ベトナムには電車がいまだ走っていません。「うそだ、信じられない!」と日本人は言うかもしれませんが、電車はその国の発展の証でもあります。ベトナムでは現在でこそ地下鉄工事をしていますが、まだ完成時期は未定。2016年現時点では運航しているのは長距離列車のみとなります。これも電車ではなく機関車なので、時速はせいぜい70km程度でかなりののろま。
そんなベトナム旅行では市内の移動は専らタクシーとなります。しかし、どんなタクシーでも平等の品質とは限りませんし、運転手の良し悪しもあれば、偽タクシー、白タクシーも走っています。これに乗ってしまうと、とんでもない被害に遭ってしまいますので、事前に予習しておきたいところ。今回はベトナムのタクシー事情をご紹介します。
タクシーは大手2社がおすすめ
ベトナムでは二大タクシーなるものがあります。それぞれ「ビナサン(BINASUN)タクシー」と「マイリン(MAILINH)タクシー」です。この二社のタクシーは信頼できるタクシーとされていて、現地のべトナム人もできればこの二社のどちらかに乗りたいと考えています。
マイリンタクシーは全身緑の車体と、緑と白の車体カラーの両方があります。いずれも小型、セダン、ミニワゴンタイプとあり、若干ではありますが、料金も変わってきます。
タクシーの基本的な見分け方
偽物のタクシーとは、いわゆる正規のタクシーではない車です。悪質な運転手が個人で勝手に商売しているケースがほとんどです。車体に会社のロゴがなかったり、番号の桁が少なかったり、取り外しが簡単に可能なマグネットでロゴを張り付けていたりしています。中にはビナサンやマイリンといった有名なタクシー会社の車体に真似ている偽タクシーもあり、これらの見分け方は、電話番号くらい。現地人でも急いでいるときはひっかかってしまうこともあります。
このような悪質なタクシーに捕まったら厄介。最初は料金交渉をして、それがうまくいかなかったらメーターを倒してくれます。これで旅行者は「メーターならぼったくりの心配がない」と安心して乗ってしまいます。しかし、このメーターは別名ターボメーター。目まぐるしいスピードで料金が上がっていきます。乗る前には必ず車体と社名を確認しなければならないのが、ベトナムタクシーです。
悪質なタクシーにあたってしまったら
ターボメーターや、釣り銭をごまかしたりする運転手にあたってしまった場合は、こちらは臆する必要はありません。相場の料金を支払ったのならば、それで何を言われようが、大声で文句を叫ばれようが気にすることなくその場を立ち去ってください。なんならターボメーターで料金が上がったついでに、警察署まで連れていってもらったり、領事館に電話して指示を仰ぐのもいいでしょう。
[basic, 161]次点で信頼できるタクシー
こちらは「サイゴンツーリスト(SAIGONTOURIST)」。南部ホーチミンで主に走っているタクシーで、ビナサンやマイリンと比べると、それほど量は多くありませんが、市街地中心ではよく見かけることができます。
一方ハノイでは、「ハノイツーリスト(HANOITOURIST)」が幅を利かせています。そのほかシルバーの車体の「ABCタクシー」も信頼できます。
ホーチミンは各名所間は徒歩圏内のところが多いのですが、ハノイはそれぞれが距離が離れているので、タクシーの厄介になる機会も多くなります。タクシーを乗りこなしてこそ、ストレスのない旅行を実践することができます。
メーターではなく交渉をする時はどんなとき?
通常はメーターが往々にして安くなるのですが、長距離移動、もしくは長時間の利用の際は、メーターよりも交渉してチャーターする方が安上がりになることもあります。例えば、市内を半日観光の場合、もしメーターであれば施設を観光している間も回っているので、落ち着いて観光できませんね。また、長距離移動の場合は帰りのことも考えなければなりませんし、何より、市内をこんだけタクシーが走っているのは都市部だけ。メコンデルタや郊外観光に出かけたら、タクシーを見つけるのに苦労することもあるでしょう。そんなときも、やはりチャーターするのが安上がりです。
ただし、運転手で英語が使える人はほとんどいませんので、旅行者にとってチャーターは至難の業。白タクシーの中には英語が使える運転手もいますが、ぼったくられる可能性が大なので遠慮したいところです。チャーターする際は、ベトナム人に交渉してもらうのが一番です。ホテルのスタッフやレストランの店員に交渉してもらうのが一番。そのときは2万ドン程度チップをお礼にわたしてあげてください。
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