、ライトアップを眺めながら遊歩道を散歩したりするのがダナンでの楽しみ方となります。もしかするとビーチリゾート=繁華街をイメージしている旅行者もいるかもしれませんが、ダナンはまだそこまで発展していません。
もし観光客で賑わうところに行きたければ、ホイアンで過ごすといいでしょう。バクダン通りからタクシーで40分ほどで行くことができます。
海だけじゃない!ダナン市街地の魅力
ダナンといえばビーチを真っ先に思いつくかもしれませんが、ダナンがビーチエリアとして知られる以前は、「市街地に流れるゆっくりとした平和な時間を散歩して楽しむ」のが旅行者の過ごし方でした。
他の国・都市と比べると、まだまだ騒がしくなく、いい意味での静けさが残るダナン。日々仕事や家事で疲れている日本人にはうってつけの町です。次の海外旅行はダナンに決めてみてはいかがでしょうか。