2018年2月16日は、ベトナムのお正月。旧暦で祝う「テト正月」と呼ばれているもので、毎年一週間から10日ほどの公休となり、ベトナム人は各々お正月を楽しみます。
そこで、今回はベトナム人のお正月に密着して、彼らがどのようにお正月を過ごしているのかをご紹介したいと思います。日本人と同じ習慣もあれば、まったく違う習慣もあり、非常に興味深いものがあります。
田舎に帰省する人、そうでない人
2018年の干支は犬。これは日本もベトナムも同じです。日本人の多くはお正月は実家に帰省して、両親たちと一緒に過ごすことでしょう。これはベトナムも同じ。家族親族の絆が非常に強いベトナム人は、この日を待ちわびたかのように、一斉に帰省します。
ただし、都会出身のベトナム人もいます。ハノイやホーチミンに暮らしている都会っ子で、両親や親せきも都心にいるベトナム人は田舎がありません。ですので、彼らは国内外に旅行に行ったり、都心で開催されるイベントなどを家族や友人と楽しみます。
日本とは少し違うベトナムのお正月料理
日本ではお正月料理といえば、重箱に詰められるおせち料理が定番。料理の品もだいたい決まっていますよね。スーパーに行けばおせち料理のセットなども売られていて、これらの料理が好きな人嫌いな人はいますが、往々にして「お正月らしい」雰囲気作りに一役買ってくれます。
ベトナムでもお正月料理はありますが、日本のような豪華な様子とは少し違います。スーパーでもお正月料理は買うことはできますが、多くの家庭では自分たちで何日も前から下ごしらえをして手間暇かけて作っています。これもベトナム人のお母さま方の楽しみの一つです。
家庭により献立は若干異なりますが、どれもお正月料理としては定番。しかし、こちらの料理は全国どこでも同じの伝統料理です。料理名は「バインチュン/バインテト」と呼ばれるもので、北部と南部で呼び名や形状が異なります。
材料は同じで、もち米に豚バラチャーシュー、緑豆などを加えて巻き、バナナの葉で包んで薪をくべてじっくりと焼きます。バインチュンがおいしいお店は行列ができるほど人気ですが、各家庭で作る人も多く、お正月前に住宅街に行くと、いくつかの家庭が外でバインチュンを焼いている様子を見ることができます。
この日ばかりは皆で遊ぶ「トランプ」
ベトナムでは賭博は禁止されて、一般的には家庭内でもご法度とされています。しかし、お正月だけは皆さん我慢しきれない様子で、どの家庭も家族や親せき一同集まってトランプをして遊んでいます。
主に楽しんでいるのは、ブラックジャックや大富豪。日本とルールは少し違いますが、基本的な遊び方は同じなので、日本人もベトナム人と遊ぶ機会がありましたら、すぐに馴染めるかと思います。
賭けるのは一回5000ドン~3万ドン(25円~150円)。一発ですぐに勝負がつくものも多く、また大人数でもできるのがいいところ。ルールはベトナム人全員が知っているし、親も子供もお金がかかると真剣そのもの。ベトナム人にとっての数少ない娯楽の一つとなります。
ベトナム版初詣も。「寺院に参拝」
人口の7割から8割が仏教徒といわれるベトナム。町のあちこちに仏教寺院があり、近隣に暮らす人々が足しげく通う参拝の場所となっています。ベンチで日向ぼっこをしながら談笑したり、子供たちが駆け回る広場があったりと、単なる参拝の場所としてではなく、住民の憩いの広場のようになっているのも、ベトナムならでは。
お正月には日ごろ寺に足を運ばない若者も含めて、多くの人たちが寺院に参拝に向かいます。日本のように人気の寺院には大勢の仏教徒が集まりますし、バスで何時間もかけて有名の寺院に行く人も少なくありません。初詣という概念は日本もベトナムも共通している様子です。
旅行者も楽しめるベトナムのお正月
ベトナムのお正月期間に旅行を計画している人は、少し変わったベトナムの町の様子をうかがうことができるでしょう。
2018年は2月16日にお正月を迎え、その雰囲気はだいたい10日から2週間ほど続きます。まだまだお正月ははじまったばかり。旅行者は是非普段とは違うベトナムを楽しんでいってください。