「ベトナム旅行のベストシーズンは?」と訊ねられることがよくありますが、その問いに応えるためには、「ベトナムのどこへ旅行に行くのか」を聞かなければなりません。日本でも北海道と沖縄では気候がまるで異なるように、ベトナムもいびつな縦長の地形をしているので、北のハノイ、中部ダナン、南部のホーチミンでは、それぞれ旅行のベストシーズンが変わってきます。今回は地域別におすすめの旅行時期をご紹介したいと思います。
北部旅行のベストシーズン
北部旅行のベストシーズンは11月から4月頃まで。
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11月から4月までのこの時期は北部は全体的に乾季となり、雨降りの日が少なくなります。ただし、気温で見ると、日本の四季だと秋とも比較されることもあり、肌寒い日が続くこともしばしばあるので長そでの服が必要です。東南アジアに位置するベトナムではあまり考えられない方も多くいることかと思いますが、みなさん写真上のように冬に着るような長そでやジャケット、ジャンパーにパーカーを着ている人がほとんどです。
ハノイの夏は雨季
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おそらく多くの人は、「乾季=暑い」と考えていることでしょう。しかし、北部エリアはその逆となり、「乾季=寒い」、「雨季=暑い」となります。ハノイでは、5月か6月頃から雨季に入り、10月下旬ころまで続きます。この時期がちょうどハノイの夏にあたり、特に7月8月は気温が35度を超える蒸し日が続くこともざらにあります。雨が降るけど蒸し暑かったり、寒いけど快晴といった気候なので、旅行者にとっては南国を感じるときがあまりないかもしれませんね。
[basic, 184]中部旅行のベストシーズン
中部旅行のベストシーズンは2月から7月まで
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中部の旅行シーズンは、乾季となる2月から7月まで。前後の1月と8月も雨降りの日は少ないので、旅行には向いていますが、1月はまだ肌寒く、しとしとと長雨が降ることもあります。中部はダナンが中心都市で、北にフエ、南にホイアンとミーソンと複数の世界遺産があるのが特徴。いずれもアウトドアスポットなので、乾季の時期に目指すのが無難です。
また、2月は旧正月の月にもなりますので、この時期に旅行でホイアンやフエに訪れるベトナム人も多く、毎年大変な賑わいをみせます。特に3月4月は降水量も少なく、また気温も25度から30度以下と過ごしやすい気候となるので、学生の卒業旅行の時期にはうってつけです。
雨季は危険地帯へと変貌を遂げる
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一方、9月から12月は中部地方全体は雨季に包まれます。北部や南部よりも中部は台風に当たる確率が高く、また排水インフラも十分ではないので、この時期は毎年洪水に見舞われます。特にホイアンやフエ、そのほか郊外の田舎地帯に行く方は注意してください。
また、ダナンも同様です。道路が冠水することはあっても、市街地を流れるハン川が洪水を引き起こすことはありませんが、この時期の海水浴は生命の危険が伴います。いつもはビーチスポットとして旅行者に人気のミーケービーチ、ノンヌォックビーチなども、日本海のように波が荒れます。
[basic, 289]南部旅行のベストシーズン
南部旅行のベストシーズンは12月から4月頃まで
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ベトナムきっての観光エリアであるホーチミン。年間30万人以上の観光客が訪れるベトナム最大の商業都市です。そのホーチミンのハイシーズンは雨季が終わる12月頃から、4月もしくは雨季前の5月頃までとなります。日本のゴールデンウイーク時は、ホーチミンは最も暑い時期となりますので、日焼け、紫外線対策は怠らないように。
また、乾季だからといって、まったく雨が降らないというわけではありません。日によってはスコールが数十分降ることもあります。また、雨が降った後は蚊が大量発生することもあるので、虫よけスプレーやムヒは持参しておくのがいいでしょう。
旅行の仕方によっては雨季も楽しめる
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雨季の時期に旅行する方は、ショッピングセンターでの買い物やスパ&マッサージでのエステ、お洒落なカフェ巡りなど、屋内施設を満喫することによって、雨をやりすごすことができます。郊外は港町のブンタウや、自然に覆われたメコンデルタがありますが、いずれも雨降りの日は十分に満喫することができません。
ただし、先ほど、「乾季だからといって、まったく雨が降らないというわけではありません」と上述したように、雨季であっても毎日雨に降られるわけでもありません。もし運がよければ、滞在中ほとんどスコールに遭遇しないことだってあるでしょ。あくまでも雨が降りやすいと思っておくといいかと思います。
[basic, 182]まとめ
このように、ベトナムは地域によって雨季と乾季、暑い日と寒い日が異なります。いつ旅行に行くのかは、ベトナムのどこに行くのかで決めるのもいいかもしれませんね。ただし、あまり雨季と乾季を気にしすぎるのもよくありません。雨季ならば、雨季の楽しみ方を覚えておくことが肝要です。
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