ダラットは中南部に位置する山岳高原地帯。標高1400m以上の山の麓にできた町で、当初はフランス軍の保養地として開拓されました。そのため、西洋の町並みが続き、ロマンティックな景観となっていて旅行者に根強く支持されています。
今回紹介するのはダラット旅行で食べておきたい名物料理です。もちろんフォーや生春巻きといったベトナムの王道料理も食べることはできますが、ベトナムの地方旅行ではその土地の郷土料理なども楽しみたいところ。ベトナムは日本と同じように、その先々に地元名物があります。旅行先では是非地元名物を楽しんでいってください。
名物料理を食べられる場所
もしホーチミンやハノイであれば、こ洒落た外国人向けのレストランに行けば、たいていの名物がそこには揃っています。しかし、ここはダラット。まだまだ外国人客は少ないので、客層は現地人中心。日本のようななんでも揃うファミレスはありませんので、基本は町中の食堂、小さなレストラン、一部のカフェなどで料理を食べることができます。
食堂の場合は扱っているメニューは一品だけの専門店が多いので、ピンポイントで訪ねる必要があります。ダラット市場周辺のレストランやカフェならば、ダラット名物と呼ばれるような料理はいくつかおいてあります。また、屋台でしか食べられないB級グルメもありますので、それは市場周辺で見つけるといいでしょう。
名物その1:バンチャンヌン(Banh Trang Nuong)
最初の一押し名物はこちら。「Banh Trang」とはライスペーパーのこと。「Nuong」とは焼くという意味です。その名の通り、炭火でライスペーパーを焼き、その上に刻み葱や干しエビ、魚肉ソーセージなどを散らした屋台グルメです。現在では全国どこでも屋台で見かける定番ですが、もとはここダラットが発祥と言われています。
そのせいか、ダラットのバンチャンヌンは他で食べるよりも具の量が多いのが特徴。3時のおやつにはちょうどいいでしょう。値段は一枚1万5000ドン~2万5000ドン。のせる具によって変わってきます。最近ベトナムはチーズがブーム。このバンチャンヌンにチーズをふりかけることもできます。
名物その2:アーティチョーク(Artichoke)
太く長い茎にブロッコリーのような葉がついた植物。こちらはアーティチョークと呼ばれるもの。名前は聞いたことあるけど、実際見るのははじめて、という人も多いことでしょう。日本では栽培の気候に適していないので、市場にはほとんど出回っていません。また、お茶文化が古くからあるせいか、アーティチョークを日ごろから健康飲料として飲んでいるという人は滅多にいませんね。ただ、欧米ではアーティチョークは二日酔いや肝臓休め、コレステロール値を下げるといった効果から普段からティーとして飲まれています。
そのアーティチョークはダラットでは紅茶はもちろん、鍋でも食べることができます。鍋で食べられるのは一部のレストランのみなので、もし見つけたら運がいいと試食してみてください。ちなみに、紅茶にしたアーティチョークティーはどこのレストランやカフェでも飲むことができますし、ダラット市場に行けば、ティーバックが売っているので、お土産にも最適です。
名物その3:ダラットワイン(Ruou cua Dalat)
ベトナム産ワインといえばダラットワイン。ベトナム人はみなさん口を揃えてそう言います。ダラット産のワインは品質が高いと評判で、欧米人旅行者もお土産に買っていく姿をよく見かけます。また値段も数百円から1500円程度とお手頃なのも人気の理由。
ダラット市街地ではワイン専門店もあり、保存管理をしっかりしているので買うならこちらがおすすめ。ダラット市場でも多数手に入りますし、値段も安いのですが、ずさんな保存なので、あまりおすすめできません。
名物その4:いちご(Dao)
いちごは冷涼な気候で栽培されるので、熱帯地方に位置するベトナムでは栽培できるのは標高の高いダラットくらいのもの。ホーチミンやハノイのスーパーで売られているいちごも、そのほとんどはダラット産です。ここダラットでは御覧のように屋台でイチゴが買えます。それも格安です。
ただし、普段から品種改良を重ねたおいしいいちごを食べている日本人からすると、ダラットのいちごは酸味が強く、甘みがあまりなく、また味に個体差がかなりあります。ダラットのいちごを食べると、日本のいちごがずば抜けておいしいということが理解できるでしょう。
名物その5:肉類(Thit)
山岳地帯には数多くの野生動物が生息しています。筆者も房総半島の田舎出身なので、森林を車で走っていると野生のシカやイノシシにでくわしたものです。ダラットでもシカ肉、イノシシ肉、ウサギ肉はどれも名物料理として人気があり、バーベキュー、炒め物、鍋などにして食べられています。
「Thit」は肉という意味。シカは「Huu」、イノシシは「Heo rung」、ウサギは「Tho」と綴ります。食べやすいのはシカとイノシシ。ウサギは小さく固い骨があるので食べにくいですが、こ洒落たレストランではシチューの具として重宝されています。そこらへんは西洋チックですね。市街地の多くのレストランやカフェでもメニューにある定番どころなので、3種一通り一度は試食してみるといいでしょう。
ダラットで食べ歩きのポイント
ダラット観光で食べ歩きをしたい方は、レストランよりもカフェ巡りをするといいでしょう。ダラットではなんといっても西洋とベトナムの良き雰囲気が混じった美しい景色が見どころ。また都会のバイクの喧騒もない澄み切った新鮮な空気を吸うこともできます。スアンフーン湖を眺めながら静かな時間をダラット名物をお供に過ごしてみてください。きっと満足度120%の旅行をおくれるはずです。
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