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日本人は知らないベトナム人の5つの習慣

海外旅行の楽しみの一つが「異文化交流」。日本にいてはまったく気づかない異国の文化の違いは、非常に興味深いものがあります。しかし、それらをまったく知らないで相手と接すると、もしかすると、ベトナム人は日本人に対して不快感を抱くかもしれません。もちろんその逆も然り。せっかくの海外旅行なのだから、現地のベトナム人と交流し、お互い絆を深めて帰国したいところです。今回は、事前に知っておいてほしいベトナム人の5つの習慣をご紹介します。

1、ベトナム人の朝は早く、昼寝がある

DSCN3471.jpg朝7時半頃から込み合う

ベトナム人の朝は早く、市場は6時前から営業開始しているところも多くあります。ベトナム人の一般家庭では、まだまだ冷蔵庫で食品を保存しておく習慣が普及していないため、多くの家庭は毎朝市場でその日の食料を買い物します。ビジネスアワーは8時から17時。ホーチミン1区やその隣接する区にオフィスが密集しているので、ベッドタウンとなる郊外からの渋滞は10km以上に及ぶこともあります。

また、意外かもしれませんが、ベトナムでは昼寝の習慣があります。昼寝といえばスペインの十八番ですが、ベトナムでも昼間は陽気が強いためか、部屋でひと眠りするのが一般的。最近は企業に務める社会人も増えてきたので、全体的な考え方が変わって、昼寝をすることも少なくなってきているようですが、休日は多くの老若男女が昼過ぎを昼寝の時間にあてて、日暮れ以降再び活動を開始します。

2、ベトナム人の見栄を暴いてはいけない

DSCN3259.jpgベトナムでもスマホの普及率は高い

在住外国人からいわせると、「ベトナム人は見栄で生きている」とのこと。例えば、レストランやお店の前にいるバイクの警備員。給料は日本円換算で高くとも3万円程度です。月2万円程度の月収で暮らしている人も多くいます。※2016年1月現時点でベトナムホーチミンの最低賃金は1万5000円程度。

その彼らもなぜか手にはiPhoneやスマートホンを持っています。彼らの月収の2倍から3倍するスマホを持っているのは「見栄」に他なりません。よくよくそのiPhoneを見ると、かなり古い機種だったりします。彼らにとってiPhoneを持つこと自体がステータスであるようです。

他にも、「僕の家は来年建て替えるんだ。だから今は仮宿だよ」といって十数年仮宿とやらに住み続けている筆者の知人もいます。ベトナム人は回りによく見られたいという見栄っぱりが多くいるようで、それはベトナム人自身も認めています。彼らの見栄を認めてあげて、つっこみを入れては決していけません。

3、ベトナムに根付く学歴社会

IMG_8170.jpgアオザイだけが制服ではない

ベトナムの大学進学率は20%前後で推移。年々微増しているものの世界基準でみれば決して高い数値ではありませんね。それもそのはず。ベトナムは一昔前までは東南アジアでも最貧国の国だったのが、90年初頭のドイモイ政策以降身の丈知らずの急激な成長を遂げました。その成長スピードにベトナム国民が追い付いていない様子がうかがえます。ゆえに、ベトナム人にとっては、大学を卒業したこと自体がキャリアそのもの。大学を2つ卒業する者や、何年も居座って勉強しつづける者も多くいます。

「あの人は大学を卒業していないからダメ。別れなさい」と母親に言われて、あえなく恋人と別れた、というベトナム人の学生も多くいるのが現状。企業の面接も大学進学、最低でも専門卒であることを条件にしているところがほとんどで、大学を卒業していない若者は、タクシーの運転手や大型トラックドライバー、ショッピングセンターのスタッフなどと、昇給ができないプチカースト制度が現在のベトナムです。ですので、「なんでもっと給料高いところに就職しないの?」、「大学は出たの?」などと効くと、相手によっては嫌な顔をされるかもしれません。

4、明日の金より今日の銭

IMG_1776.jpg外国人向けの市場のぼったくりは最近規制が入り始めている

ベトナム旅行で「ぼったくられた」と下を向いて歩いている旅行者をよくみかけます。東南アジアや南米旅行経験者の方でも、「ベトナムのぼったくりはひどすぎる」と断言する方もいます。それだけベトナム人は現物主義であり、現実主義。「また買いに来るから安くして」という言葉を信じてはくれません。常にいま手に入るお金だけを計算します。それが実際ベトナム社会にも蔓延しているので、信用をもってして長く付き合い続けることを習慣としている日系企業は、みなさんベトナム企業との取引に頭を悩ませているようです。

ただし、平均よりも少し高値で買ってしまっただけでぼったくりとは考えない方がいいかもしれません。そもそも定価の概念がない市場や露店、屋台では、値段交渉は必須。相手も生活がかかっているので、少しでも高く売りたいのは本音のところ。お互いが納得した金額で売買成立できれば、それは平均より高くともぼったくりではないという考えはできないでしょうか。

5、ベトナム人はカフェに生きる

IMG_2406.jpg生演奏を開催するところも多い

最後はこちらです。旅行者も知っての通り、ベトナムは古くは約80年もの間フランスに支配されていた歴史があります。そこで現在も浸透しているフランス文化の一つが「カフェ」。ホーチミン市内にはいたるところにお洒落なカフェがあり、これらは旅行者はもちろん、ベトナム人にとっても貴重な憩いの場所。「食べる&飲む=アン・ウン」というベトナム語がありますが、これはお腹が空いたという意味ではなく、カフェに行きたいという意味。ベトナム人の女性は常にお洒落なカフェを探すのに夢中。夜になると、ライトアップされてロマンティックな空間を創るカフェもあれば、シンガーを読んで生演奏を開催するカフェもあります。旅行の楽しみでもありますね。ちなみに、この手のお洒落カフェはハノイよりもホーチミンが断然多いです。

また、夜は道端の屋台も大変賑わいます。こちらもベトナム人の習慣の一つ。年齢、性別、収入関係なく、ベトナム人はみんなが屋台好きです。夜にホテルで過ごすのはもったいないので、是非外の町に繰り出してみてください。昼とは打って変わる昭和じみた光景をみることができるでしょう。

[local, 638, 586]

著者プロフィール

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ペンネーム: サイゴンの便り
学生時代にベトナムの民話と民族を研究して以来、毎年一回はベトナム旅行を楽しむように。そして、2011年に念願だったベトナムへの移住が決定。現在はトラベルライターとして、ベトナム各地の観光情報を読者にお届けしています。旅行者が寄り付かないようなローカルエリアに住んでいるので、毎日のんびりとした素朴な時間をおくっています。趣味はバドミントン。

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