「ダラット」といえば、作家の林芙美子氏の「浮雲」で舞台となったベトナム中南部の高原地帯です。あまり知名度はありませんが、ホーチミンに住んでいる在住者であれば一度は行ったことがあるほど有名な場所ですし、また近年は日系企業がダラット特有の気候を活かして果物や野菜の栽培などに着手しています。そんなダラットに旅行に訪れたら、どんな滞在をおくるのがいいのでしょうか。まだウェブや雑誌などで収集できる情報は限られているのが現状。
そこで、今回はダラット観光の充実度を上げる一押しポイントをご紹介したいと思います。
1、恋人夫婦であればタンデム自転車は必須
一つの自転車に2つのサドルとペダル。それがタンデム自転車の特徴。日本ではカップル自転車とも呼ばれていて、公園やサイクリングロードで一生懸命こいでいる恋人夫婦をよく見かけますね。このタンデム自転車はダラットの観光名所のあちらこちらに配置されています。ダラット市場周辺でレンタルすれば、スアンフーン湖をサイクリングできますし、愛の盆地・ダティエン湖でも同自転車をレンタルすることができます。大人になったらちょっと気恥ずかしいですが、乗ってみると想像以上に爽快です。
2、スアンフーン湖の湖畔を散歩
スアンフーン湖の面積は大きいので、タンデム自転車でも一周するのはちょっと大変です。ただ、湖畔には屋台やカフェなどがあり、また芝生も広がっているので、ちょっとした散歩にはちょうどいいです。また、中長期滞在している外国人の中には、毎日早朝に湖畔をランニングしている人もいます。早朝のダラットはしんと静まり返り、澄んだ冷たい空気が漂っていてベトナムではないみたい。霧がかった湖は幻想的にさえ映ります。
3、食に徹しよう
ダラットは食の発信地としても知られています。現在ではベトナム全国で食べられる屋台グルメの「バンチャンヌン」は、ここダラットが発祥。さらに猪肉、ウサギ肉、鹿肉といった日本人には食べなれない肉類もダラットではよく食べられています。生春巻きやフォーと言ったベトナム料理の王道から少しはずれて、ダラットならではの郷土料理を楽しむのが、ここでのポイントです。また、筆者の一押しは「アーティチョークの鍋」。ダラットでも扱うお店は少ないので、しらみつぶしに当たってみてください。
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4、ダラットで西洋の風景を探す
探すといっても、それほど難しいわけではありません。もともとダラットはフランス統治時代にフランス人によって開発されたのがはじまり。よって、現在でもキリスト教徒は多いですし、西洋ヴィラが並ぶ一帯を随所に見ることができます。また、カトリック教徒が多いダラットでは、市内中心部には複数の教会があります。ミサの時間になると通りにはみ出すほどの人だかりができますので、そちらも一見の価値があります。
5、ランとビアンの愛の伝説を知ろう
ダラットといえば、ランとビアンの悲恋伝説が残るランビアン山のトレッキングが人気の観光名所。トレッキングが苦手な方は、ジープで麓まで行くことができます。麓ではランとビアンの伝説の像があり、傍ではコホー族が民芸品を売っています。ランとビアンの物語は、ベトナム版ロミオとジュリエットとしていまでも多くの人に語り継がれていますが、実際はコホー族の創生神話となります。
6、コホー族と触れ合おう
ダラットには複数の少数民族が暮らしていますが、その中でも最も観光客に身近なのがコホー族です。先ほど説明したランビアン山の麓にもいますし、同山へ向かう道中にはコホー族の小さな村があります。彼らは習慣も文化も伝統も言語もベトナム人とは異なりますが、自分たちの作る質の高い民芸品を売りにベトナム人や外国人と交流を計っています。ちなみに、他の少数民族の場合は村に立ち入る際は許可が必要なほど厳しいので、専門のツアーデスクに相談してみるといいでしょう。
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7、古きインドシナの時間に浸る
旅行者の中には、絵に描いたような「ベトナムらしさ」の風景や雰囲気を求めにやってくる人もいますが、ダラットではむしろ「ベトナムで感じる西洋らしさ」を求めてみてはいかがでしょうか。古きフランス統治時代にはさまざまな西洋文化がベトナムに入ってきました。いまでもフランス人をはじめ、ダラットに魅了されて移住をした欧米人がいて、彼らは自分たちでバーやカフェを持っていたり、生演奏を披露して客を沸かしていたりします。そんなオールドチックな雰囲気に浸りながら、西洋料理やダラット料理を頬ばる時間は、ダラット滞在で何よりも貴重な時間と体験となるでしょう。
恋人の聖地と言われているが......
ダラットは確かに「花の都」、「恋人の聖地」などと呼ばれたりしていますが、筆者の所管でいえば、楽しみ方さえ知っていれば、一人でも友人同士でもファミリーでも問わず充実した滞在をおくることができるはずです。フランス文化が残る、少し変わったベトナムらしさを体験したい方は、ダラットに訪れてみてはいかがでしょうか。
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