ベトナムは長らく他国からの支配を受け続けていました。中国、フランス、そして日本です。今回紹介する「ハノイ大教会」はその中でフランスの支配下に置かれていたときの歴史的建造物です。現在ではハノイの市内観光を代表する名所の一つにも数えられ、日本人観光客も多く訪れる人気スポットでもあります。
アクセス
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ハノイ大教会はホアンキエム湖西部。北部の電気自動車停車場から歩いて10分程度で、旧市街から徒歩圏内です。教会正面を通る道はニャートー通りという名前で、日本語で「教会通り」。名実ともにこの界隈の象徴的存在となっています。
また、外国人観光客が散策に訪れるメッカでもあり、雑貨やレストラン、カフェが並ぶニャートー通りとニャーチュン通り、バックパッカー通りのゴーフィン通りがあるのもハノイ大教会のすぐ傍です。
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教会周辺は現地人の憩いの場所
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ハノイ教会を囲むように立つ昔ながらの個人食堂や喫茶店。いつ見ても老若男女のベトナム人でにぎわっています。プラスティックの椅子に座って、みなさんどんな話をしているのでしょうか。ただただじっと外の流れゆく風景を眺めているだけで時間が過ぎていく。日本で働くみなさんは、そんな贅沢な時間を最近味わえましたか。せっかくのハノイ旅行なので、ゆっくりと1日が流れる時間を楽しんでいってください。
ちなみに、この界隈のお店では、チャーチャンと呼ばれるレモンジュースを飲むのがプチブームのようです。
100年以上の歴史を持つ「ハノイ大教会」
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背の高い二つの尖塔は、ホーチミンの聖母マリア教会と同じ建築技法。これは「ネオ・ゴシック建築」と呼ばれる18世紀に欧米で流行った建築様式で、特徴となるのが突き出た尖塔です。本場のフランスやドイツ、イタリアなどでは、カトリック教徒の一般家庭にも普及した建築です。
当初このハノイ大教会の敷地は仏教寺院の跡地でした。1886年にハノイ市内で最大規模の大きなカトリック教会として建立され、現在の姿に至ったのは1900年のこと。つまり100年以上前に建てられた歴史的建造物といえます。
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子供を抱える聖母マリア像。子供は幼き頃のイエス・キリストでしょうか。もともとは黄金だったようですが、現在はいたるところに黒ずみとくすみが見られます。教会も100年以上経過しているので、外観は同様。もともと黒と白の石材を基調に作られたと言われています。
ただ、それと同時に歴史の重みもずっしりと見る者に伝わってきます。外観を眺めていると、フランス統治時代の19世紀から20世紀の時代にさかのぼった気分にとらわれます。ハノイ大教会が建てられた1900年といえば、清仏戦争にフランスが勝利して、完全に北部と中部がフランスの支配下になって間もないころです。おそらくフランス人はベトナムに駐在するフランス人のために、そして、ベトナム人にカトリック教を布教するために町の中心に作ったのでしょう。
大教会内部の様子。厳粛な空気が漂っています
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内部の様子。教会はどこも似たような作りですが、しっかりとした大きな石柱が並び、その奥には祭壇が置かれています。両脇には等間隔にステンドグラスが並び、わずかにパステルカラーの光が教会内に差し込んできます。
ミサは月曜~金曜の5時30分と18時15分、土曜の5時30分と18時、日曜は5時、7時、9時、11時、16時、18時となります。ミサを告げる鐘楼がニャートー通りに鳴り響く様子は、まさに西洋化されたベトナム独特の光景といえるでしょう。
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ベトナムは人口の2割程度がカトリック教徒と言われています。町の郊外や田舎でも必ず町教会はあり、仏教寺院同様の賑わいとなっています。筆者の所管だと、2割とはいわず、もう少し教徒の数は多い感じもします。教会周辺のレストランでは、席について食事前に胸元で十字を切るベトナム人の姿も普通ですし、十字架のネックレスをしている人も多くいます。
教会は彼らにとって、行かなければならないルール・しきたりではなく、行きたくなる拠り所的な役割があるのでしょう。
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美しいステンドグラスは、イタリアのベネチアから輸入されてきたものと言われています。色とりどりのガラス片をつなぎ合わせて、幻想的な風景や人物を表現しています。
もちろんハノイ市内にはほかにも多くの教会がありますが、このハノイ大教会が信仰の象徴であり中心であるようです。観光散策では、熱心に礼拝する彼らの様子も貴重な風景として脳裏に焼き付けておきましょう。
<DATA>
名称:ハノイ大教会(Nha Tho Lon)
住所:Nha Tho St. Hanoi
営業時間:5:00~11:00、14:00~19:30
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