2007年までホーチミンでナイトショーとして人気があったアオザイショー。突如閉幕してしまいましたが、10年の歳月を経て2017年に再び開幕。有名ベトナム人デザイナー・シーホアン氏がトータルプロデュースするナイトショーは、アオザイの紹介だけに留まらず、ベトナムの文化、習慣、民族などを音と光、楽器などで再現しています。
子どもから大人まで誰もが楽しめ、息を呑む芸術的な2時間。今回は「シーホアンショー」をご紹介します。
アクセス
場所はホーチミン1区の中心。ドンコイ通りの隣を走っているグエンフエ通りで、中央道路は道幅広い歩行者天国となっています。その右手をサイゴン川方面に歩いていくと見える建物。目印は隣のサイゴンプリンスホテル(旧ダクストンホテル)。建物入ったすぐ左手のエレベーターに乗って上階へ上がると正面に受付が見えます。
注意点は毎夜公演ではなく、月曜、火曜、金曜は低級となります。※2017年4月現時点
また、座席は指定席で前列と後列があります。料金は大して変わりませんので前列をキープしましょう。
上演開始まではアオザイ博物館を見学
同ショーはアオザイ博物館の奥の入り口を抜けたところにあり、シーホアンショーを鑑賞される客は無料でアオザイ博物館も見学することができます。ショーが終わったあとは夜22時過ぎになるので、できれば開始前に見学しましょう。規模は小さく、15分程度で一通り見ることができます。
こちらにはアオザイの原型ともなった農村服から時代ごとに移り変わるアオザイが展示。中北部フエの皇帝が着ていた服も展示されています。また、日本や韓国など諸外国をイメージしたユニークなアオザイなども展示されています。また、雛人形ならぬアオザイ人形も陳列されており、これらはすべて見学するだけではなく購入も可能です。高いものだと10万円以上するものもあります。
ショーを手掛けるシーホアン氏とは
同ショーをトータルプロデュースするシーホアン(Si Hoang)氏。ベトナムだけではなく世界で活躍する超有名デザイナーで、主にアオザイのデザイン、保存、維持、発展に尽力しています。こちらのシーホアン氏は日本とも縁があり、延べ10回以上も来日経験があるとのこと。日本で有名な職人やホンダなど大手企業ともコラボレーションしています。また、毎年開催されるミスベトナム、ミスユニバースのベトナム人モデルの洋服のデザインも手掛けるほど。
そのシーホアン氏は時折ベトナムに戻ったときに同ショーに顔を出すことがあります。その際は記念撮影の時間もあるので、是非一緒に写真を撮ってください。一生ものの思い出になるでしょう。
暗闇の中にさす一筋の光の中で演じる演者たち
ショーは全11の演目からなり、それぞれテーマが異なります。途中MCによる解説もありますが、こちらはベトナムごなので観客は"見る"に徹しましょう。例えば写真上のこちらは一番最初の演目。写真手前に胡坐をかいて座る男性は目が見えない盲目。そこに端正な佇まいをした美しきベトナム美女が暗闇の中から登場。男性の前に寄り添うように寝そべります。
キャストは一貫して言葉を発することなく、音楽と暗闇、光、伝統打楽器などを駆使して表現します。だからこそ目の前で行われる美しい光景がダイナミックに観客の心をわしづかみするのです。
演目間の繋ぎも完璧
演目間のつなぎ目も極々自然。例えば白い学生服のアオザイを纏った女子高生たちが自転車を引いて談笑をしている演目。すると、中央のランウェイに美しいモデルが出現。女子高生たちが彼女を発見して指さして喜々と話しかけ、モデルの彼女は美しく手を振って笑顔を。そして演目はファッションショーへと。
そして御覧のようなファッションショーが始まります。ファッションショーでは昔のアオザイ、流行服、少数民族服、それから現代、近代と異色の服を纏ったモデルたちが次々と登場します。最後は観客の方を向いてにっこりと笑顔とポーズ。
古代まで遡る
写真上のこちらはベトナムの古代人が着ていたとされる服。ベトナム人は自分たちベトナムを「4000年の歴史」を持っていると言います。その後は男性の演者が出現し、ベトナムに3台しかないと言われる石板の打楽器による演奏を披露。華々しくフィナーレに向かいます。
参加型プログラムも 山岳民族~市場
こちらは少数民族の暮らしの一コマ。山岳に暮らす行商の彼女たちが行き交い、物々交換で商品を購入している様子から物語ははじまります。最初は2人からはじまり、徐々に人数が多くなり、辺り一帯が青空市場へと変わります。
すると、キャスト達が次々とランウェイから観客席へ寄ってきて、行商人が観客に食べ物を差し上げます。ここからは観客参加型のプログラムへと移行。手を挙げたり、行商に寄って食べ物を自由に貰ってください。
ちなみにここで食べられるのは屋台や田舎で普段食べているもの。バインミーもあります。写真上のこちらはサツマイモのような食感の食べ物。古くは飢饉や戦時中に食料困難に陥ったときに食べていた非常食です。
また、プログラム中であれば記念撮影も自由。キャストを呼び止めれば撮影にも応じてくれます。
そして、一定時間が経つと、突然雷と雨(スコール)がやって来る音が響き渡り、行商人たちは雨を避けるように舞台袖へ帰っていきます。そして、演目は次へと......。
ホーチミンの夜を華々しく飾るシーホアンショー
時間は20時30から約2時間~2時間30分。大ボリュームで見ごたえがあります。ベトナムの夜を飾るステージとしては申し分なく、きっと思い出に残る時間を満喫することができるでしょう。
<DATA>
名称:シーホアンショー(アオザイショー)Si Hoang Show
住所:2F 77 Nguyen Hue St. Dist.1
時間:20:30~22:30 ※入場は20:00~