ベトナム最新情報ブログ(現地在住ライターによるベトナムの記事)

ベトナム人を知れば、もっとベトナムが好きになる!

海に囲まれた島国に住んでいると、『外国』という言葉がなんだか遠く感じられます。しかし、アジア大陸という大きな陸で続いているベトナムは、中国にもラオスにもカンボジアにも極端な話歩いて行くことができます。不思議ですね。

ベトナムと日本は約3600km離れていますが、遠く向こうで生まれ育った彼らは、我々日本人とは性格がまるで異なります。文化や習慣が異なれば思考も変わるのは当然の話。今回は、ベトナム人というのはどんな人たちなのかを見てみましょう。彼らを知って、ベトナムという国に興味を持っていただければ幸いです。

ベトナム人女性の力強い存在

IMG_3559.jpgバイクに大股で跨るベトナム人女性

ベトナムでは農村地帯ではまだまだ男尊女卑が根強く残っていると言われていますが、都心部ではあまりみられません。いまの若者の親世代だと、「子供は男の子がいい」、「女の子ばかりの家庭はかわいそう」などと言う人もいますが、最近のベトナム人の思考はすでにモダンナイズされています。

日本でも近年「草食系男子」という言葉が定着していますが、ベトナムでも同様です。「ベトナム人は女性がよくしゃべり、男性は口数が少なく消極的」というのは、自他ともに認めるところ。女性が声を上げて大柄の男性と喧嘩をしている場面もよくみますし、市場に行っても精を出して働いているのはいつだって女性。

ベトナム人男性は怠け者

IMG_5388.jpg南国を象徴するハンモック。一家に一台は必ずある

日中汗水たらして働いている女性がたくましく映る一方、ベトナム人男性はいかがでしょうか。昼間から路上でビールやコーヒーを飲んで、なにをすることもなく友人同士でくっちゃべっていたり、昼になるとハンモックで昼寝。午後はビリヤードや盤ゲームに興じて、(彼らはいつ働いているんだ?)と思わずにはいられません。

ベトナム人女性は生活力があり現実的。家庭を守るんだ、という意思は人一倍強く、それは歴史を見ても証明されています。一方、近年の男性はベトナム戦争で培ったゲリラ魂はどこいった、フランスから独立を勝ち取った強い意志はどこいった、そんな風にみることができます。

ベトナム人の若者はブームに夢中

DSCN8028.jpg美を追求する女性は世界共通か

ベトナム旅行では、是非ベトナム人の若者たちと積極的に交流してみてください。彼らの考えていることを少しでもわかれば、いい意味でのカルチャーギャップを楽しめますし、共感する部分があれば親近感を持つことができます。例えば、ベトナム人の若者も現在はネット社会。フェイスブックやユーチューブなどで世界の流行の情報収集は欠かしません。

最近流行っているのは「たこ焼きの屋台」と「ポケモンGO」。いずれも日本のサブカルチャーが生んだ産物ですね。さらに韓流ドラマやファッションを好み、海外のスターに目は釘づけ。いままではビリヤードやボーリング、カラオケなど日本の30年~50年前の社会現象を追いかけていましたが、最近は次々に新しい風が吹いているようで、ベトナム人のライフスタイルも日々変化しているのが分かります。

屋台文化を大切にするベトナム人

IMG_9951.jpg誰もが大好きな屋台

日本もかつては屋台がそこかしこにありました。しかし、時代の合理化の波とともにだんだんと屋台は廃れていきました。ベトナムにもそんなときが来るのかなと思っていると、「ベトナムでは屋台はなくならないよ。どんなに発展しても、みんなが屋台が好きだから」とベトナム人は口を揃えて言います。確かに都心ではコンビニやレストラン、ファーストフード店などが軒を連ねるようになりましたが、屋台は衰え知らず。

夜になると、ベトナム人は決まって道端の屋台にバイクを止めます。昼間は社会人なども昼食を取りに来るのですが、日中は暑いので、にぎわうのは夜となります。隣にはおいしいと評判のレストランがあるにも関わらず、満席になるのは屋台。好きなものを飲んで、好きなものを食べて、大人数で楽しむ。ベトナムでは屋台はカルチャーの一つであることを、旅行をとおして実感することができるでしょう。

名言か迷言か? 男性の間で語られる日本人女性神話

IMG_2049.jpg驚くことに全国の男性みんなが知っている

ベトナム人男性の間では、このような言葉があります。「西洋の家にすみ、中華料理を食べ、日本人女性を嫁にもらう」。これがベトナム人男性が考える理想の人生とのこと。なぜ日本人女性なのかというと、一昔前に、ベトナムでは日本のドラマの「おしん」が大流行しました。献身的に働き、男性を立てる日本人女性に心を打たれる男性が急増したようです。

ちなみに、ベトナム人の若者の男性何人かに訊いたところ、共通して言える好みの日本人女性象というのは、「小柄(華奢)」、「鼻筋が通っている」、「よく笑うがおしゃべりではない」といったもの。自分の彼女と対比しているのか分かりませんが、一貫して日本人の女の子はベトナム人の女性よりも優しく慎ましやか(=おとなしい)と答えていました。

明日の1000円より今の100円

IMG_5478.jpg陽気な女性たち

ベトナム人をよく知る在住外国人が口を揃えていうことでもあります。歴史を辿れば、ベトナムは戦争の毎日でした。中国、フランス、日本、アメリカと次々にベトナムを侵略していき、彼らは休まることができないほど。明日がくることが保証されない日々をおくっていると、いまの生活とお金を大切にするようになります。

明日1000円手に入ると言われても、今日100円実際手に入るのであれば、100円を選ぶ。極端な例かもしれませんが、実際のところそれがベトナム人でもあります。ゆえにビジネス上ではトラブルにもなりがち。「中期計画が立てられない」、「契約を反故にする」などといった問題もあるようです。しかし旅行者にとっては、彼らの考えは単純明白。「今を楽しく生きたい」と置き換えることができます。ゆえに日本人の目には、おもしろく興味深く映ることでしょう。

旅行者は負けないように! ぼったくりをやめないベトナム人

DSCN4631_R.jpgベンタイン市場にて

「買ったこの雑貨、違うお店だったら3割も安かったよ~」と値段交渉に失敗した様子の旅行者もよく見かけます。交渉に関しては彼らの方が一枚上手のようですね。「サンダルを売る小さな店の主人が外国人にぼったくった値段で売り続けたら、高級マンションを買うことができた」そんな逸話まであるベンタイン市場。50万ドンで提示された値段も、交渉によっては10万ドンまで値切れることもしばしば。まさに定価の概念がありません。

彼らは相手を見て提示する値段を考えます。日本人は特に押しに弱いというレッテルをはられているので注意してください。腕を掴まれお店に連れ込まれ、「これ買いな!」と商品を押し付けられて、あとは電卓を叩いて値段交渉。日本人は「いや、まだ買うとは......」と。日本人に不慣れな値段交渉も、ベトナム人からすると誰もができて当たり前。小さな子供もお使いに行かされて、「値段交渉して安く買うことができれば一人前」と言われるほど。

ベトナム人は陽気な人たち。旅行で彼らと触れ合おう

ベトナム人は御覧のようにとても陽気な人たちです。旅行中ではお店の店員、ツアーガイド、ホテルスタッフなど話す機会はたくさんあるでしょうが、彼らはいつだって気さくでフレンドリーに接してくれます。それが南国の国に住むベトナム人の魅力かと思います。

[local, 616]

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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