モクバイはタイニン省にあるカンボジアと結ぶ国境です。タイニン省と言えば、ツアーでも人気となっているカオダイ教の総本山がある省です。その総本山よりもさらに北西へ向かったところにあります。そのモクバイ国境を渡る旅行者は非常に多く、外国人バックパッカーからベトナム人ツアー団体客までさまざまな人が行き交います。
今回は、バックパッカーおよび2国間旅行者は必ず知っておいてほしい、モクバイ国境までのアクセスをご紹介します。
2国間周遊旅行者と在住者にはお馴染み
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ベトナムとカンボジアは陸続きで、ベトナム国内にはいくつかの国境があります。その中でもホーチミン旅行者および在住外国人の間で最も人気なのが、モクバイ国境です。インドシナを横断するバックパッカーの多くはこのモクバイからカンボジアに入国し、プノンペン、シュムリアップとバスを走らせ、アンコールワット遺跡に向かいます。
また、在住日本人にとっては、カンボジア側の国境付近にあるホテルが有名。こちらのホテルにはカジノが併設されています。また、観光および商用ビザで入国された方の多くは30日~90日の滞在。それ以上の場合は、一度国外に出なければならないので、その際もホーチミンから一番近いモクバイ国境を利用します。
ツアーバスかローカルバスか......
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モクバイまでの移動手段は、ローカルバスかツアーバスのいずれかとなります。ツアーバスの場合はファングーラオ通りやデタム通り沿いのツアーデスクで手配することができます。有名どころはキムカフェ、シンカフェの2つ。乗客数に応じて大型バスあるいはワゴンタイプとなり、いずれも乗り合いです。
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ただし、国境までならローカルバスでも簡単に行くことができます。もしさらに向こうのプノンペンまで行きたいなら、ツアーバスに参加するといいでしょう。ローカルバスの場合は、ファングーラオ通り沿いに位置する9月23日公園から毎日定時運行しています。ベンタイン市場前のバスターミナルではありませんので注意してください。
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バスは703番という文字がある青い車体を探してください。バスのフロントとバックには始発と終点であるベンタインとモクバイという文字がありますので、こちらも確認しましょう。ローカルバスには青と緑の2タイプがあり、青色のバスは比較的新しいです。冷房もありますので、それほど窮屈な旅にはならないかと思います。
バスは定時に動きますので、まずバスを見つけたら車内で座席に座って待機するか、外で待ちましょう。停車中はエンジンがかかっていないので、ずっと座って待つのはかなりきついです(冷房が効いていないので)。
バス旅を楽しもう
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ローカルバスの場合、バスが動き出したら、じきに添乗員が乗車券を配りにきます。ここからモクバイまでは4万ドン(200円)と格安。運賃を支払い、乗車券を受け取ったらなくさないようにしまっておいてください。たまに乗務員が運賃を支払ったかどうかを確認することがあり、その際はこの乗車券がレシート代わりになります。
モクバイ国境
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ホーチミンからモクバイ国境までは、バスで約2時間半。車内はそれほど混んでいないので、快適に行くことができるかと思います。国境付近になると、荷物を運ぶトラックが縦列していますが、彼らはみんな入国審査を待っているようです。陸路で荷物は輸出入できるのは、島国の日本人からすると非常にありがたいですね。
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また、国境を超える前には商売目的で御覧のように露店がずらりと並んでいます。トラックドライバーが休んでいたり、帰りのバス待ちをしている旅行客の姿がちらほらとうかがえます。ドリンクや軽食を食べることができます。また、付近にはバイクタクシーも多く待ち構えています。すぐ近くのイミグレーションまでバイクで運んでくれますが、十分歩ける距離(徒歩5分くらい)なので、よほど大きい荷物がない限りは無視した方がいいかなと思います。
いざ国境を通過!
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写真上のゲートを越えると、国境の敷地内となります。ベトナム人は東南アジア人ということで、カンボジアへの入国に対してビザは不要ですが、日本人はビザが必要となります。イミグレーション(入国審査)付近では、ビザの申請用紙を窓口で受け取ることができますが、その周辺にはきまって代筆屋がいます。「代わりに申請するよ」と5ドル~10ドルほど手数料を取ります。特に代筆は不要なので、自分で書きましょう。
[local, 459]カンボジア側のバベット国境
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こちらがカンボジアの国境。特徴のないモクバイ国境と比べて、カンボジアは仏教大国らしい装いで雰囲気があります。カンボジアの国境を抜けると、その先には上述したカジノ併設のホテルが見えます。ただ、それ以外は田園地帯が続きます。
バベット国境から首都プノンペンまではバスでさらに3時間かかり、世界遺産のあるシュムリアップまでは、プノンペンから6時間。つまり、この国境からシュムリアップまでは、のべ9時間のバス旅となります。旅行者の多くはプノンペンで一泊するようです。
免税店もある
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ベトナム側、カンボジア側双方に免税店があります。面積は広いですが、正直言うとあまり客はいなく、殺伐としています。ただし、商品は免税なので、ここで化粧品や酒、たばこなどをまとめ買いするベトナム人旅行者も時々見かけます。
ゆるりとバス旅
東南アジア旅行において、路面バスを乗りこなすのは旅の充実度を上げるうえで必須。9月23日公園からモクバイまでは始発と終点なので、余計な気を配らなくていいのが魅力です。特にカンボジアを越える必要もないので、旅行感覚でモクバイまでバス旅を楽しみ、国境を越えずに戻ってくるのもいいでしょう。
[local, 545]