ホーチミンに暮らす在住日本人は7000~1万人といわれています。その多くの人たちは、まずベトナム語を学ぶことから移住生活ははじまります。ではどこでベトナム語を学ぶのでしょうか。大きく分けて3つあり、1つは語学塾、2つ目は師範大学、そして3つ目が今回紹介する人文社会科学大学となります。語学塾の場合は日本語ができるベトナム人が講師に当たるのですが、料金は高くなります。そして、師範大学と人文社会科学大学は現地人にとっては同列偏差値の大学で、ともに語学系に強い学校。しかし、師範大学の教材は人文社会科学大学のものをコピーしているため、多くの日本人は本家である人文社会科学大学でベトナム語を学習します。
今回は、学生と在住外国人が通う人文社会科学大学をご紹介したいと思います。
アクセス
人文社会科学大学(以下人文大学)は、レーユアン通りとディンティンホアン通りの角に面している大きな校舎です。隣はテレビ局、正面は理系の大学となります。レーユアン通りは聖母マリア教会の裏を通る道で、大学を越えてさらに進んだ突き当りには動植物公園があります。
人文大学の正面には日系のコンビニ・ミニストップもあります。ほかの店舗よりも規模は大きく作られていて、1日中学生が溜まっています。近年はコンビニラッシュでミニストップだけではなくファミリーマート、ビーンズショップといった外資コンビニの参入が相次いでいます。ただ、学生の若い子たちに一番の人気はイートインが広く設けられているミニストップのようです。
キャンパスにはベトナム学生の姿が
キャンパスはそれほど広くありません。正門入ってすぐ正面に広い休憩スペースがあり、そこのベンチで学生たちがお弁当を食べたり待ち合わせをしたり、友達同士で談笑している光景を見ることができます。
また、このスペースでは定期的に展示会も開催します。絵画展や写真展、ブックフェアといったイベントが主。ベトナムでは御覧のように各地で開催されるイベントに、しばしばブックフェアがあります。聖母マリア教会傍にはブックストリートもありますので、気になる方はそちらも是非。
[local, 268]食堂に潜入!
こちらは「カンティン」と呼ばれる学生食堂。ワンフロアの簡素なスペースですが、昼時になると多くの学生がここを利用します。フォーやフーティウ、ブンボーフエといった麺料理の種類が多く、値段は大体100円~150円程度。ベトナムは毎年インフレが続いていて、5年前は100円以下で食べることができたほど。
部外者も利用できることはできますが、昼時は混雑していて食券を売るおばちゃんに無視されるかもしれません。昼時を外した方がゆっくりと選ぶことができます。
学校のような校舎
正面休憩スペース左の校舎に学生が学習する教室が並んでいます。大学の講義のシステムは日本とほぼ同様ですが、ベトナムの大学はユニバーシティではなくカレッジの要素が強く、人文大学は語学系の大学に属します。第一言語、第二言語を専攻して卒業までに必要単位を取得するのは日本の学生と同じ。
ただし、日本のように全員が揃って3月に卒業式を挙げるわけではなく、大学、学部によって卒業式の時期は異なり、それもたいてい自分で選ぶことができます。基本は3月、6月、9月、1月のいずれかの卒業式に出席し、無事大学の全過程を修了します。大学4年次になると、ほとんどの学生は単位を取得し終えるため、卒業式前から社会人として企業で働くのが一般的です。
こちらが卒業式の一コマ。人文大学ではオレンジのカーディガンに黒ハットのアカデミックドレスとなりますが、大学によってカーディガンの色は変わります。ただし、ほとんどの大学ではこのように英国式の服装を纏うことになります。ちなみに服と帽子は大学から無料で借りることができます。
自習スペースで友達作り
最後に紹介するこちらは自習スペース。ここでベトナム人の学生もベトナム語を学習する外国人もみんな一緒になって勉強に励みます。この奥にある階段を上がると、ベトナム語を学習する教室に行くことができます。外国人は平日の朝、もしくは夜間部を選ぶことができ、いずれも講師は英語による説明。レベル別にランク分けされており世界各国から来た在住外国人がここで勉強しているので、ベトナム人だけではなく外国人の友達が欲しい方もここで交流を深めることができます。
人文大学で勉強を
人文大学では300人以上の学生が日本語を学んでいて、英語に次ぐ人気の言語です。日本人であるというだけでも友達作りは非常に捗るので、是非皆さんもベトナム語をかじってみてはいかがでしょうか。
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