ベトナムで最も発展している町は、言わずと知れた南部ホーチミン。そのホーチミンで近年ブームとなっているものを5つご紹介したいと思います。ちょっとした流行りから新興国としての経済の発展を彷彿とさせるものまで、厳選してご紹介。ベトナムは一昔前までは、東南アジアの中でも所得が伸びず未発展の国でした。年配の方の中にはいまだにベトナム戦争をイメージする人が多いかと思いますが、それも今回の記事を読めばとうに昔のことだということが分かるでしょう。
子供編:ピストバイク
一見変哲のない自転車ですが、こちらが現在ホーチミンを中心に子供たちに大人気。値段も2万円から5万円程度する比較的高価なもので、特に高所得者層の家庭の子供に支持されています。こちらの自転車は日本ではピストバイクと呼ばれる代物で、いわゆるブレーキがなく、逆にペダルを踏んでスピードを止めるタイプとなります。
もともとはアメリカで一世風靡したもので、全盛期は70~80年代。日本でも一時輸入物が入ってきてささやかな注目を浴びましたが、ブームと呼べるものではありませんでした。その理由は、日本の道路交通法ではピストバイクは公道を走ることができないためです。現在では正規にこのピストバイクを販売するお店はなくなりました。ベトナムはまだ道交法の整備が進んでいないため、違法ではないようですね。もし子供たちが遊んでいるのを見かけたら、声をかけて乗らせてもらうのもいいでしょう。
学生編:ウィークエンドマーケット
もともと昔から現在にいたるまで、ベトナムでは屋台が一つのサブカルチャーとして確立されています。毎日開催しているナイトマーケットもありますので、いまさら「週末限定のマーケットなんて流行るの?」という疑問がありましたが、見事に払拭。週末という限定感がベトナム人学生の好奇心を掻き立てたようで、毎週多くの現地人で賑わいます。
現地人に人気のウィークエンドマーケットは下記。
ホアルー競技場:最大規模のウィークエンドマーケット。数百の屋台が並ぶ光景は圧巻。ただし、毎週ではなく定期。聖母マリア教会から徒歩10分から20分程度で行ける近場です。近くには有名大学がいくつかあるため、学生も多く訪れます。
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ギャラクシーグエンユー:ギャラクシーシネマ(映画館)の敷地内にある毎週開催のウィークエンドマーケット。はじまった当初はそれほど人気がありませんでしたが、現在では規模も大きくなり、多くの現地の若者でにぎわっています。ベンタイン市場から徒歩10分程度で行くことができます。
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センスマーケット:9月23日公園内にあるセンスマーケットは2017年の目玉の観光スポットとして評判高い地下ファッションセンター。大規模フードコートやレストランもあり、道路を挟んだ向こうはバックパッカー街。このセンスマーケットの外回りでは毎週末にさまざまなイベントや屋台が出ます。
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大人編:日本食(特に寿司)
日本では戦後早い時代から西洋料理が入ってきました。いまでは子供から大人まで普通にハンバーグやチーズ、マヨネーズにパスタなどあらゆる料理を食べています。しかし、これほど外国食に馴染みがある国もそうそうありません。ベトナムでは近年やっと"外国食を食べる"という概念が浸透してきましたが、まだまだすべてが高いため、中~高所得者層の食べ物であることに変わりありません。一番流行りに敏感の高校生や大学生でも「チーズを食べたことがない」、「ベトナム料理以外を食べたことがない」といった人も特に珍しくありません。
その外国食の中で一番人気が日本食。その中でも寿司は絶大な支持を得ていて、現在日本食はホーチミン中心に250以上、屋台も合わせると500以上あると言われています。屋台ではたこ焼きと寿司が定番。鮮魚を使った寿司よりも、いわゆる巻き寿司系が多いのは衛生面への配慮と仕入れの難しさが考えられます。ただし値段は高めで、普通の大衆食堂で食べる料理の数倍、場合によって10倍以上高いため、ある程度所得が高い人の嗜みとなっています。ちなみに、少し前で日本のとあるレストランで外国人に対して多量のわさびを使ったことでちょっとしたニュースになりましたね。店長さんが飽きれるほど、外国人はなぜかわさびが大好き。ベトナム人も同様で、小皿に多量の醤油、わさび、七味唐辛子を入れてドロドロの液状にして寿司にたっぷりとつけて食べるのが普通。見ているとかなり異様です。
[local, 52]経済編:マンション投資
近年ベトナムでは都心を中心にマンションブームが到来。日本でもバブル期に高級マンションが嘘のように売れましたが、今現在ベトナムがその状況となっています。専門家の間でも意見は分かれるところで、現在ベトナムはバブルの真っただ中で、近いうちにバブルがはじけて日本の後を追うのでは、という意見もあれば、もしかしたらこれが都心の普通の価格帯になるのかもという意見もあります。ホーチミンは1区近隣の2区と7区を中心に高級マンションの建設ラッシュとなっていますが、多くは不動産投資家が買い占めているようです。
現在ではベトナム人富裕層だけではなく、日本、韓国、中国、アメリカといった国々の投資家にも注目されていて、高級マンションの中でもトップクラスのラグジュアリーマンションは彼らによって投機目的で買われています。マンションの価格帯は1500万~2000万円が高級マンションの部類。プール、フィットネスジム、24時間セキュリティなどが普通です。ただし場所によってはゴーストマンションと化しているところもあるので、購入する際は立地を熟考することが必要です。
[local, 552]女性編:ブランド型化粧品
ここ10年で企業勤めのオフィスレディも大分多くなってきました。いわゆるホワイトカラー職であるオフィス勤務の彼女たちの関心は2つ。1つはおいしい食べ物。もう1つは化粧品です。日本人女性にも通じるものがあるのではないでしょうか。化粧品で人気なのはフランス、韓国、日本といったブランド型化粧品。学生や給料がまだ低い女性は韓国ブランドのオフィやフェースショップ、フランスのロレアルパリなどが支持されています。
しかし、経済的な余裕がある女性の間では、資生堂、コーセー、SKⅡ、メナード、肌研といった日本の高級化粧品ブランドが人気。デパートでは依然としてランコムやエスティ―ローダーなどがありますが、実際現地の女性に直接使っている化粧品を聞いてみると、多くの方が上記で挙げたブランドを挙げます。ベトナム人は堀が深いにもかかわらず、濃いめの化粧を好む傾向があり、ナチュラルメイク傾向の日本人と比べるといささかギャップがあるのも興味深いところ。また、メイク技術も発展途上で、外国人がベトナムに来てメイクコンサルタントをして技術向上を図っている背景もあります。
ブームはホーチミンから生まれる
ここで紹介したブームはホーチミンで発生していることですが、それが波紋のように広がって中部や北部でも同様の光景を見ることができるようになります。もし本当の『今』のベトナムを見たいのであれば、ホーチミンへ足を運んでみるといいでしょう。
[local, 557]