雑貨天国と称されるベトナムのホーチミン。ドンコイ通りやパスタ―通り、ベンタイン市場周辺には本当に多くの雑貨店が並んでいます。今回紹介する「ハウス・オブ・サイゴン」は、ベンタイン市場から歩いてすぐのところにある人気の雑貨店。
市場やそこらへんの雑貨店とは一線を画す上質な雑貨土産を手に入れることができます。
アクセス

場所はベンタイン市場から200mほど西へ歩いたところ。通りはレタントン(Le Thanh Ton)通りという道幅の広い目貫通りで、市場の背後を東西に走っています。ハウス・オブ・サイゴンはその通りを歩いていくと右手に見える縦長戸建てのお店です。間口はそれほど広くないので、見落とさないように。住所で番地を追って歩くと、茶色い店名のロゴ看板が見えてきます。
自社工房で生産する高品質の洋服

ハウス・オブ・サイゴンは2階建てのお店で、1階は小物&服飾雑貨、2階はフロアすべてが洋服となります。ハウス・オブ・サイゴンの最大の特徴は、「洋服はすべて自社工房で作っている」ことと、「縫製はすべてハンドメイド」であることです。ベトナムでは古くから縫製は女性の嗜みとして受け継がれていて、手先の器用さは日本人をもしのぐとも言われています。ベトナム人女性が作るハンドメイドの洋服はすべて品質が高くて在住者や旅行者からも評判があります。

そして、もう一つハウス・オブ・サイゴンで洋服を買うべき理由が「高品質の手刺繍」が挙げられます。ベトナムでは日本と同様刺繍文化も古くから根付いていて、こちらを担うのは手先が器用で細やかなタッチができる女性のみと言われています。
機械は一切使わない手刺繍は独特の肌触りと立体感が生まれますが、職人によって品質は天と地の差があると言われています。市場やそこらへんの雑貨店で売っている雑貨刺繍を間近でよく確認してみてください。縫い目の間隔が広かったりバラバラだったり、色糸の数が少ないものは低品質の証。使っているとすぐにほつれてしまいますし、洗濯すると色落ち、色移りしてしまいます。
生地の素材にも店独自のこだわりがある

洋服やバッグといったハンドメイド品には、製造過程だけではなく仕入れる素材自体にも店によるこだわりがあります。例えば洋服はコットンとシルクを主に素材として使用しています。品質のいい100%コットンは通気性が高いため夏場でも涼しげ。さらに静電気が発生しにくため冬場も重宝するほか、多少の汚れならば洗濯で落とすことができる漂白のしやすさもあります。
対してシルクは頬擦りしたくなる肌心地の良さと、人の肌に近い柔らかさがあるため、敏感肌の方でも安心して着ることができる魅力があります。双方ともお値段は多少張り、40万ドンから70万ドン程度が相場ですが、それでも日本で買うよりはずっと安く購入することができます。特にシルク製品には注目してください。
小物&服飾雑貨もレベル高い!

1階は小物と服飾系の雑貨エリア。小物はソープやアロマ、陶磁器に置物といった東南アジアを代表する定番どころが揃っています。服飾系は財布、バッグ、ポーチ、籠などが見どころ。もちろんいずれもハンドメイド品となるので、他では売っていないオリジナルアイテムばかりです。ほかのお店に行って、「こっちの方が安かった!」と残念がることもありません。
ベトナムの歴史と伝統を重んじるなら陶磁器

こちらはベトナムの陶磁器。ベトナムの陶磁器は古くから技術は伝えられ、一般庶民から皇族、諸外国への朝貢、交易品として重宝されていました。バッチャン村で作られるバッチャン焼きは現在でもお土産として注目されていますね。
その陶磁器はフランス統治の影響もあって、自由性が尊重され、他の国にはない色使い、デザイン、絵柄などが特徴的です。陶磁器の定番といえば小物入れですが、よく言われるのが「何に使えばいいか分からない」、「何を入れればいいの?」という実用面での質問。しかし、それこそが"雑貨"なのではないでしょうか。使用用途は人それぞれ。十人十色に姿を変えるのがベトナム雑貨の本質だと思います。
実は世界で有名なベトナム茶葉

実はベトナムはコーヒーだけではなく、お茶の生産大国でもあり、年間の生産高は日本よりも高いのはご存知でしたか。現在では105か国以上の国に輸出されていますが、いまいちピンとこない方もいるかもしれませんね。ベトナムは元来お茶文化が根付いていますが、なかなか品質が上がらないため、外国への輸出ではブレンド茶として使われているのが現状。ただし、最近は品質が高い高級茶葉が出回り、一部ではベトナム人だけではなく、こうして外国人旅行者向けにも販売されています。
写真のこちらはいま流行りの生産農家の顔イラストがプリントされている高級茶葉。日本人には非常に身近なお茶なので、是非味比べに買ってみてください。
王道アロマグッズも欠かせない

東南アジアといえばアロマやフルーツの香りがするろうそくや石鹸などをイメージする人も多いかと思います。タイ、ラオス、カンボジア、マレーシア、シンガポール、インドネシアとどこでも売っている旅行者向けのお土産の大定番ですね。ベトナムでももちろん売っていて、種類も多めです。おすすめはレモングラスのような柑橘系の爽やかな香り。
また、キャンドルは意外と長く使うことができるので、部屋のインテリアやムードを変えたいときに活躍してくれます。

ヘンプ、シーグラス、カンバスといった丈夫な材質を素材にしたバッグ、ポーチ、財布もハウス・オブ・サイゴンのおすすめ雑貨の一つ。機能性もシンプルながら高く、ちょっとそこまで、といったお出かけに最適なものばかり。こちらも刺繍に注目して、自分に合った絵柄を選んでみてはどうでしょうか。

こちらはIpadを入れる袋。サイズもあるので、お手持ちのタブレット端末を実際入れてみて入るかどうか確かめてください。素材はヘンプとカンバスがあり、いずれもしっかりとしていて長持ちします。刺繍は目立ちすぎないワンポイントなのが特徴。さりげないお洒落がいいですね。Sサイズは49万ドン、Mサイズは59万ドンと2500~3000円程度。自分用のお土産としていいかもしれません。
ハウス・オブ・サイゴンは2017年以前はベンタイン市場のすぐ裏手にあり、そこから移転しました。品揃えを絞って高品質のものを取り揃えているので、どれもはずれがないのがいいですね。
<DATA>
名称:ハウス・オブ・サイゴン(House Of Saigon)
住所:258 Le Thanh Ton St. Dist.1
営業時間:9:00~21:00
予算:洋服 60万ドン~、プラカゴ 44万ドン~、iPadポーチ 39万ドン~、カンバスの財布 29万ドン~