チャウドックはホーチミンからメコンデルタ地方へ向かうこと6時間強のバス旅。寝台バスで行けるので、それほど苦痛ではないですが、いずれにしても外国人にとっては秘境となるエリアでしょう。せっかく遠路はるばる行くのだから、どこへ何しにいくのかはしっかりと事前に計画を立てておきたいところです。そこで、今回はチャウドック、夜のエンターテイメントである「ナイトマーケット」の様子をご紹介したいと思います。
アクセス
場所はチャウドックの郊外にそびえるサム山の麓。サム山の麓には開けたエリアがあり、ベトナム人用の民宿やパパママストア、寂れた食堂などが並んでいます。有名なバーチュアスー廟があるのもここ。ナイトマーケットは毎夜バーチュアスー廟の周辺で開催されます。バーチュアスー廟へと続く参道と下界、廟の上界がそのエリアとなっていますので、廟を一周するように大きく回って歩いてみてください。
名物の乗り物に乗っていくこともできる
こちらはメコンデルタ名物のセーロイダップ。昔は都心でも普通に走っていたそうですが、近年は規制やバイクの発展とともに廃れていき、メコンデルタ地方のような田舎町の一部でしか見られなくなりました。人力車なので、遠くまでは運んでくれませんが、町の市街地(チャウドック市場周辺)からナイトマーケットが開かれるここまでは運んでくれます。
そこらへんを歩いていれば簡単に見つけられますが、値段交渉は必要です。一番いいのは食堂やカフェを利用しがてら、店員に交渉してもらうことです。外国人が交渉しようとしたら、相場も分からずにぼったくられるのがオチです。
お土産になりそうなものは......
雑貨で買えるのは洋服くらいの印象です。その洋服もシンプルなものばかりで、とてもファッショナブルとはいえません。とはいえ日本円にして150円程度で買えるのは魅力。仲の良い友人へのおもしろ土産としてもいいですし、部屋着程度であれば、自分用、家族へのお土産にもいいかもしれません。
果物屋台がたくさんある訳は......
ナイトマーケットには果物を扱う店や屋台を非常に多く見かけます。もちろんベトナム人は老若男女果物が大好きということも一つに挙げられます。しかし、ここではそれだけではなく、バーチュアスー廟への供え物として買っていく方も多くいます。個人商店に顔を出してみると、果物のばら売りはもちろん、供え用にセットになっているものもありますし、また線香類も必ず扱っています。
屋台では南国の果物が充実しています。食べ歩きする場合は、お店の人にカットしてもらうことも可能です。また、予めカットされてビニール袋に入っているものもあります。値段は交渉ですが、それほどぼったくられることはありません。周りにもお客がいれば、正規の値段を言ってくれるでしょう。ただし、ここで英語が話せるスタッフはまず皆無といっていいでしょう。もし手ぶりや電卓などで伝えられなかったら
、店の言い値で買うことになります。
やっぱり食べ歩きは欠かせない
バーチュアスー廟周辺には夜遅くまで営業している屋台や食堂がいくつもあります。いずれも専門店が多いので、一つの店で食べられるのは一種類か二種類。ここでお腹一杯食べようと思ったら、食べ歩きがおすすめです。
また、チャウドックには小洒落たレストランやカフェはありませんので、ナイトマーケットにサム山に来た旅行客はみなさんここで食事をすることになります。ナイトマーケットを楽しんで市街地に戻ったら、お店の多くは閉店しているので食べ逃さないようにしてくださいね。
ツクネのような肉団子。ナイトマーケットのあちらこちらで見ることができます。値段は4万ドンから5万ドン程度。また、大振りのチキンを売っているところもあります。ベトナムでは鶏肉は丸ごと一匹食べるのが普通。足だけの「チャンガ―」は外見は気味悪いですが、出汁が染み込んで吸うように食べると美味。胸肉、もも肉はフライドチキンもいいですし、特製のタレをつけて炭火で焼くと、香ばしくてかぶりつきたくなります。現地人の中には鶏の頭部分を食べる強者もいます。
大鍋に入ったこの白い液体は「豆乳」。屋台の定番でもあります。一杯50円程度と安く、ホットかアイスかを選ぶことができます。夜といえども暑いのでついついアイスを頼みがちですが、アイスの場合は氷がすぐに溶けるので味が薄くなってしまいます。濃厚な味わいを楽しみたかったらホットがおすすめです。
ブンを食す
その他ここで食べられる定番の料理といえば、「ブン料理」です。ブンはフォーのような米粉を原料にした麺で、縮れていたり細麺、太麺、ストレート麺などと多様性を持っていることから、ベトナムの国民食となっています。メコンデルタはそのブンの特産地となります。チャウドックでは「ブンマム」、「フーティウ」、「ブンリウクア」の3つのブン料理が人気です。
ブンマム......マムと呼ばれる魚を発酵させた調味料をベースにスープを作ります。味はベトナム料理の中では濃厚で、色は灰色に濁っていて甘いのが特徴。都心ではどこでも食べられるものではないので、これを機会に食べておきたいところです。
フーティウ......北部がフォーなら南部はフーティウというように、南部の名物となります。フーティウの起源はよく分かっていませんが、カンボジアに同じ麺があることから、クメール人が伝えたのではないかという説が有力です。一昔前までは、南ベトナムはクメール人の国でした。
ブンリウクア......濁りスープにカニのすり身が入っているブンの中では一番安価に食べられる料理。味が物足りないのであれば、マントムと呼ばれる調味料をスープに混ぜてください。ただし、発酵タレなので、匂いと味にクセがあるほか、塩辛いです。一度舌で舐めて味を確かめてください。
参道への道も店と人でいっぱい
遠くにライトアップされている寺院がバーチュアスー廟。約100Mほどの参道には店がひしめきあっています。その多くは線香や供え物を扱う店。スリには気を付けてください。特に旧正月の時期にはベトナム全国から仏教徒が押し寄せ、非常に盛り上がります。
最後はバーチュアスー廟で参拝をして、1日を締めくくってください。バーチュアスー廟の堂内は写真撮影不可です。内部では僧侶が木魚を叩いてお経を読んでいるほか、仏教徒が供え物をやったり、参拝している様子をうかがうことができます。
ここから市街地へ戻る場合は、セーロイダップかバイクタクシーとなります。車のタクシーはここまで来れないので、そちらを利用したい場合は、ある程度下山しなければなりません。街頭はありますし、周辺は道路も整備されて民宿が続きますので治安も問題ありません。
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