フエ観光の王道といえば、世界遺産に指定されている阮王朝が建てた歴史的建築物をひたすら巡るのが王道ルートとなります。歴代王朝によって建築物のカラーが異なり、歴史を知っていれば非常に興味深いことが分かりますが、中には「歴史を知らないからあまり興味がない」、「小さな子供が退屈しちゃいそうで心配」、「歩き疲れないかな」といった不安の声も聞こえてきます。
そこで、今回は建築物以外で観光客に人気のマーシャルアーツと線香村をご紹介します。
アクセス
今回紹介するマーシャルアーツと線香村は、市内郊外にあるため個人で自力で行くことは非常に困難です。一般的には市内観光ツアーに参加すると、建築物を巡る道中に立ち寄ることとなります。もし個人で行く場合は、タクシーの運転手に頼むか(知らない場合があります)、ツアーデスクでカスタムメイドをするしかありません。
[local, 238]子供も楽しめるマーシャルアーツを鑑賞
最初にご紹介するマーシャルアーツは、屋内の舞台上で開催される伝統武芸となります。舞台と観客席の距離は非常に近いたいめ、演者の熱気を間近で感じることができます。
演目は全部で10近くあり、そのすべてが迫力ある迫真に迫る演技です。最初は日本でもお馴染みの獅子舞を披露。フエの阮朝時代は大きく分けて宗主国が中国の時代とフランスの時代に分けることができます。その多くは中国時代を送っていたため、現在でも御覧のような中国文化を引き継いでいるのが分かります。
マーシャルアーツとは武芸という意味。1人から2人、3人で次々と舞踊のような殺陣を披露してくれます。一歩間違えれば大けがするような危険な行為であるものの、彼らは決して力をゆるめません。
王朝時代は、王をはじめとした皇族たちが武芸を王宮にて鑑賞していたとされています。実際当時にどんな武芸だったのかは定かではありませんが、時代の変遷とともに文化の原型を保ちながらもエンターテイメント化したのが、このマーシャルアーツとなります。
槍を喉元に当てながら、背中にはコンクリートを置き、4人の演者がそれぞれ攻撃。コンクリートはハンマーで砕かれ、槍は喉の力に負けてへし曲がり、もはや達人の粋と言えるでしょう。子供も終始大興奮するマーシャルアーツです。
のどかな空気を感じる線香村へ
続いてご紹介するのは線香村です。複雑な道をくぐり抜けた先にある一本道の両脇には、合計10軒以上のお店が軒を連ねています。ここは英語では「Conical Hat Making&Incense Making Village」と紹介されているように、ノンラ―と線香を制作している村となります。
ノンラ―はベトナム伝統の菅笠で、三角帽子の独特の形状は長い時間田畑で働いていても汗で頭が蒸れないように設計された先人の工夫です。ベトナムではノンラ―は全国で作られていますが、なぜかフエで作られるノンラ―は知名度があり、ベトナム人に聞いてみても、「フエが特産だよね」という応えが返ってきます。
ここで特に有名なのが線香です。ベトナム人の8割は仏教徒と言われていて、町中の都心郊外関わらず、どこでも仏教寺院はみることができますね。熱心な仏教徒が供え物を持って参拝に行く様子はベトナムでは普通。その際に必ず必要なのが線香です。
1年のうちに最も線香が消費されるのが旧正月。毎年その時期にはこの村は線香制作一色になり、テレビでもその様子は放送されます。ここで作った良質な線香はベトナム全国に出荷されます。小さな村ではありますが、ベトナム人の多くがここを知っているようです。
線香は自宅で炊けば日本に居ながらにしてベトナムの香りを感じることができます。ノンラ―はさすが日本で着用することは難しいですが、部屋に飾っておけば南国インテリアとしてお洒落ですね。その他にも絵画やバッグ、ポーチ、置物といった通常のベトナム雑貨を扱うお店もいくつかあります。フエ市内にはあまり雑貨ショップがありませんので、滞在時間が短い方はここである程度揃えるのもいいかもしれませんね。
フエの特産を知ろう
ここで紹介したように、ノンラ―と線香はベトナム人が認めるフエの特産。お土産に是非買っていってください。さらにベトナムの阮王朝時代に王族が鑑賞していたマーシャルアーツは、フエ独自の歴史文化が観光用に発達したと言えます。フエの歴史の断片を知る上でも、一度体験してみてください。
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