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ホーチミンとは思えない?自然が広がる7区のフーミンフン

ホーチミン1区から南方に行くと、7区と呼ばれる区域に入ります。一昔前までは沼地の大地で治安も悪く、誰も寄り付かない町でしたが、現在は高級マンションやビラが建ち並ぶ、ベトナム人富裕層と在住外国人のための高級住宅街として街づくりがされています。近年は旅行者の姿もよく見かけるようになり、1区の喧噪とまるで異なる、自然が広がる静かな観光散策を楽しんでいる様子が見受けられます。

今回は7区のフーミンフンをご紹介します。

アクセス

IMG_3333.jpg緑が続く。子供たちも走り回っている

位置からご説明すると、7区は1区の南方。1区のベンタイン市場を南にずっと下っていくと、運河に架かる橋が2つあります。1つ越えると4区が見え、2つ目を越えると7区となります。フーミンフンとは7区の中にある高級住宅街の地名です。2000年代初めにかけて1区と5区から7区に繋がる複数の橋が完成したことによって、フーミンフンは急速に発展を遂げて、現在ベトナム人にとっては7区に住むことは所謂人生の成功の証ともみなされています。

所要時間はベンタイン市場や市民劇場からタクシーに乗って約20分程度。フーミンフンといっても面積は大きいので、ショッピングセンターや通りの名前など何かしら目的地を考えておかなければ、タクシーの運転手も困ってしまいます。

高級住宅街の「フーミンフン」

CIMG1073.jpg戸建は日本人でもなかなか手が出ないほどの高額物件

フーミンフンはホーチミンにビジネスで来た駐在員たちが多く暮らしています。欧米人よりはアジア人が多く、韓国人、日本人、中国人、マレーシア人、シンガポール人が主。一部ではコリアンタウンと呼ばれているように、いたるところに韓国語の看板や韓国料理レストランがあるのが特徴です。サイゴン川に続く運河に囲まれたフーミンフン内は、ホーチミンに暮らすベトナム人なら誰もが高級マンションがずらりと並んでいるほか、戸建も充実しています。24時間のセキュリティかつバイクや車通りも少ないため、子供を自由に遊ばせることもできます。

ただし、高級マンションも天井知らずで値上がりを続け、現在では2部屋70平米で約1500万円以上から。戸建ては安くても3千万円を下りません。高いものだと1億以上の物件もあります。日本でいう青山に住む感覚なのでしょうかね......。

DSCN5420.jpgお馴染みのバイクの修理屋もフーミンフンではほとんど見かけない

こんなベトナムらしい光景もフーミンフンではあまり見かけることができません。新興国では決まって高級住宅街と一般住宅街の両地域は明確に異なる町作りがされています。同じ7区内でも、フーミンフン以外は、現在でも低所得者が暮らす町として知られています。ベトナム人にとってはフーミンフンに住むことが一つの夢であると同時に、光と影が浮き彫りになっているようにも見受けられます。

週末バザーも活気立つ

CIMG2290.jpgプロの経営者から学生の出店も多い

フーミンフン南部のクレセントモールという大型ショッピングモール付近では定期的にバザーを開催しています。アパレル店だけではなく、学生たちが自分で作った洋服やオーガニックソープ、アクセサリーなどを売っている様子も見れらます。ほとんどが若者たちで、ちょっとした学園祭ムード。訊いてみると、近隣の大学に通う学生たちが多かったです。

CIMG2292.jpg気になったら手に取ってみよう

どれもハンドメイドなので、他のお店では売っていないオリジナルアイテムばかり。それがバザーの魅力でもあります。キュートなベトナム雑貨を求めている旅行者は、こういったバザーに参加するといいかもしれませんね。クオリティはドンコイに並ぶお店にはかなわないかもしれませんが、ベトナム人の彼らが一つ一つ一生懸命作ったアクセサリーには、何よりも気持ちがこもっています。

クレセントモールは恋人ファミリーの憩いのスポット

IMG_9929.jpgレストランやバーが並び、景色もいい

クレセントモールはフーミンフンでは一番大規模のショッピングセンターです。高級ブランドからカジュアルメーカーまで化粧品とアパレルショップが入っているほか、シネマ、フードコートなどエンターテイメントもあります。

CIMG2301.jpg近代的なショッピングセンター内

ロの字のフロア構成で、下から上まで吹き抜けなのは近年ホーチミンのショッピングセンターで見られる定番の構造。週末は多くの現地人で賑わいます。旅行者がフーミンフンを散歩するのであれば、クレセントモールは小休止の場所としておすすめです。また、時間帯は夕暮れ時がいいでしょう。クレセントモール周辺は日が落ちてくると、恋人や子供連れのファミリーが集うちょっとしたスポットへと変わっていきます。

IMG_9918.jpg人工滝はイルミネーションが美しい

クレセントモール周辺は遊歩道になっていて、車やバイクの通り抜けができません。安心して通りを歩くことができます。多国籍に富むレストランはタイや韓国、和食などさまざまでビュッフェも人気。夜営業のオープンエアバーもあり、外で飲むカクテルやビールを飲む南国時間も満喫することができます。等間隔に灯る外套は夜になるとロマンティックなムードを漂わせ、現地人のデートスポットとしても人気があります。

旅行者に人気のレストラン「チャムチャーム」

IMG_9723.jpgインドシナチックな外観

コロニアル建築と東南アジアらしさがうまく調和した外観が印象的なこちらは、レストラン「チャムチャーム(Cham Charm)」。先ほどのクレセントモール前の遊歩道を進んでいくとあります。現地人にも認知度が高い夜営業の高級レストランで、複数種類のビュッフェコースを楽しむことができます。予算に応じて食べられる料理が増えていきますので、よく検討して選んでください。

IMG_9691.jpg運河を眺めての食事は異国情緒を感じる

屋内席と屋上のオープン席がありますが、晴れた日ならばオープンエアで夜景を眺めながら食事をとりたいところ。こちらのレストランは、旅行者でもお馴染みの高級アパレルショップ「カイシルク」や、高級ビラでフレンチを楽しめる「オ・マノワール・ドゥ・カイ」と同じ系列。だからこそ高級感を演出する方法を熟知している様子。ベトナム旅行の晩餐にはうってつけのレストランです。

<DATA>

名称:チャムチャーム(Cham Charm)
住所:2 Phan Van Chuong St.Dist.7
営業時間:18:00~21:30

[local, 28] [basic, 250]

著者プロフィール

著者写真

ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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