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ムイネー旅行前に、ファンティエットののどかな町並みに癒される

砂丘で有名のリゾート地帯ムイネーは、ファンティエットというエリア内にあります。ただし、旅行者にとってはムイネーとファンティエットは別エリアとしてみなされていて、ムイネーはリゾート地帯、ファンティエットは田舎風情が残る素朴な町と区別されています。今回紹介するのはムイネーではなくファンティエットの町。ホーチミンからムイネーに行く道中に立ち寄ることができますし、ムイネーは目と鼻の先。ムイネーに行く前に、ちょっとだけ小休止してみてはいかがでしょうか。

アクセス

CIMG2606.jpgのどかな風景が続く

ホーチミンから長距離バスに乗って、約5時間、渋滞していても6時間以内には到着します。ホーチミン発の長距離バスは、いずれもここファンティエットの町で一度停車します。これはファンティエットに帰省するベトナム人やバックパッカーで立ち寄る欧米人が多いため。ファンティエットからムイネーまでは30分程度なので、ファンティエットでいったん下りて散策し、飽きたらタクシーを捕まえてムイネーまで行くのもいいでしょう。

ヌクマムの産地として有名なファンティエット

CIMG2579.jpg最近はファンティエット初となるナイトマーケットもできた

ファンティエットといえば、ベトナム人にとってはフーコック島に注ぐヌクマムの特産地として認知されています。ホーチミンやハノイといった都心のスーパーでも必ず取り扱っていて、ヌクマムの瓶には必ずファンティエットという文字が記載されています。ファンティエットのヌクマムは品質と香りが高いと評判で、特に濃度40度以上のものが高品質とされ人気があります。ホーチミンのスーパーでも気軽に手に入りますが、本場のファンティエットで手に入れるのもいいでしょう。町を歩いていると、ヌクマムの写真看板がありますので、そこが専門店で買うことができます。

IMG_7319.jpg大きな看板にあるNgoc Haはオーナーの名前。

ファンティエットの町を歩いていると、ホーチミンやハノイと異なりかなり静かであることに気づきます。バイクや車の通りはまばらで、ときおり自転車に乗った白いアオザイ少女が駆けていく。そんな風景と時間が淡々と続いています。コンビニもなければショッピングセンターもありません。人々は毎日市場で買い物をして、日用品などはご覧のようなタップホアと呼ばれる個人経営の小規模商店で調達します。このタップホアは全国どこでも見かけることができ、現在でも現役で活躍しています。コンビニやスーパーができてから徐々に減ってはいるようですが、ベトナム人にとってはコンビニよりも立ち寄りやすく、また便利だそうです。

IMG_5033.jpg大量のブン

こちらはブン。フォーと同じく米粉から作った麺です。実はベトナム人にとってはフォーよりもブンの方が食べる機会が多く、実際のところブンが国民食となります。ブンはさまざまな料理の素材として活かすことができるので、フォーよりも使う頻度は高いです。生春巻きに入れるのもブンですし、鍋に入れるのもブン。レパートリーは数十あるので、旅行中は幾度となく食べることになるかと思います。そのたびに、「ベトナムの一番の名物はフォーじゃなくてブンなんだ」と思い返してください。

穏やかな時間が流れる午後の様子

CIMG2602.jpg気楽なおじさんたち。午後の様子

日本の将棋のような盤ゲームに夢中のおじさんたち。ファンティエットの町のど真ん中でもこのような光景を至るところで見ることができます。プラスティックのテーブル椅子がベトナムの定番。道端の露店のいいところは、デリバリーができるということ。この露店を仕切っているおばちゃんは、コーヒーやジュースしか扱っていませんでしたが、もしお客さんが「お腹空いたー」といえば、近くの食堂や屋台から料理を運んできてくれます。

CIMG2599.jpg夫婦二人で経営している小さな食堂

早速おじさん連中が料理を注文しました。おばちゃんのあとをついていったら、ご覧のような町角で営業している小さな食堂にたどり着き、そこで料理を依頼。訊いてみたところ、二人は家族ではなく古くからの友達らしいです。

CIMG2595.jpgこの食堂は丸太麺のブンを使っている様子

出てきたのはこちらのブンカー。ブンはブンボーフエと同じ丸太麺を使っていて、具は刻みネギとうずらの卵、そしてチャーカー(Cha Ca)と呼ばれるベトナム風さつまあげです。ニャチャンなど海側地方の名物料理として知られていて、ここファンティエットの町でもブンカーの食堂はたくさんあります。ちなみに一杯1万8000ドン。日本円にして90円くらいだから安いです。

ムイネーへ行く前にちょっと散歩

CIMG2605.jpg橋を越えてさらに30分走るとムイネーに着く

ファンティエットの町中を散歩するだけなら、30分もあれば十分です。ただし、下町風情漂う町に時間を忘れるように溶け込みたいのであれば、一泊するのもいいかもしれません。同じような想いのバックパッカーも多いようで、町中にはいたるところにゲストハウスが点在しています。予約なしで当日行っても宿に困ることはありません。こういった異国の田舎の中で生活するのほほん旅も、ある種のリゾートともいえると思いませんか。

[local, 628, 302, 24]

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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