ベトナムの歩き方は、日本とは少し異なります。日本は地名で住所を調べますが、ベトナムは通りの名前と番地で住所を見つけます。ですので、旅行者が町の地理感覚をつかむためにまず最初に覚えなければならないのは、『道の名前』となります。
今回紹介するリートゥチョン(Ly Tu Trong)通りは、ドンコイ通りやレロイ通り、パスター通りといった大通りと比べると存在感は多少劣っていますが、旅行者にとって押さえておくべきメインストリートの一つであることは間違いありません。リートゥチョン通りがどんなエリアなのかをお届けしたいと思います。
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アクセス
リートゥチョン通りは、トンドゥックタン通りを起点にベンタイン市場まで走っているレタントン通りの隣を並行して走っています。トンドゥックタン通り方向では老舗の人気食堂や個人商店が並び、ベンタイン市場方面に行くほど観光色が強くなってきます。
ベンタイン市場裏手周辺はホテルやレストラン、雑貨にスパが隙間なく並んでいて、市場までは徒歩最短3分という好立地。
端から端まで歩くのはかなり体力が必要ですので、番地によってはタクシーを使うのもいいでしょう。また、ベンタイン市場周辺は一方通行となっているので、タクシーを捕まえる際は、方向もきちんと確認しておくことが肝要です。
中級レベルのホテルが並ぶ
サンライズホテル、A&EMホテル、シルバーランドといった2つ~4つ星の中級ホテルが並んでいます。料金の相場は100万ドン前後。ベンタイン市場に近いですし、周辺は歩いて行けるスパやレストランが多いので、立地は抜群となります。
これらのホテルからドンコイ通りや聖母マリア教会までは徒歩15分、統一会堂や戦争証跡博物館までは徒歩10分程度で行くことができます。旅行客の宿泊エリアはドンコイ周辺とベンタイン市場周辺が人気ですが、後者を選んだ方は、このリートゥチョン通り沿いに並ぶホテルをピンポイントで探してみるのもおすすめできます。
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旅行者が行き交う中で散策を
リートゥーチョン通りの魅力は、ベトナムらしさを感じることができるところです。ドンコイ通りはいわば観光客のために作られた通り。プチパリという点ではお洒落ですが、ベトナムらしいかと言われれば疑問です。リートゥチョン通りは現地人の生活風景をのぞけると同時に、旅行者向けのお店も多数並んでいます。
大通りから一本路地に入ると、ベトナムらしいローカルチックな時間が流れています。並んでいる屋台はそれぞれ売っているものが異なり、ベトナムグルメがずらり。プラスティックの椅子に腰かけて、昼間からビールを飲むおじさんたちもよく見かけます。ベトナムの路地では、こうした素朴な人々の生活風景をのぞくことができます。路地奥は一般的に住宅が並び、大通り沿いには店が建つのがベトナムでは普通。
屋台は早朝や昼頃に賑わい、この路地も赤色の椅子で埋まるほど。屋台食に興味がある方は、路地先を探してみるのがいいかもしれません。レストランのメニューにはない料理もたくさん見つけることができるでしょう。
服飾ショップはベトナムファッション
この通りでホテル以外に目につくのがアパレルショップの多さ。ホーチミンの中心にはアパレルショップが並ぶ通りがいくつかあり、旅行者に人気どころはグエンチャイ通りとここリートゥチョン通り。
グエンチャイ通りは比較的リーズナブルでティーンエイジャー向けのショップが並ぶ一方、リートゥチョン通りではハイセンスな衣類を扱う店が多い印象です。いずれの店も生地はフランスやイタリアから輸入して、ベトナム人デザイナーがデザインをてがけていることが多いため、品質は問題ありません。
お洒落好きの女性の中には、ベトナムファッションに興味がある方もいることでしょう。そんな方はウインドウショッピングでもかまいませんので、お店をのぞいてみてはいかがでしょうか。
スパ&マッサージも欠かせない
スパ&マッサージが多いのもリートゥチョン通りの特徴です。町の中心から外れたマッサージ店は盗みを働いたり、おざなりなマッサージをする悪質な従業員が多いので、店選びに失敗したくないのであれば、ドンコイ通りやここのような町の中心に並ぶ店を利用するのがおすすめです。
リートゥチョン通りに並ぶマッサージ店は客層のほとんどは旅行者ながら、良心的な価格が魅力です。それでいて東南アジアらしい雰囲気も演出してくれていて、セラピストの腕も悪くありません。この通り沿いのお店で悪質な被害にあったという報告は筆者の知る限り見受けられませんので、ドンコイエリアのスパ&マッサージ店しか確認していない方にとっては穴場かもしれません。
格安ベトナム料理に舌鼓
この通りにはドンコイ通りやグエンフエ通りのような洒落たベトナム料理レストランはほとんどなく、並ぶのは近隣で働くベトナム人ビジネスパーソンがランチに通うようなリーズナブルな小規模レストランのみ。
ただし、最近はベンタイン市場周辺を中心に外資参入も目立ってきて、日本料理店はフランス料理店も出店してきました。日系ではアジア展開している「Sushi tei」や「丸亀製麺」などが大規模店舗を構えています。
町を歩いていると、いたるところに見かける『Com Tam』の看板。コムタムとは、お米を3分の1程度に砕いたライスで、骨付き豚肉がのっているのが定番。ローカル食堂で食べれば一皿2万ドン程度ですが、衛生面が心配という方は、レストランで5万ドン程度で食べることができます。ここリートゥチョン通りにもコムタムを出す小規模レストランがいくつかありますので、挑戦してみてはいかがでしょうか。コムタムはローカル飯となるので、ドンコイエリアにある小洒落たレストランではまず食べることはできません。
ベンタイン市場~市民劇場間の散歩に
今回紹介したリートゥチョン通りは、旅行者であれば一度は歩いてほしいところ。例えば市民劇場からベンタイン市場まではレタントン通りで行き、ベンタイン市場から市民劇場まではリートゥチョン通りを利用するといったルートはいかがでしょうか。ベトナムは通りごとに特徴が異なるのが魅力。是非新しい発見をしてみてください。
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