海外旅行では、その国のお決まりグルメを制覇したいものです。ベトナムではフォーやバインセオ、生春巻きなどが該当しますが、正直言えばこれらは日本にあるベトナム料理レストランやエスニック系レストランでも食べることができます。
そこで、今回は一つランクを落として、食堂や屋台で食べられるローカルグルメを6つ紹介したいと思います。レストランではなかなか取り扱っていない料理もありますので、見つけたら率先して入ってみましょう。
1 カンチュア
最初はこちら、「カンチュア」です。日本人は毎日食卓に味噌汁が出るように、ベトナム人家庭の食卓には決まってこちらが出ます。「チュア」とは酸っぱいという意味で、文字通りパイナップルやトマトをベースに出汁をとっているので、酸味があるのが特徴です。酸っぱいのが苦手な方だと、ちょっと敬遠しがちですが、慣れてくるとほっとする味に感じるから不思議です。
外国人向けのレストランだと、大きなドンブリに注いででてきて、値段は500円程度。しかし、食堂でご飯を頼めば、基本は無料でついてきます。ベトナム人ならだ誰もが愛するスープなので、旅行者にとってはローカルグルメの登竜門となるでしょう。
2 ブン・ティッ・ヌン
続いてはこちら。ブンはフォーにならぶベトナム人の国民食で、ブンと呼ばれる米粉麺を使用します。ティッ・ヌンは焼肉という意味。つまり、焼肉が具になった米粉麺料理という意味です。
タレは薄めたヌクマムをかけて、箸でかき混ぜて食べます。同じくブンで、揚げ春巻きが具になっているものもあり、そちらは「ブン・チャー・ヨー」と呼ばれています。いずれも代表的な食堂料理で、ブン料理を扱う店であれば、まず間違いなくメニューにあります。その他、即席でできることから、スーパーのフードコートでも定番のメニューです。
3 コム・ガー
中国由来の料理「コム・ガー」も是非食べておきたいところです。
コムはご飯。ガーは鶏という意味。ご飯は鶏の出汁がしっかりと効いているものと、通常の白米のいずれかを選ぶことができるお店も多いです。
具は鶏肉だけという超シンプル料理ですが、専門のローカル食堂では、昼時は多くのベトナム人で賑わいます。鶏肉は大きさによって値段が変わるほか、網焼きした鶏肉や、揚げたもの、タレにつけたものなど、お店のオリジナル料理を楽しめるのも魅力。
一皿150円から200円程度というローカル価格もうれしいです。
4 コム・タム
町のいたるところで「com tam」という看板を見つけることができます。コムタムとは砕きご飯のこと。3分の1程度に砕かれた白米は、タレが良く染み込んで、かきこみやすくておいしいです。写真のこちらはコムスーンと呼ばれる料理で、骨付きの豚肉が一枚のっているシンプル料理。ただし、これこそがベトナム人で最も王道の料理でもあります。
昼時の通りは炭火で焼かれた豚肉の香ばしい香りで満たされています。それは、このコムタム用の肉を焼いているためなのです。
その他、好きな惣菜を自分でチョイスするローカル食堂でも、基本はコムタムが使われています。ローカル度は文句なしの5つ星なので、滞在中一度は召し上がってみてください。見つけるのはそう難しくはないはずです。
5 貝
こちらは貝。屋台でも貝を扱うところがありますが、衛生上最低でも食堂がおすすめです。貝は基本専門店で食べることができます。ベトナム語では「オック」といい、在住日本人の間では、「オックに誘えば、たいていデートしてくれる」と冗談めかしで言われているほど、ベトナム人の女性は貝が好物。
もちろん貝にも種類はたくさんあるほか、調理法もさまざま。ただの網焼きからボイル。レモングラス和え、タマリンド和え、ココナッツジュース和えなど。他のお客さんの食べている皿をみて、おいしそうなものがあったら指さして注文してみるといいでしょう。
6 ヤギ肉
最後は「ヤギ肉」。こちらはレストランでは滅多に見かけないので、ローカル食堂で食べましょう。ベトナム人にとってヤギ肉は牛肉よりも親しみのある料理で、焼肉はもちろん、炒めたり、鍋にしたりして嗜みます。また、ヤギの乳房肉や脳味噌などは珍味ですが、日本人なら舌に合う味なので、是非挑戦してみてください。ベトナム語でヤギは「イェー(De)」。ローカルエリアなら、どこでも見かけることができる下町の定番です。
[local, 284]B級グルメの魅力
今回紹介した6つのB級グルメは、いずれも外国人向けのレストランでは早々食べられないものばかりです。なぜなら、これらはベトナム人にとっては日常すぎる平凡な料理だからです。ただし、外国人にとっては斬新で、中にはガイドブックにも紹介されていないグルメだってあるかと思います。
せっかくベトナムに来たのだから、ここでしか食べられないローカルグルメを堪能していってはいかがでしょうか。
[local, 89, 124]