ホーチミンの観光エリアの中心にある埠頭。地元住民からは「バクダン埠頭」と親しまれている場所で、主に旅行及び観光商船が停泊しています。この埠頭には複数社のディナークルーズ船が毎夜定刻に就航していますが、今回紹介するのは「ベンゲー号」。
他のクルーズ船と異なり予約なしで乗船できるので、ふと思い立ったときに行くことができる気軽さがあります。
アクセス
外観。魚の形をしているベンゲー号は毎夜20時に4区埠頭にして就航。4区といっても1区の隣で、ドンコイ通りから徒歩20分程度。タクシーで5分で行くことができます。ホーチミン博物館の隣にあるのでわかりやすいです。ここには複数社のクルーズ船が停泊していますが、ベンゲー号は埠頭先端のセキュリティを抜け右へ曲がった先にあります。
ベンゲー号への乗船は予約不要で誰でも楽しむことができますが、1人3万5000ドンの乗船料がかかり、これは船上ディナー時の請求書に加算されます。乗船料と言っても日本円でわずか170円程度。格安ですね。
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夜店は少なめだが雰囲気は楽しめるベンゲー号に行く道には御覧のようなちょっとした夜店も出ています。ただし数は少ないのでナイトマーケットと呼べるものではありません。ただ洋服やバッグ、ズボンにアクセサリーといった服飾雑貨のお店が並んでいて、滞在時間の少ない観光客が立ち寄って買っていくようです。
日本人旅行客の姿もちらほら見かけます。ホーチミン発日本の羽田成田行きで深夜便を利用する人が多く、ベンゲー号を最後の晩餐にして、終了後そのまま空港へ向かう旅行者の方々です。ホーチミン最後の夜をナイトマーケットではなくベンゲー号を選んだ方は、ここで雰囲気でも楽しんでいかれるといいでしょう。
大型客船に乗って豪華ディナークルーズ！
船内席で食事をとるので雨の日も心配いらないベンゲー号はおそらくサイゴン川周遊クルーズ船の中では最大規模の大きさ。デッキは2つあり、乗船して最初に広がる船内席は予約者。予約者の場合はコース料理を楽しめるようです。そして階段を上がったメインデッキに相当する広い席が、みなさんが座るデッキとなります。全席自由席なので、なるべく早く乗船して川を眺められる両舷側の席を確保するのをおすすめします。
ベンゲー号は毎夜20時就航ですが、10分程度はよく遅れます。あまり早く乗船して料理を注文してしまうと、船が動きだす前に料理を食べ終わってしまうこともあるので、料理の注文のタイミングは少し重要となります。また、動き出す前もステージにて伝統音楽の生演奏がはじまります。
サイゴン川の夜景を愛でる
他の客船もだいたい同時刻に就航するベンゲー号はここサイゴン川を周回します。ある程度進んだら折り返して埠頭に戻って来るので、右舷、左舷双方とも同じ夜景を楽しむことができるのは魅力ですね。船が行き交うときのボーッという汽笛の音、雄大な夜のサイゴン川、そして傍らに聳えたつ高層ビルやマンション、イルミネーションが美しいホテルやショッピングセンターといった建物群、などなどホーチミンのシティ＆リバービューをじっくりと堪能することができます。
大都会ホーチミンという言葉がしっくりくる景色ホーチミンはここ10年から20年で見違えるほど都市化に成功しました。1986年にドイモイ政策が開始され市場が民間と外国に向けて開放。これまでの社会主義政策から一転した大転換期でした。現在は社会主義国であることを忘れるほど。日本を含む外資企業が次々と参入し、毎年のように大型ショッピングセンターやプール付きの高級マンションが市内に建ち、人々はディスコやビルの屋上の高級スカイバーで一杯1000円のカクテルに酔う。そんなバブルを彷彿とさせる時代が到来しています。発展途上国の光と影、酸いも甘いも滞在中に体感することができるでしょう。
シーフードからベトナム料理まで充実のディナー
川魚のフリッター。オレンジソース添えゆうに100種を超えるメニューはサラダ、麺、ご飯、野菜、魚介、肉と充実しています。肉料理だけでも牛、豚、鶏、ヤギ、アヒル、蛙、ワニ、ダチョウなど珍味とも呼べるものもありまう。ここで食べたいのはオーソドックスのベトナム料理と魚介。ベトナム料理は揚げ春巻き、生春巻きのほか、ベトナムチャーハンやパパイヤサラダ、マンゴーサラダなどがおすすめ。魚介は魚をメインにカニ、エビ、貝などがあります。カニとエビは市場価格なので高め。魚は川魚であれば基本は安く一匹丸ごと調理してもらって1500円以内で食べることができます。2人から4人ほどのボリュームがあります。ただ匂いにクセがあるので、蒸し焼きよりはフリッターで食べるのがおすすめです。
バラエティに富んだステージ上イベント
ショーの種類は多彩周遊中に開催されるイベントは多彩で、定期的に演目も変わります。数年前まではファイヤーダンスがベンゲー号の人気イベントでしたが、現在は変わっている様子。筆者が乗船したときは、日本の有名歌手のディナーショーのように舞台上の歌手が下りてきて客席まで寄ってきたり、有名の歌を唄って客にマイクを渡したりしていました。
女性による大胆マジックショー。こちらに映っている女性は、最初はダークスーツに黒ハットをかぶり、スリラーの曲とともにマイケルジャクソンのダンスをしていました。すると突然服を脱ぎ捨て、ナイフを口にくわえてグラスを......驚くばかりのマジックショーに客席一同拍手喝采。
こんな時間が約1時間～1時間半にわたって続きます。料理に舌鼓を打ちながらショーを鑑賞するのもいいですし、甲板に出て夜景を愛でるのもロマンティックです。船は再び埠頭に戻ってきて舷梯がかかったのち、下船＆解散となります。
ホーチミンの夜の記念にいかが
一人当たりの予算は30～40万ドン程度。日本円で1500～2000円なのでそれほど高くはありませんね。他のクルーズ船だと予約が必要のほか、料理もコースとなるので自分で選べないデメリットがあります。客席は非常に多いので、直前に行っても席に座ることができるのも魅力の一つ。今夜のホーチミンの過ごし方をまだ決めていない方は、ベンゲー号を頼りに埠頭に向かってみてはいかがでしょうか。
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