ベトナムはフランスによって100年もの間支配されていました。その間は「フランス領インドシナ」とも呼ばれていて、インドシナ半島を構成する国の一つでもありました。現在でもインドシナと呼ぶ人もいますね。そのフランスが残していったフランス料理は、現在でベトナムの民間にまで浸透しています。
今回紹介するフレンチレストランは、「ティーコズサイゴン(Ty coz Saigon)」。フランス人オーナーが経営するユニークなレストランです。
路地奥に佇む隠れ家的レストラン
場所はホーチミンの1区。パスター通り沿い。観光のメインストリートの一つでもあるパスター通りを歩くと、左手にパステルインホテルがあります。このホテルは日本人スタッフが常駐しているため、日本人ビジネスマンがよく利用しているホテルです。その正面には幅狭い路地があり、その奥へ入った先に、今回紹介するティーコズサイゴンがあります。
品性を持ったアットホームな空間
ベトナムの住宅をそのままレストランに改築しているため、雰囲気はどことなくアットホームです。ここのお店はフランス人とベトナム人夫妻が経営しているお店で、シェフはフランス人オーナーとその弟さん。魚介や肉といった素材はすべて彼らが目利きで仕入れているそうです。
内装は3階と屋上の4階が客席フロアになっています。温もりがある店内は気軽さがある中で気品が漂っています。さすがフレンチレストランといったところ。
屋上のテラス席がロマンティック
テラス席は5つ~6つのテーブル席があり、いつの時間であってもそれほど込み合うことはありません。テーブル席にはキャンドルがともり、腰が沈むアームチェアにどっかりと座って食事をとることができます。日本ではオープンエアのレストランはあまり多くはありませんので、旅行者はテラス席を選んでみるといいでしょう。
オーナーによるまさかのメニュー解説!
テーブル席に座ると、時期にオーナーもしくは夫人がご覧のようなブラックボートを持ってやってきます。以前はホワイトボードだったのですが、バージョンアップしたようです。
実は、これがティーコズサイゴンの名物であり、数あるフレンチレストランの中からこの店を選んでほしい理由でもあります。この店には定番のメニューはなく、その日の仕入れた食材によって日替わりで変わるため、毎日オーナーがメニューをボードに書いているのです。
オーナーおよび夫人は流暢な英語で解説してくれます。日本人客も多いことから、オーナーは食材の日本語単語を覚えているので、要所で日本語を発してくれます。
説明内容は、主に料理の内容と特徴。アラカルトとコース内容の詳細です。料理の右横には「240」、「580」などと3桁の数値がありますが、これが料金。「240=24万ドン」、「580=58万ドン」となります。
このボードによる料理解説は、現在では旅行者や在住者の名物となっています。こちらが英語を理解できるか否かを確認せずに、淡々と20分ほど解説する様子は、逆にユーモラスでリピートする日本人在住者も多くいます。心の中で「話長いよ!」と思ってください。
フランス料理をリーズナブルに堪能
そんなユーモアたっぷりのオーナーですが、作る料理はどれも上品かつ一級品。新鮮な牡蠣は生で食べることもできますし、カルパッチョやパエリア、ブイヤベース、ビーフステーキなどはどれも美味。平均予算はおひとり4000円程度。
もっと安く食べたいという方には、コース料理がおすすめです。約40万ドンで前菜、メイン、デザートを楽しむことができます。
一度はフレンチレストランに訪れたい
ベトナムの名物料理はベトナム料理だけではありません。ベトナムの歴史が培ったフレンチも名物の一つといえるでしょう。ベトナム旅行中一度はフレンチレストランにいって、本場のフランス料理を味わってみてください。
名称:ティーコズサイゴン(Ty coz Saigon)
住所:178/4 Pasteur St,Dist.1.Ho Chi Minh
営業時間:11:00~13:30、18:00~21:30 ※月曜定休