ベトナムは日本のように地域によって気候が異なります。北部ハノイは温暖冬季少雨気候、中部ダナンは熱帯モンスーン気候、南部ホーチミンは熱帯サバナ気候というくくり(ケッペン気候区分)となります。目を見張るのは北部は温暖気候で南国ではないということですね。しかし、日本のように明確な四季はないことから、全国を通して乾季と雨季に区分けすることもできます。そして、7月現在は5月からはじまった雨季の真っただ中というわけです。
今回は2017年の7月に旅行される方にとってのベトナムの楽しみ方及びワンポイントアドバイスをご紹介したいと思います。
2017年の雨季は短い?
ベトナムの北部と南部では雨季の入りはほぼ同じで、5月から11月、12月頃までとなります。北部は10月頃から雨季のピークを終え、日本でいう秋に入ります。10月から12月の降水量を比べてみると、南部よりも半分以下に減少します。つまり、7月現時点は雨季の真っただ中となります。例年では6月、7月ともに北部も南部も300mm前後の降水量となるのですが、どうやら今年はちょっと事情が異なる様子です。
2017年7月現時点では、1日晴れる日が多くあります。5月は毎日のように激しい雨が降っていて、雨季に突入した感じが強かったのですが、それから徐々に雨あがりの日が増え、6月中旬以降は雨は夕方と深夜寝静まったころに降る程度に......。ブンタウやムイネーといったアクティブスポットが多いビーチリゾートへ週末旅行に行く人も多いです。例年を見ると少し驚きの日々となります。
それでも傘と雨合羽は必須
とはいえ、何の予兆もなく突然降り出すのがスコールの特徴。雲がない炎天下にもかかわらず、いきなり局地的な豪雨が降ることもあります。そういう場合は大抵数分から数十分で上がりますが、もし雨宿りするところがなければずぶ濡れになってしまいます。長い傘は歩く邪魔になるので、折り畳み傘か雨合羽をバッグに忍ばせておくといいでしょう。路上の屋台でも雨合羽は売っていて、一つ25円から50円程度で買うことができます。ただ、こちらはポリ袋の安物のため、ほぼ一回使い切り。一度脱ぐと破れてしまいます。折り畳み傘は近年コンビニでも買える手軽さになったのは嬉しいですが、500円くらいと少々高いです。
中部地方は7月も引き続き乾季
北部と南部が雨季の最中である一方、乾季がずっと続いているのが中部地方。中部地方は中心にダナンを構え、ホイアン、ミーソン、フエといった世界遺産がある名所を巡ることができ、ダナン自体も近年はビーチリゾートとして人気が高まっています。7月は中部はまだまだ乾季となるのでハイシーズン。雨が降り出すのは8月後半から9月までなので、7月にベトナム旅行を計画している方は、中部を検討してみるのもいいでしょう。
ビーチリゾートもまだまだ間に合う!
2017年の7月はまだまだ晴れ間が多く、ビーチリゾートで海水浴も可能。また途中で雨が降ってきても、スパやホテルライフ、ショッピングなどに計画を変更することもできます。ホーチミンから気軽に行けるのは「ブンタウ」。ホーチミンから最も近いビーチエリアとして在住者に人気の他、近年は日帰りツアーが組まれるようになり、徐々にではありますが旅行者も訪れる第2の観光エリアに発展しつつあります。もともとロシアによる石油発掘で発展した町。現在でもロシア人は多く見かけます。
[local, 30]もう少し遠出を、という人がいれば、おすすめしたいのが「ニャチャン」。中南部に位置するニャチャンはベトナムで最も外国人に人気のビーチリゾートです。近年は5つ星ホテルも多く建つようになりましたので、南国旅行らしい滞在を保証してくれます。また、雨降りの日にはショッピングに最適な「ニャチャンセンター」もありますし、市街地に並び立つスパでパッケージコースを楽しむのもいいでしょう。夜の19時~23時頃は雨が降ることが少ないので、シーサイドレストランでシーフードやカクテルを嗜んで南国時間を満喫することもできます。
[local, 20]もう一つのおすすめスポットが「ムイネー」。ホーチミンから毎日ツアーバスが出ていて、座席タイプが嫌ならば寝台バスも選ぶことができます。ムイネーの魅力はオンザビーチホテル。ホテルは砂浜沿いに建っているので、本当に目と鼻の先にムイネービーチが広がっています。海以外のスポットも遺跡や砂丘などアクティブがメインなので雨に降られるとなかなか行動がしにくいですが、7月現時点であれば滞在の半分以上は晴れの日が続くかと思います。
[local, 302]ハノイよりホーチミンの理由
ホーチミンは年間を通してそれほど月別に気温の変動はありません。しかし、ハノイは別。7月のハノイは猛暑が続き、夏に相当します。それでいて雨季なので湿度が非常に高く、歩いているだけで眼鏡が曇るほど。体にべとっとまとわりつく汗をかくので、汗かきの人にはさらにつらいことでしょう。ホーチミンも湿度は高いのですが、比較的外は涼しく、3月4月の猛暑と比べると過ごしやすい滞在時間が続きます。
最近の雨季の傾向を知って旅をさらに快適に
最近は数十分の突発的豪雨が降るよりは、1時間から3時間ほどかけてじめじめと雨が降り続く傾向にあります。雨季の期間は現地の天気予報をみてもあてにならないので、結局は雨対策をしている人が得をすることになるでしょう。2017年の7月はそれほど雨季らしい連日の雨はいまだないものの、いつ雨が降ってもいいように対策と計画を準備しておくのが得策といえます。
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